登記簿謄本をオンラインで取得する方法は?発行手数料や3つのメリット・4つの注意点を解説

ささのは司法書士事務所
監修者
最終更新日:2024年05月15日
登記簿謄本をオンラインで取得する方法は?発行手数料や3つのメリット・4つの注意点を解説
この記事で解決できるお悩み
  • 登記簿謄本をオンラインで取得する方法は?
  • 登記簿謄本をオンラインで取得する際の発行手数料は?
  • 登記簿謄本をオンラインで取得する際の注意点は?

「登記簿謄本をオンラインで取得できると聞いたけど、方法がわからない...」とお悩みの方必見です。

不動産や法人などの登記簿謄本は、オンラインで簡単に取得できます。「登記・供託オンライン申請システム」を利用し、オンライン上で申請を行い、法務局の窓口か郵送での受取が可能です。発行手数料が必要になりますが、支払いは電子納付で行えるため、法務局に出向くことなく取得できるでしょう。

本記事では、登記簿謄本をオンラインで取得する方法や発行手数料・3つのメリット・4つの注意点を解説します。記事を読み終わった頃には、登記簿謄本をオンラインで取得する方法を理解して効率良く取得できるでしょう。

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登記簿謄本をオンラインで取得する方法・手順

登記簿謄本をオンラインで取得する方法・手順は、以下のとおりです。

  1. 「登記・供託オンライン申請システム」で申請者情報を登録する
  2. 取得したい登記の種類を選択する
  3. 証明書の請求書を作成する
  4. 交付方法を選択する
  5. 手数料を電子納付する

必要書類は特になく印鑑も不要です。本記事では、便宜上、登記事項証明書も登記簿謄本に呼び方を統一します。

登記簿謄本と登記事項証明書の違い

どちらも内容は同じで、紙の帳簿で保存していた頃の呼び方が登記簿謄本、データで保存している今の呼び方が登記事項証明書となります。「登記簿謄本が欲しい」も「登記事項証明書を請求する」も同じ意味です。

1. 「登記・供託オンライン申請システム」で申請者情報を登録する

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登記・供託オンライン申請システムにアクセスして申請者情報を登録します。「これからご利用を開始する方→申請者情報登録」から氏名や電話番号などの個人情報を入力してシステムへの登録が可能です。

法務局が運営するシステムのため、個人情報の悪用の心配はありません。2回目以降は初回登録時に発行されたID・パスワードでログインできます。ID・パスワードの忘れや紛失のないように注意しましょう。

2. 取得したい登記の種類を選択する

登記・供託オンライン申請システムにログインしたら、取得したい登記の種類を選択します。登記・供託オンライン申請システムでは現在、以下の7種類の手続きが可能です。

  • 不動産登記の手続き
  • 商業・法人登記の手続き
  • 動産譲渡の登記手続き
  • 債権譲渡の登記手続き
  • 成年後見登記の手続き
  • 供託手続き
  • 電子公証手続き
  • 電子証明書関係の手続き

本記事では「不動産登記の手続き」を解説します。

3. 証明書の請求書を作成する

トップページのかんたん証明書請求からID・パスワードを用いてログインします。「不動産」を選択し、必要事項を入力したあとに表示されるものは、登記簿謄本の種類選択画面です。登記簿謄本には、以下の4種類があります。

全部事項証明書

過去から現在に至るまで、該当不動産に関するすべての内容が記載されています。利用シーンが多く、基本的に全部事項証明書を取得しておけば問題ありません。

現在事項証明書

該当不動産に関する現在の情報のみが記載されています。過去に設定されて、のちに抹消された抵当権のように、現在効力を持たない情報は記載されません。

一部事項証明書

該当不動産の一部に関する情報のみが記載されています。マンションのうち1室のみの情報が欲しい場合に利用します。

閉鎖事項証明書

現在は存在しない、もしくは別の不動産に登記内容が統合された不動産に関する情報が記載されています。取り壊された建物や、他の土地と合併した土地が該当します。

4. 交付方法を選択する

オンラインで請求した登記簿謄本の交付方法は、以下の2つです。

  • 窓口
  • 郵送

オンラインで請求する場合は、即日発行し、郵送の手配をしてくれます。郵送の場合は、早くても翌日、金曜日に申請すると土日を挟むため4日程度かかるでしょう。

窓口で受け取る場合は、受け取り日の指定ができます。即日の受け取りも可能ですが、申請当日に窓口へ取りに行く場合は窓口での申請も可能です。自身にあう方法を選択しましょう。

