税理士の報酬・費用相場は、法人と個人で異なり、基本的に税理士への報酬は「顧問料」+「記帳代行」+「決算申告」で算出されます。
法人企業の年間費用例は「年間売上4000万円、訪問は年2回希望、記帳は自社で行う場合、月額2.5万円(顧問料)× 12ヵ月 + 20万円(決算申告)= 年間50万円」、個人事業主の年間費用例は「年間売上2000万円、訪問は年4回希望、記帳代行を依頼する場合、月額2万円(顧問料)+ 0.5万円(記帳代行)× 12ヵ月 + 15万円(決算申告)= 年間45万円」になります。
顧問税理士の費用相場は?|個人・法人別の相場を解説【2024年版】
- 個人・法人別の税理士の顧問料は?
- 税理士の顧問料が変動する要因は?
- 顧問税理士に依頼するときのポイントは?
税理士の顧問料の相場は、個人の場合は月1万円〜3万円程度。法人の場合は月1万円〜5万円ほどです。顧問料が変動する要因は、売上高や従業員数、訪問回数などによって変動するでしょう。
本記事では、個人・法人別に税理士の顧問料と費用が変動する要因、顧問税理士に依頼するポイントを紹介します。記事を読み終わる頃には、税理士の顧問料を把握し、税理士に税務作業を的確に依頼できるようになるでしょう。
「税理士と顧問契約したいけれど費用相場がわからない」「いま支払っている顧問料は適正なのか知りたい」方は、ぜひ参考にしてください。
もしも今現在、
- 自社の会社規模の場合での顧問料を知りたい
- 複数の税理士のなかから何を軸に探せばいいかわからない
- 自社に適した節税対策の提案がほしい
上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の税理士から提案がもらえ、相場感や各事務所の特色を把握したうえで業者を選定できます。相談したからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。
【個人・法人別】顧問税理士の費用相場
税理士の顧問料の相場を個人・法人別に、下記にまとめました。
法人の場合
法人の場合、顧問料の費用相場は以下のとおりです。
顧問料の費用相場は月1万円〜5万円程度です。ただし、顧問料とは別に決算申告料がかかります。
また、記帳代行も依頼する場合はさらに費用がかかるでしょう。以下の記事で記帳代行の費用相場をまとめています。
個人の場合
個人の場合、顧問料の費用相場は、下記のとおりです。
税理士と顧問契約をすると、月1万円〜3万円が相場観です。確定申告を依頼する場合は、月額顧問料の4カ月〜6カ月分の追加費用がかかります。
税理士と顧問契約したときの具体的な料金体系例
税理士と顧問契約をした際の具体的な料金体系例を、2社ピックアップしました。
安川隆浩税理士事務所の料金体系例
参照:安川隆浩税理士事務所
打合せ回数 | 顧問料 | 決算申告料 | |
---|---|---|---|
売上高1,000万円未満 従業員3名以下 |
年12回 年6回 年4回 年2回 |
月2.5万円 月2万円 月1.5万円 月1万円 |
年12万円 |
売上高3,000万円未満 従業員5名以下 |
年12回 年6回 年4回 年2回 |
月3万円 月2.5万円 月2万円 月1.5万円 |
年15万円 |
売上高5,000万円未満 従業員10名以下 |
年12回 年6回 年4回 年2回 |
月3.5万円 月2.5万円 月2.5万円 月2万円 |
年18万円 |
売上高1億円未満 従業員20名以下 |
年12回 年6回 年4回 年2回 |
月3.5万円 月3.5万円 月3万円 月2.5万円 |
年21万円 |
売上高1億円超 従業員20名超 |
年12回 年6回 年4回 年2回 |
月4.5万円 月4万円 月3.5万円 月3万円 |
年24万円 |
※法人の場合
※価格は税抜き
※個人は決算報酬のみ。表示額の75%が費用になります。
安川隆浩税理士事務所は、堅苦しくなくカジュアルスタイルでフレンドリーに税務のサポートをする、税理士事務所です。
なんでも気軽に相談できることを大切にし、お客様と深く向き合うことで、付加価値の高いサービスを提供しています。
「税理士と顧問契約を締結したいけど、初めてだから面倒見がいい税理士事務所で依頼したい」方におすすめです。
田園調布税理士事務所の料金体系例
参照:田園調布税理士事務所
※法人の場合
※価格は税抜き
※決算申告料は月額顧問料に含まれています。
