自己資本比率とは?比率が高い2つのメリットや計算方法・目安を解説
- 自己資本比率とは何か知りたい
- 自己資本比率の計算方法について知りたい
「自己資本比率って聞いたことはあるけど、経営にどう影響するんだろう」とお悩みの方必見です。
自己資本比率とは会社にとって返済義務のないお金の比率を表し、経営状況を判断するときに必要な指標です。
計算方法を把握しておくことで、現状の経営状況を判断できます。
この記事では、自己資本比率の計算方法がわからず困っている方向けに解説します。記事を読み終わった頃には、自己資本比率の計算・目安相場がわかるでしょう。
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自己資本比率とは|会社にとって返済義務のないお金の比率
自己資本比率とは、企業にとって返済義務のないお金の比率を示す指標です。 具体的には、企業の自己資本を総資本(自己資本と他人資本の合計)で割り、百分率で表したものを表します。
自己資本は、株主による出資や過去の累積利益など、返済の必要がない資金を指します。 自己資本比率が高いほど、企業は自己資本によって運営しているため、財務的なリスクが低く安定性が高いとされるでしょう。
自己資本比率の計算方法
自己資本比率は企業の財務安定性や経営状況を評価するための重要な指標となります。
- 自己資本比率の計算式
- 自己資本比率の計算式を求めるために必要な項目
- 自己資本比率の具体的な計算例
計算方法を把握しておくことで、経営状況を判断できます。
1. 自己資本比率の計算式
自己資本比率の計算式は「自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)×100」です。
会社のすべての資産を表す総資本内に自己資本がどれくらい占めているか示す数式です。 総資本のなかには借入金である他人資本も含まれています。
2. 自己資本比率の計算式を求めるために必要な項目
自己資本比率を計算するためには、以下の項目が必要です。
- 自己資本: 株主による出資や過去の累積利益など返済の必要がない資金
- 他人資本: 企業の負債総額
- 総資本: 自己資本と他人資本の合計
自己資本は「純資産」他人資本は「負債」の項目に記載された数字を計算に用います。
3. 自己資本比率の具体的な計算例
実際の数値を用いて計算のプロセスを見ることで、自社の自己資本比率を計算するイメージを掴みましょう。
自己資本比率の計算式:自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)×100
自己資本が400万円、他人資本が600万円の場合、自己資本比率の計算方法は以下のとおりです。
(400万円÷1000万円)×100 =40% となります。自己資本が400万円、他人資本が600万円の場合、自己資本比率は40%です。
自己資本比率が高い2つのメリット
自己資本比率が高いと、主に2つのメリットがあります。
- 経営に安定性がある
- 融資を受けやすくなる
自己資本比率が高いことは企業の健全性と成長に寄与し、経営の安定性や財務的な柔軟性を高める重要な要素です。
1. 経営に安定性がある
自己資本比率が高い企業は、負債への依存度が低いです。 負債を抱えていないため、利息や返済による負担が少なくなります。
経済的な変動や不況の影響を受けにくく、企業の経営に安定性があるといえるでしょう。
2. 融資を受けやすくなる
自己資本比率が高い企業は、財務的に安定しているとみなされ、金融機関や投資家からの融資を受けやすいです。 自己資本比率の高さは、企業の返済能力の信頼性を高め、低金利や好条件での融資交渉を可能にします。
新たな事業展開や投資への資金調達が容易になるでしょう。
自己資本比率の平均は|30%以上が目安
自己資本比率の平均は一般的な目安相場は30%以上です。 自己資本比率が30%以上である企業は財務的に安定している可能性が高いと見なされ、50%以上あればかなり良好な状態であるといえます。
比率が高いほど、企業は自己資本によって経営されており、負債依存度が低いと考えられるでしょう。 ただし、業界や企業の性質によって適切な自己資本比率は異なります。
一律の基準としてではなく、業界平均や企業の特性を考慮して判断しましょう。
自己資本比率の危険水域
自己資本比率の危険水域とは、自己資本比率が低い状態を指します。 具体的な基準は業界や企業の特性により異なりますが、一般的に自己資本比率が20%未満になると経営が危険な状態であるとされています。
低い自己資本比率は、企業の負債依存度が高いことを示し、経営の安定性や財務的なリスクが増加します。 危険水域にある企業は、経済的なショックや業績の悪化に対して脆弱であり、返済能力に関する問題が生じる可能性が高まるでしょう。
経営者や投資家は自己資本比率を注意深くモニタリングし、財務の健全性を確保するための対策を講じる必要があります。
業種別で見る黒字の自己資本比率例
自己資本比率の黒字平均は業種によってまちまちです。たとえば設備に多くお金をかけなければいけない宿泊業やサービス業は、他社から道具・物品を借りていることがほとんどです。
固定資産が多い業種は、たとえ経営状況が極めて良好であっても自己資本比率が低くなる場合があります。
業種ごとの平均自己資本比率は以下のとおりです。
建設業 | 39.5% |
---|---|
製造業 | 45.6% |
情報通信業 | 58.6% |
運輸業、郵便業 | 36.3% |
卸売業 | 38.3% |
小売業 | 36.7% |
不動産業、物品貸借業 | 32.7% |
宿泊業・サービス業 | 14.4% |
サービス業(上記に該当しないもの) | 44.9% |
宿泊業・サービス業は自己資本比率が30%以下であっても黒字であり、情報通信業では50%を超えていないと黒字であると見なされにくいです。
まとめ
自己資本比率とは、総資産のうち自社内で占有する資産がどのくらいあるのかを示す割合です。「自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)×100」の計算方法で求められます。
自己資本比率を理解して決算書を分析できるようになることで、周りの企業と一歩差をつけられるでしょう。
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岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。
調達する方法として、返金不要な「自己資本」と将来的に返金が必要な「他人資本」に分けることができ、「自己資本」と「他人資本」の合計を「総資産」と呼びます。自己資本比率は総資産に占める自己資本の比率を表しますので、返金不要な資産の割合となります。
<自己資本比率=自己資本÷総資本(自己資本+他人資本) × 100>
会社の安全性を考えれば、自己資本比率は高いほうがこと好ましいといえます。半面、一般的に他人資本より自己資本のほうが資本コストが大きくなるため(自己資本は配当金によるリターンとなるため)、特に設備投資型の事業形態の場合は難しくなると思われます。
事業形態と自己資本比率はその関係を見ていくほうが良いと思います。
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