相続税と贈与税の違いとは?各税金を抑えるための節税対策を徹底解説

小西裕也税理士事務所
監修者
小西裕也税理士事務所 税理士 小西裕也
最終更新日:2023年08月24日
相続税と贈与税の違いとは?各税金を抑えるための節税対策を徹底解説
この記事で解決できるお悩み
  • 相続税と贈与税の違いとは?
  • 相続税や贈与税を減らすための節税対策は?
  • 相続税と贈与税を抑えるために生前贈与がおすすめ?

「相続や贈与に関する情報を知りたいが、相続税と贈与税の違いがわからない…」という方必見!

この記事では資産をスムーズに移行させるための税務計画を考えている方に向けて、相続税と贈与税の違いについて解説します。最後まで読めば、相続税や贈与税を減らすための節税対策もわかります。

相続税や贈与税の問題は非常に複雑であるため、税理士に相談することで効率的かつ効果的な税務対策を進められるでしょう。生前贈与のメリットや注意点も紹介しているため、税金に関する手続きを知りたい方はぜひ参考にしてください。

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相続税と贈与税の違いとは?

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相続税と贈与税は、共に財産の所有権の移転に関連する税金ですが、各性質と課税の仕組みには明確な違いがあります。

相続税は、ある人が死亡した際に、その財産の所有権が他の人に移転する場合に課税されます。贈与税は、ある人が生きている間に、財産の所有権を他の人に渡す場合に課税される仕組みです。相続税と贈与税の主な違いは、以下のとおりです。

  相続税 贈与税
課税のタイミング 死亡時に財産が移転する場合 生存中に財産が移転する場合
対象者 相続人(配偶者、子など) 贈与を受ける人(親族、友人など)
非課税の措置 ・配偶者控除
・基礎控除など
110万円までの贈与非課税
税率 財産の価値に応じて変動(10%〜55%) 贈与の価値に応じて変動(10%〜55%)
節税対策 配偶者への贈与 ・毎年110万円までの贈与
・配偶者への贈与など

相続税と贈与税は、それぞれ異なる状況で課税される税金であり、各違いを理解することは、適切な節税対策を立てるうえで重要でしょう。

相続税と贈与税のどちらが高いかは一概に言えない

相続税と贈与税のどちらが高いかは一概に言えません。税率は相続税と贈与税でほぼ同じの、10%〜55%の範囲で変動します。

具体的な財産状況や家族構成、贈与のタイミングなどを考慮し、税理士へ相談することが最も適切な税金対策を実現するための鍵となるでしょう。

相続税を減らすための節税対策3つ

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ここからは、相続税を減らすための節税対策を3つ紹介します。

  1. 早期の贈与をする
  2. 配偶者へ相続する
  3. 生命保険を活用する

1. 早期の贈与をする

早期の贈与は、相続税を減らすための一般的な節税対策です。将来の相続人に対して、早めに財産を贈与することで、相続税の対象となる財産を減らし、結果として相続税の負担を軽減できます。

子供への教育支援や住宅購入支援など、具体的な目的を持って贈与を行う場合に効果的です。早期の贈与には贈与税が発生する可能性があるため、贈与の金額やタイミング、対象者などを慎重に計画する必要があります。年間110万円までの非課税措置を活用したり、税理士へ相談したりと適切な対策を立てることが重要です。

2. 配偶者へ相続する

配偶者への相続は、相続税を減らすための有効な節税対策となる可能性が高いです。多くの税制下で、配偶者への相続には特別な控除が適用される場合があります。

配偶者への相続を中心にした計画を立てることで、家族全体の財産移転を効率的に行えます。相続のタイミングや財産の種類、配偶者以外の相続人とのバランスなどの要素を慎重に考慮しましょう。

3. 生命保険を活用する

生命保険を活用することは、相続税を減らすための一般的な節税対策の1つです。生命保険金は、契約者が亡くなった際に指定された受取人に支払われる金額で、一定の条件下で相続税の対象外となることがあります。この特性を利用して、相続人への財産移転を行いながら、相続税の負担を軽減できます。

重要なのは、保険商品の選定や契約内容の設計です。保険の種類や契約条件、受取人の選定などが、節税効果に直接影響を与えるため、専門家のアドバイスを受けると安心です。

贈与税を減らすための節税対策3つ

ここからは、贈与税を減らすための節税対策を3つ紹介します。

  1. 年間110万円までの贈与とする
  2. 教育費や住宅購入費用などに使用する贈与とする
  3. 贈与信託を活用する

1. 年間110万円までの贈与とする

年間110万円までの贈与は、日本の税法において非課税とされています。110万円の非課税枠を活用することで、贈与税をかけずに財産を移転できます。たとえば、親が子供に毎年110万円以下の金額を贈与する場合、その金額に対して贈与税は発生しません。

長期的に見て大きな財産の移転もスムーズに行えるでしょう。ただし、贈与の対象者やタイミング、全体の財産計画とのバランスなどを考慮しましょう。

2. 教育費や住宅購入費用などに使用する贈与とする

教育費や住宅購入費用など、特定の目的に使用する贈与は、一定の条件下で贈与税の控除が適用されることがあります。たとえば、子供の教育支援としての贈与や、夫婦へ住宅購入の支援などが該当する場合があります。目的指定の贈与により、贈与税の負担を軽減することが可能です。

贈与の目的や使用方法、金額などに関する法律の規定を正確に理解し、適切な手続きを行う必要があります。税理士や弁護士との相談や適切な文書の作成など、計画的な対応をしましょう。

