司法書士が独立開業して失敗する原因とは？

司法書士の独立で失敗する主な理由

司法書士事務所を設立したとしても、軌道に乗せることができず、失敗し廃業するケースが見られます。こうした例では、いくつかの共通点が見られます。失敗の原因を探って避けるようにしましょう。

スキル不足

司法書士の資格を取ったから独立しても大丈夫だと考えて、実務的なスキルや経験を持たないうちに事務所をオープンしてしまうと失敗しやすいです。資格は必須ですが、それだけでは十分ではないのです。

実際、司法書士の仕事はたくさんの書類を正確に作成する必要がありますし、様々な法律を正しく適用して、依頼主の必要に応えないといけないです。ミスがあると依頼主に大きなダメージを与えてしまいます。

そのため、資格を取ってからもいずれかの事務所で実務を経験して、ノウハウとスキルを磨いていくことが求められます。また、経営についてのノウハウも学んでおきましょう。

ビジネスパートナーがいない

司法書士の仕事は、関連する士業や不動産関連会社や金融機関からの依頼を受けることが多いです。人脈をしっかりと作っていないと、こうしたビジネスパートナーからの紹介を得るのは難しいです。

単発で細々と仕事を受けても何とか収入を得ることはできますが、安定せず成功に至るまではかなり厳しい状況となります。そのため、開業前に強く広い人脈を作っておくことは非常に重要なことなのです。

営業に力を入れない

質の良い仕事をするというのは司法書士にとって欠かせないことですが、それだけでも不十分です。新規顧客の獲得ができなければ、その能力を活かすこともできないからです。

開業に当たっては明確な営業方針を定めて、そのための資金と労力を投じる必要があります。営業に力を入れることなく、自分のやりたいことだけに集中していると、顧客が伸びずに利益が減ってしまうことになるのです。

地域になじんでいない

取り扱い業務の分野によって違いますが、地域住民からの依頼は全体の大きな割合を占めます。そのため、地域とのつながりを持たずに、なじめない状態だと依頼が入って来ず、軌道に乗せるのが難しいです。

積極的に地域のイベントに参加したり、自治体が行う無料相談会などに協力したりして、人々に覚えてもらえるようにします。地域の中で知名度を上げるというのは、失敗を避けるために欠かせない点です。

資金計画を明確にしていない

事務所開設にしても、営業を始めるにしても、まとまった額の投資が必要となります。また、最初の半年程度は収入が安定せず、運転資金をまかなうのが厳しくなることが多いです。

そのため、事前に資金計画を明確に立てること、できるだけ余裕のある計画にすることが大事です。不測の事態が生じる可能性も考えて、必要だと思われる金額よりも多めにプールしておくことで失敗を防げます。

他事務所との競争

司法書士の資格は難度の高いもので、なかなか取ることができません。とはいえ、実際にはたくさんの司法書士が活躍していますし、どの都市にもいくつもの事務所が存在しています。司法書士には定年がありませんので、入れ替わりが頻繁に起こるものでもないからです。

そのため、新しく事務所をオープンしても既存事務所との競争に勝つことができなければ、軌道に乗せるのは無理です。法律職ということで信頼が重視されますので、新しいところよりもすでに実績を積んでいる歴史ある事務所の方が評価される傾向もあります。

こうしたことから、他事務所との競争があるということを理解して、差別化を図ることが重要です。料金や取扱業務分野、サービスなどに工夫をして、競争に勝てる事務所にしましょう。事前に営業地域にある既存事務所のリサーチをして、情報を集めておくことも求められます。

司法書士が開業して成功するために

こうした失敗の理由を避けると共に、積極的な行動にも出て、事務所を成功できるようにしたいものです。成功のポイントをチェックして、開業に向けて意識を高めましょう。

分析と改善の繰り返し

経営者として事務所を開いてみると、思ったように経営がいかないことはよくあるものです。ここで大事なのは、それで落ち込んだり諦めたりするのではなく、分析をして、より良いサービスにしていくために何ができるかを検討することです。

うまく行かないことがあっても、分析と改善を繰り返すことで優れた事務所に成長していくわけです。むしろ、何らかのトラブルも成長の機会と思って、それを活用するくらいの気持ちを持つことが大事です。

前向きな気持ちを持ち続ける

雇われ司法書士ではなく、事務所の所長としてスタートを切ったら、すべては自分で責任を負って事業をしていくことになります。トップがイライラしていたり、沈んだ気持ちでいたりすると、事務所全体の雰囲気が悪くなります。

そのため、たとえうまく行かない事態が生じても、前向きな気持ちを持ち続けるようにしましょう。こうしたポジティブな気持ちは自信につながり、依頼主からの信用を得るのに役立ちます。能力や経験だけでなく、気持ちの持ちようも大事な仕事ですので常に意識したいものです。

必要な分野への投資

無駄なコストをかけずに慎重に資金計画を立てることは、起業を失敗させない大前提です。しかし、必要なところにはしっかりと投資をして、メリハリの利いたお金の使い方をすることがポイントとなります。

マーケティングや優秀なスタッフの登用、人脈作りにかかるコストなど、事務所の利益になる分野には投資が求められます。長期的な観点でどこに資金を使うかを考えて、大きな効果を生み出したいものです。

まとめ

司法書士は低リスクで独立開業ができますし、利益率も高い安定したビジネスが可能です。しかし、綿密な準備と計画ができていないと、失敗してしまう可能性も十分にあります。そのため、事前にスキルや資金、ノウハウを積んで失敗のリスクを抑えることが重要です。

また、新規顧客を獲得するためには、効率的な営業手法を採ることも求められます。経営を軌道に乗せるまでは、営業代行サービスを利用するなどして、効果の出るやり方を検討しましょう。安定した収入を確保できるまでは、上手に外注も活用することで本来業務に集中でき、事務所の経営を成功させることができます。

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