飲食店SWOT分析の事例が知りたい!目的やよくある質問を解説

株式会社キュリー
監修者
株式会社キュリー 代表 荒井 勇太
最終更新日:2024年07月08日
飲食店SWOT分析の事例が知りたい!目的やよくある質問を解説
この記事で解決できるお悩み
  • 飲食店経営で必要なSWOT分析とは?
  • 飲食店経営におけるSWOT分析の目的とは?
  • 飲食店経営でSWOT分析を導入するメリットとは?

SWOT分析は、内部(自社)と外部(環境)を分析し、経営戦略策定を補助するものです。飲食店がSWOT分析を行うことで、新たな顧客の獲得が見込めるでしょう。

この記事では、飲食店SWOT分析の目的、メリットを解説します。個人店舗、チェーン店ごとのSWOT分析の事例も紹介するためぜひ参考にしてください。

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飲食店におけるSWOT分析の事例を紹介 ケース別

飲食店におけるSWOT分析は、自社の強みと弱み、売り上げが上がる機会や下がる脅威を分析して、戦略を立てていきます。飲食店のSWOT分析といっても個人営業の飲食店と、全国に展開しているようなチェーン店とでは大きく異なります。

それぞれの飲食店に適したSWOT分析を用いることで、飲食店にとってプラスになる戦略を立てましょう。

個人飲食店のSWOT分析

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個人飲食店の強みや弱みでは、店舗のブランド力や長所にはどのようなものがあるか、自分の店は何が苦手なのかを把握しておくと、さらに分析はしやすくなります。

とくに個人飲食店では、大手チェーンとの差別化をおこなううえで自社の現状を把握することは重要なポイントになります。

Strengths(強み)

個人飲食店での強みを考える際「何を売りにしているか」を基準にする方法があります。たとえば、古民家の居心地のいい空間でのカフェメニューの提供や、素材にこだわった専門的な料理、テイクアウト販売の導入や地域の人への配達などが挙げられます。

店舗が売りにしているものだけではなく「実際に売れているものにはどういうものがあるのか」という基準も必要です。実際に販売実績を確認し、自分の店舗で強みになっているものが何なのかチェックしましょう。

Weaknesses(弱み)

個人経営の弱みとして、チェーン店ができて個人店舗ができないことが挙げられます。たとえば個人経営の場合、大手チェーンのように広大な土地を活かした駐車場を設けることは困難です。

立地条件もなかなか選べないため、駅周辺に店舗を構えることが難しいことも多く、弱みになります。周辺地域住民からの認知度は上がりますが、大手チェーン店と比べると、ブランド力は弱くなります。

Opportunities(機会)

「機会」には、社会での需要や周辺地域の状況が入ってきます。近年では飲食店のテイクアウト需要が増えたことが挙げられるでしょう。

ほかにも自分の店舗がある地域に人が集まるスポットができ、メディアによる取材を受けることもいい機会です。社会情勢や市場の変化によってプラスになる要素をしっかり見極め、強みにどう作用し、弱みをどのようにカバーできるのかを見ます。

自分の地域に限定した変化だけではなく、世の中の動きも重要になってきます。

Threats(脅威)

社会情勢の動きや市場変化は、必ずしもいいように動くものではありません。2023年現在、物価は高まり、原料以外にも光熱費の値上がりは避けられません。

個人経営の飲食店は安くて手軽に利用できるというコンセプトのままでは、利益はどんどん下がります。

自分の店舗が晒されている脅威に目を向けることにより、脅威に対して自社の強みをどのように利用するのか、どうすれば危機回避ができるのかを読み取ることができます。

個人飲食店のクロスSWOT分析を用いた戦略事例

ある個人飲食店では、大手チェーン店との差別化を図りつつ、収益の多様化を進めるためにSWOT分析を行いました。分析結果から戦略を立てたことで、店舗の強みである料理に注目することができました。

さらに社会情勢のニーズにあわせてケータリングサービスやテイクアウトメニューを開発、自炊する機会が増えてきている現代社会の情勢から具材販売にも力を入れます。

こうした実践により収益を多様化しつつ、大手チェーンには無い自社の強みを活用しながら店舗の利益を上げることに成功しました。

飲食チェーン店のSWOT分析

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飲食店チェーンの場合、すでに店舗が持つブランド力のおかげで、強みや弱みを見つけやすいです。自分が経営しているチェーン店のブランド力を再認識しつつ、現在の情勢にあわせてどのように戦略を練るべきかを考えましょう。

Strengths(強み)

自分が経営しているチェーン店の強みを把握します。たとえばファミリーレストランのチェーン店の場合、豊富なメニューが強みなのか、季節限定のメニューが人気なのか、売上や年代などを見て、強みを把握しましょう。

自社の大衆イメージや、ブランド力、立地を見て、時間帯ごとの売上分析をすることにより、情勢の動きにあわせて戦略を変えることが可能です。

Weaknesses(弱み)

近年では原料や光熱費の値上げがコストに影響するため、規模の大きいチェーン店になると値上げを余儀なくされます。チェーン店が確実に駐車場を確保できるわけではなく、立地によって異なります。

自分の店舗がある立地や状況から、自社の弱みを読み解きましょう。外食の需要は一定時期に比べて戻りつつあるものの、やはりテイクアウトの需要が高いため、テイクアウト対策が無い店舗には現在の社会環境が弱みになります。

Opportunities(機会)

現在はSNSの利用や在宅ワーカーの健康志向の高まりが注目されています。店舗売上だけではなく、インターネットで積極的に広告を出し、飲食の宅配をしてくれる企業と連携して周辺地域に配達をすることで、更に売り上げが見込めます。