3. 贈与信託を活用する

贈与信託は、贈与税の節税対策として効果的な手段の1つです。信託とは、一定の財産を信託銀行をはじめとする信託業者に託け、指定された受益者に対して、一定の目的や条件に従って財産を管理・運用する契約です。

贈与信託を活用することで、贈与のタイミングや条件を自由に設定し、贈与税の負担を最適化できます。たとえば、子供の成人後に資産を移転する設定をすることで、贈与税の計算方法や税率に影響を与えられます。

信託契約の内容や信託銀行の選定などは専門的な知識が必要であり、税理士や弁護士などとの協力が望ましいです。

相続税と贈与税を抑えるために生前贈与がおすすめ

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生前贈与は、相続税と贈与税を抑えるために効果的な手段です。早期に財産を移転することで、将来の相続税の対象財産を減らし、税負担を軽減することが可能です。年間110万円までの非課税措置を活用することで、贈与税は最小限に抑えられます。

ただし、贈与の金額やタイミング、対象者などを慎重に計画する必要があります。個人の財産状況や家族のニーズに応じた適切な生前贈与の計画を立てることで、財産の有効活用と税負担の軽減を同時に実現できるでしょう。

生前贈与のメリット2つ

ここでは、生前贈与のメリットを2つ紹介します。

  1. 年間110万円までの非課税措置を活用できる
  2. 相続トラブルを回避できる

1. 年間110万円までの非課税措置を活用できる

生前贈与のメリットの1つに、年間110万円までの非課税措置を活用できる点が挙げられます。この措置により、年間で110万円までの贈与は贈与税がかからず、財産をスムーズに移転することが可能です。

特に、長期的な視点で計画的にこの枠を利用することで、大きな財産移転も段階的に行えます。非課税措置は、家族へのサポートや将来の相続税の軽減など、多岐にわたる目的に対応する柔軟な手段となります。

2. 相続トラブルを回避できる

生前贈与のメリットに、相続トラブルを回避できる点があります。相続が発生すると、遺産分割に関する意見の相違が生じることが少なくありません。相続人同士の紛争につながることがあるため、予防策が求められます。

生前贈与により、財産の一部を早期に分配することで、将来の相続における分割の対象となる財産を減らし、相続人同士のトラブルのリスクを低減します。生前贈与の過程で家族間のコミュニケーションを深化できるため、相続に対する共通の理解と協力の基盤を築くことが可能です。

生前贈与の注意点2つ

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ここでは、生前贈与の注意点を2つ紹介します。

  1. 贈与から3年以内に亡くなった場合は相続税が発生する
  2. 老後の生活費や介護費用が不足する可能性がある

1. 贈与から3年以内に亡くなった場合は相続税が発生する

贈与から3年以内に亡くなった場合は、相続税が発生するため注意しましょう。相続税を逃れるための急な贈与を防ぐ目的で設けられています。

具体的には、贈与から3年以内に贈与者が亡くなると、贈与された財産は相続財産として扱われ、相続税が発生します。生前贈与を計画する際は、早めの贈与計画と、全体の相続計画との調整が重要です。

2. 老後の生活費や介護費用が不足する可能性がある

生前贈与の際は、老後の生活費や介護費用が不足する可能性があることに注意しましょう。生前贈与により財産を移転すると、贈与した側のコントロール下から財産が減少します。将来的に生活費や急な医療費、介護費用などが不足するリスクが高まる可能性があります。

特に高齢者が生前贈与を行う場合、健康状態の変化や予期せぬ支出の増加などを慎重に考慮しましょう。贈与の計画を立てる際は、将来の生活設計や必要な支出をしっかりと見積もり、必要な財産を確保するバランスを取ることが重要です。

まとめ

相続税や贈与税の問題は非常に複雑であり、個人で対応するのは困難な場合が多いです。税理士や弁護士に相談することで、法令遵守を確保しながら、効率的かつ効果的な税務対策を進められるでしょう。

比較ビズには、経験豊富な税理士や弁護士が在籍しており、個人の状況に応じて対応してくれます。スムーズな相続や贈与を行うために、まずは完全無料の比較ビズへ相談から始めてみてください。

監修者のコメント
小西裕也税理士事務所
税理士 小西裕也

1990年生 大阪府出身 大阪大学経済学部卒業。個人事務所、200人規模の税理士法人で実務経験を積み、2021年に独立。「お客様との対話を大事にする」をモットーに、クラウド会計を活用し、顧客に合わせた節税策や資金繰り対策を積極的に提案。ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを行い、クライアントは全国に。

相続税とは、遺産を相続した人にかかる税金のことです。一方、贈与税とは個人間で財産の贈与があった場合、それらを受け取った人(受贈者)にかかる税金を指します。贈与税は相続税を補完する役割で設けられた税金ですが、2024年以降の贈与については、税制改正が行われました。

【現在の制度】
死亡日以前3年間に贈与した財産は、相続の際、相続財産に持ち戻すこととなっています。贈与した金額が年110万円以下の基礎控除の範囲内でも、贈与者の死亡日以前3年間であれば、相続税の対象になります。

【2024年1月以降の制度】
死亡前3年という持ち戻しの期間が、2024年1月以降の贈与から7年に延長されます。亡くなる前の3年間に贈与された財産の扱いはこれまでと同じです。しかし、それより前の4年間に贈与された分については、全体から100万円を差し引いた金額を相続財産に含めて計算する必要があります。

今回の税制改正をきっかけに、あらためて制度をしっかり理解して、活用を検討してください。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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