※個人の場合
※価格は税抜き
※確定申告料は月額顧問料に含まれています。
田園調布税理士事務所は、田園調布の地域に密着した税理士事務所です。事業経営者向けの経営サポートや節税対策に注力しています。
決算申告料と確定申告料が月額顧問料に含まれ「低価格で高品質な税務会計サポートをしてもらいたい」方におすすめです。
税理士の顧問料が変動する3つの要因
税理士費用には、事務所の方針により「ウリ」が異なるため明確な相場はありません。費用を決定するための参考基準は次の3つがあります。
- 売上高
- 従業員数
- 訪問回数
1. 売上高
税理士の顧問料の費用を決定づける基準の1つが売上高です。多くの事務所が顧客の売上高を基準に費用を決めています。
たとえば、売上高を基準にしている税理士事務所では、月々の顧問料を3万円からスタートし、売り上げに応じて加算します。顧問料とは、税理士に毎月支払う基本料金です。一般的には、売上3,000円以下の事業者の場合、月々の顧問料は3万円程度が相場です。
あわせて、毎月の費用のほかに1年間の会社の利益計算と、税額計算をする決算申告報酬も請求されます。決算申告費用は毎月の費用の6カ月分が一般的です。
3万円×12カ月=36万円(年間の月額費用)
3万円×6カ月=18万円(決算料)
合計54万円(年間費用)※消費税の申告費用は含んでいません。
2. 従業員数
従業員数も顧問料が変動する要因となっています。従業員数が多いほど、年末調整や給与計算の業務負担が増えるため費用も増加します。
売上高と一緒に従業員ごとに価格設定をしている税理士事務所もあるため、依頼する際は注意しましょう。
3. 訪問回数
税理士の訪問回数によって価格が変動します。税理士事務所では、毎月・3カ月に1回・半年に1回・年に1回のように訪問回数で顧問料が変動し、訪問回数が多いほど価格が高くなります。
売上高が高くなるほど、資金繰りや節税などの経営のアドバイスを定期的に受けるために、訪問回数を増やすといいでしょう。
税理士の立場からは、毎月の訪問が理想です。毎月ごとに確認をすることで、誤りを早期に発見できるためです。お客様の作業ボリュームにもよりますが、初めての方は毎月の訪問にすると安心でしょう。
顧問税理士に税務を依頼する3つのメリット
税理士に依頼することで、自分ではできない法人税申告ができることをはじめ、メリットが多くあります。
代表的なメリットは次の3つです。
- 適正な税務申告ができる
- リアルタイムに経営アドバイスが受けられる
- 税務調査の対応ができる
1. 適正な税務申告ができる
税理士に依頼するメリットの1つは、適正な税務申告ができることです。法人税・所得税・相続税などの税務申告は、規模が大きくなるほど正確に計算・申告することが難しくなります。自分で行うと計算違いなどのミスが発生しかねません。
専門的な知識を持つ税理士に依頼することで、適正な申告が可能になります。
節税対策ができる
決算日時点での利益を予測し、黒字の場合は節税対策のアドバイスが受けられます。一方で、赤字の場合は黒字化するためのアドバイスが受けられます。
金融機関から借入れがあると、決算書の内容次第では利益が必要になるケースがあります。たとえば減価償却資産がある場合、計上する減価償却費の金額を調整することも税法上では可能です。税法で認められている範囲内で、決算書の内容についてアドバイスが受けられます。
2. リアルタイムに経営アドバイスが受けられる
コロナ禍の影響により、税理士に求められるアドバイスの内容が節税対策から、補助金や助成金など資金繰りに関するものに変化しています。
補助金情報の提供ともに、税理士事務所が顧客に代わって事業計画書を作成し申請まで依頼できるケースが増えています。採択率を「ウリ」にしている事務所もあるため、補助金情報が気になる方は検討されるといいでしょう。
3. 税務調査の対応ができる
税理士は顧問先の税務に対して責任があるため、申告内容が正しいことを税務調査で意見できます。スポットは除きますが、毎月帳簿の中身を確認し申告書を作成しているため、経営者よりも法人税申告書はよく知っています。
多くの場合は「申告是認」で費用が発生する
税理士事務所の方針にもよりますが、申告内容に問題がなければ「申告是認」として税理士が税務調査の立ち合い費用を請求します。行政指導で終わった場合も、立ち合い費用は必要です。