ミールキットが注目されているため、冷凍保存が可能なものを定期的に提供するシステムを作ることで、売上アップが狙えます。

Threats(脅威)

以前に比べて外食の機会は増えているものの、積極的にできるような環境ではありません。燃料費や光熱費の値上げは、消費者の移動手段にも影響しているため、来店の機会が減っていくことが予想されます。

飲食業界全体が危機的状況になりつつあり、多くの企業がテイクアウトや配達という方法を取っているため、他店との差別化が難しい状況です。周辺地域にライバル店が出店した場合、自社店舗の脅威になります。

飲食チェーン店のクロスSWOT分析を用いた戦略事例

売上アップを検討するためには、自社のメニューの需要、商品力を活かし、インターネット販売を導入することが例として挙げられます。

周辺に競合他店が多い場合は従業員の報酬を上げ、さらに働きやすい環境を作ることにより、よりよい接客を提供できるように工夫します。

大手チェーン店であっても、他社や他店と差別化できる分野が見えてくるのがSWOT分析です。自宅で食事をする需要(機会)に対し、自社の商品力の「強み」を活かすことで、新たな収益を得ることが可能となります。

飲食店におけるSWOT分析の目的

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SWOT分析は売り上げを安定させ、今後の事業展開を検討することが可能となります。飲食店業界はコロナ禍以降、厳しい状況に立たされており、戦略立てて経営方針を考えないと、廃業の可能性が大いにあります。

「需要があるからどんぶり勘定でも大丈夫」という時代は終わり、今はしっかりとした戦略が必要です。こうした状況を打破するためにも、SWOT分析が必要になってきます。

自社の強みと弱みが明確になる

SWOT分析をして自社の強みや弱みを明確にすることで、強みを活かしきれているか、自社の弱みをしっかりカバーできているのか確認することができます。

外部環境にある機会や脅威に対応していくことも可能です。インターネットでの注文需要が増え、店舗への客足が伸びない場合、自社の商品力を利用してネット注文に切り替えるという工夫が必要です。

外部環境を把握できる

SWOT分析は広い視野で状況を把握する必要があります。たとえば近隣に競合他店が出店していないか、立地が変わったことで人の流れに変化がないかなど、周辺の環境を把握することです。

SNSの宣伝効果は近年多くの企業で成果を出しているため、自社の強みでもある商品力をSNSの広告にどのように取り入れれば注目を集められるかと戦略も立てられます。

戦略を立てて顧客ニーズにあわせ、収益を多様化させることが重要です。

飲食店におけるSWOT分析の事例でよくある質問

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SWOT分析を飲食店に導入した事例でよくある質問をまとめました。

SWOT分析とは?

SWOT分析とは自社の置かれている現状を分析、把握するための方法です。Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)のそれぞれの頭文字を取って名前が付けられています。

自社のプラスの要因やマイナスの要因を内部環境と外部環境から分析し、自社の状況を読み解き、打開策を分析します。

自社の強みを流行の機会に活かせているか、脅威に対策できているか、弱みをカバーすることはできているかを見ることができます。

SWOT分析を導入するメリットは?

SWOT分析を導入することにより、店舗は自社のことを客観的に見ることができます。新たに戦略を立てる際、SWOT分析はおすすめです。

自社の置かれている状況を把握し、リスク回避ができる

SWOT分析をすることにより、自分の店舗が置かれている状況をすぐに把握できるため、早めに対策することでリスク回避が可能です。

原料の物価が上がり、商品の値上げをしなければならない状況であれば、他店との差別化できる部分を探し、新たな戦略を立てられます。

自社の強みや弱みを理解し、戦略を建てられる

SWOT分析を活用することによって、自社の強み、弱み、機会、脅威は何かが浮き彫りになります。自社の一部分を見るだけでなく多方面から置かれている状況を把握することが大切です。

強みを活かせる機会を逃さずに戦略を立て、脅威になりうる状況においては弱みをカバーする戦略が立てられます。

飲食店におけるSWOT分析の事例|まとめ

飲食店業界はコロナ禍以降、大きな打撃を受けた店舗が多く存在します。SWOT分析を導入することにより、不測の事態が発生しても、自社の置かれている状況、自社の強みの活かし方を分析することができるようになり、廃業を回避することが可能です。

SWOT分析は自社の強みや弱みである内部環境の要因、機会や脅威である外部環境の要因を分析するシンプルなものです。経済状況や情勢に左右されずに生き残れる飲食店を目指す方は、ぜひ導入してみてください。

監修者のコメント
株式会社キュリー
代表 荒井 勇太

Webマーケティングの顧問サービス「壱万円顧問」の代表。「マーケティングをもっと身近にする」というビジョンを叶えるため、SEO/MEO/SNS/Web広告を月額1万円で支援。

SWOT分析は1960年代に発展し、飲食店に限らず、今もなお活用され続けています。その古さのあまり、今の時代にはそぐわないという声もしばしば増えてきました。しかし、SWOT分析はシンプルさゆえに、注意点を守れば、未だ現役で活用することができます。

注意点とは、SWOT分析自体を目的にしないことです。先に、ゴールを明確にしたうえで、SWOT分析を活用しましょう。そもそも、SWOT分析は、議論の出発点に活用するためのフレームワークです。

SWOT分析自体が戦略になるのではなく、このフレームワークによって、思考を整理し、飲食店にとって最適な戦略立案に繋げることが大切です。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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