事業計画書の書き方は?目的や盛り込むべき10項目を徹底解説!

株式会社経営支援センター
監修者
株式会社経営支援センター 代表取締役 高濱有志
最終更新日:2023年11月15日
事業計画書の書き方は?目的や盛り込むべき10項目を徹底解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 事業計画書には何を書くの?
  • 事業計画書を書く目的は?
  • 事業計画書を書くうえでの注意点は?

「事業計画書とは?」「事業計画書には何を書く?」とお悩みの経営者の方、必見です。事業計画書を作成することで、ビジネスモデルを可視化できる、企業ビジョンの共有ができるなど、さまざまなメリットがあります。

この記事では、事業計画書に書くべき10項目やメリットを解説します。記事を読み終わる頃には、事業計画書の作成に着手できるでしょう。

作成時の注意点も解説するため、事業計画書を初めて作成する方も既存のものを見直したい方もぜひ参考にしてください。

経営戦略・事業計画書策定の依頼にお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • 戦略を具体的に組み立てるのが難しい
  • 自社ビジョンに合ったコンサルタントが見つからない
  • 策定した計画書の評価基準が不明確

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の経営コンサルタントに一括で相談ができ、各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。相談したからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

経営戦略・事業計画書策定に対応できる業者を一覧から探す

事業計画書とは

pixta_42628461_S

事業計画書とは、起業や新規事業を行うにあたり、事業内容や戦略・収益見込みなどの詳細を記載した書類です。事業の立ち上げや継続に必要な資金を調達するための説明書類としての役割もあります。

事業計画を客観的に見直すことで、ビジネスモデルを改善するヒントを得られます。専門のコンサルタントやアドバイザーなどに相談する際も、事業計画書を利用して説明するとビジネスプランの全体像が伝わりやすいです。

事業計画書は会社設立時や新規事業立ち上げ時に提出する義務はありませんが、ビジネスプランを整理し、より明確にするためにも作成した方がいいでしょう。

事業計画書の書き方は?盛り込むべき10の項目

pixta_93959622_M

事業計画書には指定されたフォーマットが存在しません。ExcelやGoogleスプレッドシートを用いて独自に作成できます。

記載する内容によりボリュームや事業計画の鮮明度は変わりますが、一般的に以下の10項目を記載します。

  1. 企業のコンセプト・ビジョン・理念
  2. 創業者・創業メンバーのプロフィール
  3. 事業内容
  4. 自社のサービスや強み・特徴
  5. 従業員の状況
  6. 市場規模・競合他社などの環境面
  7. 販売戦略・マーケティング戦略
  8. 財務に関する計画
  9. 生産方法・仕入れ
  10. 資金調達に関する計画

1. 企業のコンセプト・ビジョン・理念

企業を経営する理由や社会に貢献する方法、存在意義などを記載しましょう。企業としての目標や行動計画の現実味が増します。中長期的に収益の見込みを示す根拠となり、融資や資金調達で有利に働くでしょう。

2. 創業者・創業メンバーのプロフィール

創業メンバーの経験値や専門性を提示するために経歴(学歴・職歴)、資格を記載します。具体的な業務内容なども記載することで、より明確に専門性を示せます。

事業を成功させられる理由や人材が豊富である根拠を提示します。事業と全く関係のない経歴を記載する必要はありません。

3. 事業内容

事業の全体像や市場・ターゲットに対して、提供する商品・サービスを記載します。事業内容・市場を選択した理由、将来性もあわせて記載することで金融機関側がイメージしやすいです。商品やサービスに関係のある内容を、簡潔に記載するのがいいでしょう。

4. 自社のサービスや強み・特徴

競合他社による寡占状態で、事業の成長見込みや企業間競争の勝率などが低い市場に事業を投下しても、社会的な意味は薄いと判断されます。自社にしかない独自性、商品価値があることを伝え、市場での社会的価値を示しましょう。