5. 手数料を電子納付する

交付手数料は、以下2種類の電子納付から好きな方法で支払います。

  • インターネットバンキング
  • Pay-easy(ペイジー)

Pay-easy(ペイジー)の場合は利用可能なATMまで行く必要があるため、すべて自宅で完結させたい方はインターネットバンキングがおすすめです。登記簿謄本のオンライン申請の疑問があれば、登記・供託オンライン申請システムのFAQやお問い合わせを確認しましょう。

登記簿謄本をオンラインで取得する際の発行手数料は「480円〜」

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登記簿謄本をオンラインで取得する際の発行手数料は、以下のとおりです。

交付方法 1枚あたりの発行手数料
窓口 480円
郵送 500円

発行手数料は、交付方法で異なります。郵送を選択することで、法務局に出向くことなく登記簿謄本を取得できます。

登記簿謄本をオンラインで取得する3つのメリット

登記簿謄本をオンラインで取得するメリットは、以下の3つです。

  1. 時間と労力を節約できる
  2. 交付手数料が安くなる
  3. 窓口申請よりも長い時間申請を受け付けている

オンライン申請は在宅で完結できるだけではなく、受付時間も長く設定されています。法務局に出向く必要がないため、在宅で完結する点が魅力です。

1. 時間と労力を節約できる

登記簿謄本の申請をオンラインで行い、郵送で取得することで、時間と労力を節約できます。法務局に出向くことなく、自宅で完結できるためです。法務局まで行く労力や、受付をしてから申請できるまで、もしくは申請してから交付を受けるまでの待ち時間を削減できます。

2. 交付手数料が安くなる

オンライン申請を利用して登記簿謄本を取得することで、交付手数料を安くできます。窓口で登記簿謄本の交付申請を行った場合は600円の発行手数料がかかるため、オンライン申請の方が窓口交付480円・郵送交付500円と、100円ほど節約できます。

3. 窓口申請よりも長い時間申請を受け付けている

オンライン申請は、窓口申請よりも長い時間受付を行っています。窓口とオンラインの申請可能時間は、以下のとおりです。

申請方法 申請可能な時間
窓口 平日午前8時30分〜午後5時15分
オンライン 平日午前8時30分〜午後9時

窓口申請の場合、午後5時15分以降の受付は行っていません。オンライン申請の場合は、午後9時まで受付を行っているため、日中に時間を作れない方でも利用しやすいです。なかなか窓口に行く時間を作れない方は、オンライン申請を活用しましょう。

登記簿謄本をオンラインで取得する際の4つの注意点

ビジネスイメージ

登記簿謄本をオンラインで取得する際の注意点は、以下の4つです。

  • オンラインでも土日の申請はできない
  • 登記上の住所を間違えると取得できない
  • 即日交付はむずかしい
  • 登記事項要約書はオンラインで取得できない

オンライン申請は年中無休・24時間対応しているわけではないため、申請できないタイミングが存在します。交付までに1〜4日かかるため、即日交付はできません。必ずしも万能ではないため、特徴を把握してうまく活用するといいでしょう。

1. オンラインでも土日の申請はできない

オンライン申請は、土日に対応していません。登記・供託オンライン申請システムを利用しても、登記簿謄本の交付申請は平日のみです。

土日、もしくは平日の受付時間外(午前0時〜午前8時29分、午後9時〜午後11時59分)はオンラインでも申請できません。

2. 登記上の住所を間違えると取得できない

登記簿謄本のオンライン申請は、登記上の住所を間違えると取得できません。交付申請には、登記された正確な住所が必要です。

郵便であれば多少表記が異なっていても届きますが、登記簿謄本を取得する場合は登記上とまったく同じ住所を記入する必要があります。不動産の権利書や固定資産税の納付書などで、あらかじめ確認しましょう。

3. 即日交付はむずかしい

オンラインで申請の場合、即日交付は難しいです。どれだけ早くても交付は申請の翌日になるためです。金曜日の夜に申請した場合は、最速で月曜日に発送、火曜日に到着となり、4日かかります。

オンライン申請を利用する場合は、1〜4日かかると覚えておきましょう。登記簿謄本の即日交付を希望する場合は、窓口が開いている時間帯に法務局に出向いての申請がおすすめです。

