契約書はなんで必要？書き方や注意事項からテンプレートまで紹介

契約書の役割とは

契約書の役割を確認する前に、「契約」という言葉の意味を確認しておくべきでしょう。契約とは、当事者が二人以上いて、その当事者同士の合意によって何らかの法的な義務や権利の関係が発生する行為のことを言います。簡単にいうと、法律によって守られる約束のことです。

契約は買い手と売り手の合意によって成立するため、法律によって決まっていない限り、契約書が必要なわけではありません。実際、口頭でも成立するのですが、それでもビジネスではほとんどのケースで契約書が作成されています。それはなぜでしょうか。

円滑に契約を履行する目的が第一に挙げられます。口頭のみでも成立するものの、契約書があることによって、その内容がさらに明確化され、後に発生するかもしれないトラブルを予防することができるのです。

たとえば、契約履行のないために裁判で訴えられるようなことを抑止できます。もし裁判になっても、契約書があれば確たる証拠があるため、一方的に不利な状況に陥ることを防げます。

先に、口頭のみでも契約は成立すると述べましたが、契約の種類によっては法律によって契約書の作成が義務となっているものもあります。たとえば、雇用契約書や労働契約書、労働者派遣契約書などです。こういう契約を結ぶ時は、必ず契約書を作成して契約内容を書面に残さなければならないのです。それを怠ると、法律によって罰せられます。

契約書に記載すべき項目

契約書に記載する項目には、一般的に次のようなものが挙げられます。

タイトル

まず、タイトルです。契約書の冒頭に何の契約なのかを示すための表題と言ってもよいでしょう。

前文

契約書には前文が必要です。タイトルの後に、契約の当事者、その概要、契約の及ぶ範囲とその契約を結ぶに至った経緯などを記します。

契約条項

これは、売り手と買い手双方の義務と権利について記載する項目です。契約の内容によって具体的な条項は異なり、当事者同士の立場の違いによっても変わってきます。

損害賠償

契約書には、契約を結ぶ者同士の損害賠償責任についても記載しておきます。どちらかが一方に対して損害を与えるようなことになった場合、その賠償をどの程度の範囲でどのぐらいの額で行うかといった規定です。

契約期間

契約書には、その契約の有効な期間について記しておく必要があります。契約がいつから開始され、いつ終了するか、その期間について明記しておくのです。また、特に申し出のない時は自動的に延長されるような契約の場合は、その旨を書き加えておきます。

契約を解除する場合の事由

契約書には、契約が解除される場合の事由を定めておきます。

反社会勢力とは違うことの確認

契約書にて、お互いが反社会勢力でないことを文章において確認しておきます。万一、反社会勢力に巻き込まれるようなことになると、イメージや信用の低下だけでなく、違法な取引を迫られるようなリスクもあるのです。そういうことのないように、契約書において、事前にお互いが反社会勢力でないこと確認し合います。

法律では債権の譲渡は自由で、契約相手の承諾なしにその権利を譲渡することも可能です。ですが、相手が知らないうちに契約相手が変わると、深刻な影響が及ぶこともあります。そのようなことのないように、契約書に権利義務を譲渡することを禁止する項目を設けるのが通例です。

合意管轄

契約の当事者同士でトラブルが発生した時に、裁判で解決することもあるでしょう。そういう場合に備え、訴訟する際の裁判所を決めておくのが合意管轄です。

協議条項

「契約書に記載されていない事項については話し合いで決定しよう」と規定するための項目です。

後文

契約書の最後には、作成した契約書の合計数、それぞれの当事者が所持する契約書の数、その所持する契約書が原本なのかを写しなのかといったことを後文として記しておきます。

日付と署名

契約書の最後に必要なのが、日付と署名です。日付は契約書を作成した年月日で、この年月日が契約が成立した日と一般に考えられます。署名欄には、契約の当事者がその氏名と住所を記入し、押印します。

契約書のテンプレートを提供しているサイト

上記のように、契約書に盛り込むべき項目は多いです。毎回ゼロから契約書を作るのは面倒という場合は、ネット上に公開されているテンプレートを使えば、時間と労力が軽減できます。以下のサイトの提供する契約書を積極的に利用してはいかがでしょうか。

bizocean

こちらは、さまざまな書式のテンプレートを無料で配布しているサイトです。会員登録は必要ですが、数万件もの膨大なテンプレートを無料でダウンロードできますので、契約書だけでなく、ビジネス文書のテンプレートを利用する機会が多いのであれば、利用しない手はないでしょう。

無料の文例書式テンプレート集

WordとExcelの形式で、契約書などのさまざまなビジネス文書のテンプレートを提供するサイトです。こちらも無料でダウンロードできます。

ひな形ジャーナル

こちらでは、契約書などの書類のテンプレートをランキングで紹介しています。メール形式やファイルの色、印刷媒体などで絞り込みができる、使いやすいサイトです。

契約書を作成する際の注意点

契約書を作成する前に、いくつか注意しておくべきポイントを押さえておきましょう。

契約書の目的

契約書を作成するには、当然ながら、その契約の目的がはっきりしていなければなりません。そうでないと、当事者同士の認識にずれが生じ、トラブルが起こることもあります。

法令をチェック

契約書に記した内容に法令に反するものがないか、チェックしておきます。たとえ知らないで含まれていたとしても、それが法律に反するような内容であれば、罰せられることもあるのです。

第三者の地位や利益を侵害する内容でないかを確認

その契約によって、第三者の地位や利益を侵害するようなことはないか、注意しなければなりません。

社会的に問題ない内容かチェック

契約内容が、企業倫理や人権、環境対策などに照らして問題ないかをチェックしておくことも大切です。法的に問題がないとしても、もしこういう社会的責任を果たさないような契約内容だと、後々大きなリスクを背負うこともあり得ます。

まとめ

契約書は、将来起こり得るトラブルをあらかじめ防ぐために作成する文書です。不利益を予防するためにも、契約の際は必ず作成するようにしましょう。その際は、上で紹介したテンプレートもご活用ください。

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