5. 従業員の状況

事業を進めるうえでの人員計画、従業員状況を記載します。長期的な事業として必要な人員数や配置を整理して記載しましょう。

事業を拡大すると必要な従業員も増え、必要なコストも増加します。可能であれば募集採用の人数や採用計画なども、売上や収益予測表を参考に対応させて表記するといいでしょう。

意思決定の流れや役割を表した組織体系図もあわせて記載すると、読んだ人が全体像をイメージしやすくなります。

6. 市場規模・競合他社などの環境面

事業計画書には市場規模や競合他社などの企業を取り巻く環境面を記載する必要があります。環境にあわせて、市場のニーズや関連政策を記載し、他社との差別化や環境への適応力の根拠を示せます。

独自のアイデアやアイデンティティがある場合、社会的価値を示せるため記載しましょう。表やグラフなどを掲載して説明すると効果的です。

7. 販売戦略・マーケティング戦略

事業計画書には商品をどのように売るのかを示した販売戦略やマーケティング戦略を記載しましょう。認知、販売までの流れを説明することが重要です。

下記に、事業計画書に記載するべき販売戦略・マーケット戦略に関する項目を挙げました。具体的かつ現実的に達成可能なプランを作成しましょう。

展開する広告・サービス 認知やブランディングを進めるため
購買までのルート 市場に投下されるまでのルート
経営戦略 リピーターを獲得するための戦略
必要コスト 各フェーズに必要なコスト
人員配置 経営戦略を達成するうえで必要な人員配置

8. 財務に関する計画

事業計画書では売上、利益に関する計画の説明も記載しましょう。財務に関する用語は以下のとおりです。

売上 商品が購入され、実際に得た報酬
利益 売上から必要経費を引いて手元に残った報酬
原価 商品の仕入れ費用
人件費 人員を雇用するのにかかった経費
見込み客 市場規模から予想される商品を求めている人数の割合

利益の予測は売上予測からかかった原価や人件費、減価償却費などを引き算して予測します。利益計画は融資や資金調達時に重要視されるため、詳細に記載しましょう。

各商品ごとに詳しく記載することで、利益を出すためにどの商品で売上を作り、どの商品のコストを下げるかを検討する材料にもなります。

9. 生産方法・仕入れ先

事業計画書には生産方法・仕入れ先の情報も記載します。事業で収益をあげる基本は「安く仕入れて、高く売る」です。確実に仕入れができる確立されたルートを確保し、コストを抑えられる仕入れ先の詳細を記載しましょう。

生産方法も記載することで、食品や化粧品では衛生面の保証となります。機械の部品では設備状況を記載すると、一定の品質の担保になり得ます。

融資の際に事業計画書を提出した時点で確立された仕入れルートや生産ルートを確保することで、資金調達にも有利に働きます。

10. 資金調達に関する計画

事業計画書には資金調達に関する計画を記載します。資金調達をする際、融資担当者が重視する部分は、返済可能な資金があるかどうかという点です。無理のない返済計画を立てたうえで、綿密な資金計画を提示する必要があります。

事業計画書を作成する3つのメリット

u3BEFm2jS0OcGfq1683536146_1683536158

事業計画書を作成するメリットは下記の3つです。

  1. ビジネスモデルの可視化と経営戦略の整理ができる
  2. 方向性・ビジョンの共有ができる
  3. 資金調達時に有利になりやすい

1. ビジネスモデルの可視化と経営戦略の整理ができる

事業計画書を作成することで、ビジネスモデルを可視化し、早い段階で経営戦略を整理できます。独自性や企業の強みを把握するとともに、弱点も浮き彫りになるため、事業開始前もしくは事業開始早期に弱点を排除可能です。

ビジネスモデルを可視化すれば、客観的に事業計画を評価でき、新たなアイデアを発見できることもあります。

2. 方向性・ビジョンを共有できる

事業計画書を作成することで、方向性・ビジョンの共有ができます。事業を2人以上で始める場合、方向性やビジョンなどにズレが生じやすくなります。事業計画書を作成すると規模が大きくなった際に、方向性の統一やビジョンの共有が円滑に行えます。