4. 登記事項要約書はオンラインで取得できない

登記事項要約書は、オンラインで取得できません。登記事項要約書とは登記記録の概要を記載した書面で、管轄する法務局の窓口のみで発行されます。

登記事項要約書は登記官の証明はなく、登記簿謄本ではありません。登記・供託オンライン申請システムでの取得、登記情報提供サービスでの閲覧ともに不可です。

参照:旭川地方法務局『【証明書関係】登記事項証明書(登記簿謄本)と登記事項要約書の違いはなんですか。』

登記簿謄本をオンライン以外で取得する2つの方法

登記簿謄本をオンライン以外で取得する方法は、以下の2つです。

  1. 法務局の窓口で申請し交付してもらう
  2. 法務局へ交付申請書を郵送して返送による交付をしてもらう

どの方法を選択しても、取得できる書類は同じものです。

1. 法務局の窓口で申請し交付してもらう

法務局へ出向き、窓口で申請・交付を受ける方法があります。時間と手間はかかるものの、もっとも簡単で確実な方法です。登記上の住所を調べて法務局の窓口へ行き、あとは職員の指示どおりにすることで、登記簿謄本を取得できます。

オンラインや郵送での手続きに不安がある方におすすめです。受付時間が平日午前8時30分〜午後5時15分と、短い点に注意してください。

2. 法務局へ交付申請書を郵送して返送による交付をしてもらう

法務局へ交付申請書を郵送して、返送による交付をしてもらう方法があります。郵送を利用することで、法務局に出向く手間を省けるでしょう。郵送によって登記簿謄本を取得する際の手順は、以下の3ステップです。

  1. 登記事項証明書 登記簿謄本・抄本 交付請求書」をダウンロードし、印刷する
  2. 必要事項を記入して、600円分の収入印紙を購入して貼り付ける
  3. 返送用の封筒に宛先を書き、切手を貼ったものを同封して最寄りの法務局へ送る

郵送を利用する場合は、返送用の封筒を忘れないように注意しましょう。返送用の封筒を忘れると、交付された登記簿謄本を返送してもらえません。

「登記・供託オンライン申請システム」で登記の登録もできる

ポイント_!

「登記・供託オンライン申請システム」を利用することで、登記申請ができます。法務局に出向かなくても登録できるため、自宅から不動産登記や法人登記の申請が可能です。オンラインによる登記申請の流れは、以下になります。

  1. 「登記・供託オンライン申請システム」の登録と「申請用総合ソフト」のダウンロード
  2. 申請書情報の作成
  3. 添付書類情報の添付
  4. 申請データ送信
  5. 処理状況の確認
  6. 登記手数料・登録免許税の納付
  7. 補正・取下げへの対応(必要な場合のみ)

オンライン申請の場合は基本的に一方通行のため、データ送信後は受付や取得の確認を忘れずに行いましょう。登記手数料・登録免許税の納付は、オンラインで完結できる電子納付がおすすめです。

まとめ

登記簿謄本をオンラインで取得する場合は「登記・供託オンライン申請システム」を利用します。申請から手数料納付までをオンラインで行い、法務局の窓口か郵送で受け取れます。郵送受取を選択することで、在宅で取得が可能です。

窓口や郵送による申請は交付手数料が600円ですが、オンライン申請を選択すると窓口480円・郵送500円と100円程度安くなります。オンラインで行えるものの、土日の交付は対応しておらず、即日交付は難しいため注意しましょう。

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監修者のコメント
ささのは司法書士事務所
佐々野 将太

兵庫県出身。大阪大学法学部卒業後、社会人として勤務しながら司法書士試験に合格。司法書士登録後は埼玉県の司法書士事務所で幅広い業務経験を積む。なかでも相続・遺言については年間100件近くの案件に携わっており、司法書士としての強みとなっている。2022年に大阪府池田市にてささのは司法書士事務所を設立。「わかりやすく、親しみやすい」をモットーに、市民から一番近い司法書士事務所を目指している。

確定申告や融資申請の際に登記簿謄本の提出を求められた方も多いと思います。ただ、いざ取得しようとしても法務局が遠方にあってすぐに取りに行けないということもあり得ますので、オンラインでの取得方法を知っておくことは非常に大切です。

本記事で述べている通り、登記簿謄本をオンラインで請求するためには登記簿上の住所を記入する必要があります。この登記簿上の住所を「所在・地番」というのですが、一般的に郵便等で用いる住所表記と異なる場合があります。ですので、自宅の登記簿謄本を請求する際にいつもの感覚で記入すると不動産が見当たらないということで返却される可能性もあります。

所在・地番は不動産の権利書や固定資産税の納付書に記載されていますので、必ずそれらの書類と照合してから申請するようにしましょう。もし、それらの書類が見当たらない場合は不動産所在地の法務局に電話してみてください。住所を伝えれば、その不動産の所在・地番を教えてくれます。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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