3. 資金調達時に有利になりやすい

事業計画書を作成するメリットとして、資金調達時に有利になりやすいことも挙げられます。新事業で社会的貢献ができるか、将来的に返済が可能かを示すことができます。

事業計画書を示すことで、今後の収支計画および返済能力の根拠となり、融資審査の時間短縮や審査通過に有利に働きます。事業計画書を作成するときは、融資審査も念頭に置いて作成しましょう。

事業計画書が必要になる2つのタイミング

pixta_59027202_S

事業計画書には作成義務はありませんが、下記のタイミングでは事業計画書を作成した方がいいでしょう。

  • 会社設立新事業の発案
  • 出資や融資申請するとき

1. 会社設立や新事業の発案

会社を設立する際は、ビジネスプランや資金計画をもとに事業計画書を作成しましょう。事業計画書へ記載するべき内容をもとに、事業拡大後までのスケジュールを予測・検討します。

具体的なスケジュールを事業計画書をもとに明確にすることで、現実的で無理のない計画を立てられるでしょう。会社設立後も課題の早期発見に役立ちます。

中長期的な視点で自社が市場で生き残るための計画を可視化することで無理のない事業計画を立案できます。

2. 出資や融資申請するとき

資金提供を受ける際にも事業計画書が必要です。投資家の個人単位で銀行や企業から資金提供を受ける際は事業計画書が必須です。資金を提供する側は、事業計画書は重要な判断材料になるため、根拠のある事業計画書を作成しましょう。

事業計画書を書くときの4つ注意点

fyriomuHsK6Wfb81681200583_1681200611

事業計画書を作成する際は、下記の注意点に気をつけましょう。

  1. 内容は細かく詳細に可視化する
  2. 整合性のとれた内容をわかりやすく
  3. 競合や環境を含めて書く
  4. 根拠のある数値を記載する

1. 内容は細かく詳細に可視化する

事業計画書は第三者に提出した際に説明がなくてもわかるように詳細を作成することが望ましいです。内容は細かく可能な限り詳しく記載し、予測値を含めた事業計画を可視化できるように注意して作成しましょう。

事業計画書は融資の際に提出すると銀行上層部で稟議を経ます。直接プレゼンできるわけではないため、事業計画書のみで自社の事業内容や計画、将来性が伝わるようにします。

2. 整合性のとれた内容をわかりやすく

さまざまな内容が記載される事業計画書ですが、一貫して整合性が取れていることが重要です。財務に関わる項目と資金調達に関わる項目に整合性が取れていなければ、すべての計画に影響を及ぼします。

複雑なビジネスモデルや財務情報であったとしても、可能な限りわかりやすく、一貫性をもった事業計画書の作成が必要です。

3. 競合や環境を含めて書く

事業計画書には競合他社や市場を取り巻く環境も記載しましょう。事業には競合他社との競争が必ず発生します。自社の事業計画がどれだけ優秀でも、競合他社が強力で寡占状態では将来性は薄くなります。

事業は競合が少なければ少ないほど、市場競争が緩やかになるため、競合情報を記載し、相対的な評価を検討することが必要です。事業計画書を作成する際は、競合や周りを取り巻く環境を記載しましょう。

4. 根拠のある数値を記載する

事業計画書を作成し、客観的に事業を考える際は、根拠のある具体的な数値が必須です。数値を記載することで、事業計画書そのものの整合性が保証されます。

数値を使用する際は、一次情報や公共機関の出している数値などを引用するなどして統計することで、数値の根拠を担保しつつ、事業計画書を作成しましょう。

事業計画書を入手できる場所

pixta_49523832_M

事業計画書は日本政策金融国庫やインターネット上での各社のサイトで入手可能です。事業計画書には決まったフォーマットはありません。Excelシートやスプレッドシートなどのツールを使用して独自に作成することもできます。

どのようなツールで作成しても問題ありませんが、初めて事業計画書を作成する場合はややハードルが高いです。独自に作る際も多くの時間が割かれ効率的とはいえません。

初心者のためにフォーマットを紹介している機関やWebサイトを紹介します。

日本政策金融国庫

日本政策金融国庫のホームページでは、事業計画書のフォーマットを無料でダウンロードできます。業種別に書き方の参考例も用意されているため参考にしてみてもいいでしょう。

日本政策金融国庫は2008年につくられた、政府全額出資の政府系金融機関です。民間銀行からの融資が難しい中小企業や個人事業に対する融資を積極的に行っています。

創業融資freee

創業融資freeeでは、事業計画書をはじめとする、融資に必要なさまざまな書類を無料で作成可能です。ホームページ上の案内に沿って入力するだけで、簡単に書類を作成できます。

積極的に活用し、事業計画書の作成時間を大幅に短縮しましょう。

事業計画書の書き方に困ったら税理士に依頼する

pixta_48377990_M

事業計画書の書き方に困った場合、作成を税理士に依頼するのがおすすめです。

作成にはさまざまな数値の算出や内容の検討などが必要です。専門知識も必要であるため、自力で作成するには膨大な時間と手間がかかります。

専門家の力を借り、正確かつ短時間で事業計画書を作成しましょう。

まとめ

事業計画書は事業を成功させるうえで非常に重要な書類です。事業計画書を作成する際は時間の短縮や正確性の担保のためにプロに相談するのがおすすめです。

比較ビズでは複数の業者からの見積もりを同時に無料でとることができます。条件や価格を比較することでベストな選択肢を見つけられるでしょう。まずはお気軽にお問合せください。

監修者のコメント
株式会社経営支援センター
代表取締役 高濱有志

東京都生まれ。大学卒業後、金融機関勤務を経て、税理士業界へ転職。長崎の税理士業界で16年の実務経験。その中で、のべ1,000社以上の決算業務に従事し、相続税申告も経験。顧客から事業承継やM&Aに関する相談及び業務が増加してきたことに合わせて、2015年に税理士法人から独立し、株式会社経営支援センターを設立、代表取締役に就任。事業承継支援・M&A支援を中心に経営コンサルタント業務を行っている。

会社経営は、計画がない状態で実施しても上手くいきません。経営者が、どのような道筋で会社を運営していくのかを検討・立案し全従業員に示さなければ、一丸となって会社の利益のために取り組むことができないからです。

経営計画とは、経営理念、基本方針、行動指針や経営者が持つ将来的な会社の経営についての考えを、具体的かつ明確に示したものです。経営計画を策定することで、進んでいる方向が目標に向かっているかどうかを確認することが出来ます。時の経過により経営を取り巻く環境が変化しても、経営計画があれば進むべき方向に軌道修正することが可能です。

また、経営計画を策定することで、事業の進捗度合いを確認することができます。進捗度合いが遅れている場合はペースを上げるか、計画を修正するか判断しなくてはいけませんが、これらが実行出来るのは経営計画があればこそです。

経営計画があることで、目標に向かって着実に進むことが出来るのです。経営計画を基に、今月は何をどこまでするのか、そのために今週は何をどのくらいするのか、そのためには今日はどれをどこまでしなければならないのか、具体的に1日の予定にまで落とし込んで計画を決めます。

全社員一人ひとりが、その日何をすれば目標に到達できるのか、分かった状態で仕事に取り組むことができます。その結果として、会社経営が正しく行われ継続可能な運営が行えるようになります。より良い会社経営のためにしっかりとした経営計画を策定することが大切です。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

経営戦略・事業計画書策定の依頼にお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • 戦略を具体的に組み立てるのが難しい
  • 自社ビジョンに合ったコンサルタントが見つからない
  • 策定した計画書の評価基準が不明確

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の経営コンサルタントに一括で相談ができ、各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。相談したからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

経営戦略・事業計画書策定に対応できる業者を一覧から探す