一方で、修正申告を求められた場合ペナルティが課されます。本来の納税額とペナルティで資金が必要になるため、金額によっては賠償の意味合いも含め、立ち合い費用を求めないケースもあります。
ペナルティの種類は下記のとおりです。
- 過少申告加算税(利益を少なく申告した場合)
- 無申告加算税(申告しなかった場合)
- 不納付加算税(申告したが、納税していない場合)
- 重加算税(不納付加算税が発生した場合)
- 延滞税(納期限までに税金を納めなかった場合)
※顧問税理士がいる場合、無申告加算税は通常発生しません。ただし税金の納付は納税者意思のため、不納付加算税は発生する可能性があります。
顧問税理士に税務を依頼しない3つのデメリット
「税理士費用が思ったより高い」と感じ、費用を理由に税理士への依頼をしない方もいるでしょう。その場合、税理士に依頼せず発生するデメリットに注意が必要です。
- 申告した税額の根拠がわからない
- 補助金情報をはじめ経営アドバイスが受けられない
- 税務調査は自分で対応しなければならない
以下で解説します。
1. 申告した税額の根拠がわからない
申告した税額の根拠は、税理士でなければわかりません。法人税を勉強したことがある人は申告書の内容を理解できますが、ほとんどの経営者や経理担当者では不可能です。
税理士に依頼することで税務の内容を完璧に把握し、説明を求めれば応じてもらえます。税務署からの問い合わせに回答することを考えれば、顧問税理士の存在は心強いでしょう。
2. 補助金情報をはじめ経営アドバイスが受けられない
会計帳簿の内容を説明できる人がいないため、自社がどのような状況に置かれているのか把握できないデメリットがあります。
設備投資は、補助金申請で資金繰りがラクになる場合があります。自己負担が少なく高額な設備投資ができることも珍しくないため、経営アドバイスを受けられない環境では、有力情報が得られない状況になります。
3. 税務調査は自分で対応しなければならない
税理士に依頼していない場合税金のプロである「調査官」と税金の素人である「経営者」との間で税務調査のやり取りをしなければなりません。説明がうまくできず修正申告を求められることがあり、納税金額が一般的な顧問料以上になることも珍しくありません。
費用がかさむことや、普段の業務に加えて税務調査を対応しなければならないことを考えると、税理士に依頼をする方がいいでしょう。
税理士によって異なりますが、基本的に税務署の調査に数に応じて単価に日数を乗して計算される場合が多いです。当事務所の場合ですと1日5万円(税別)を頂戴いたしております。
また、税理士が間違えた際に、修正申告手数料を頂戴するケースもあります。
顧問税理士に税務を依頼するときのポイント3つ
税理士へ業務を依頼するときのポイントは以下の3つです。
- 税理士費用節約の方法は「自分でできることは自分でする」
- 会社の成長ステージに合わせて依頼先を使い分ける
- 税理士費用に見合うサービスを受けるには「要望を明確にすること」
費用節約の方法は「自分でできることは自分でする」
税理士と顧問契約する場合、自分でできることは自分ですることで本来の費用相場より安く抑えることができます。
たとえば「記帳代行は依頼せず自分で会計ソフトに入力する」「申告書作成も自分でできることをしておく」など依頼する業務を最小限に抑えることが大切です。
会社の成長ステージに合わせて依頼先を使い分ける
法人の場合、自社の成長過程を把握し、税理士を使い分けるのがおすすめです。会社の創業期と成長期では、税務作業の工数が大きく変わります。
具体的には、以下で依頼先を使い分けてみましょう。
- 創業期:低価格帯の税理士に税金計算のみ依頼
- 成長期:高価格帯の税理士に経営相談も依頼
創業期:低価格帯の税理士に税金計算のみ依頼
会社を設立して間もない創業期は、価格の安い税理士に税金計算のみを依頼しましょう。創業期の場合、お金の入出金が少ないため、仕訳入力や決算申告書の作成などを税理士に依頼するほどではありません。
税金計算はミスが発生するとペナルティに課されるため、税金計算のみを対応している、月額1万円以下の税理士に依頼するのは有効です。
さまざまなオプションが発生する税理士に依頼するよりも、費用が抑えられるでしょう。
成長期:高価格帯の税理士に経営相談も依頼
売上が著しく伸びている会社の場合、高単価な税理士に税務作業のほかに経営相談も依頼するのをおすすめします。
売上が向上するにつれて、税務作業も複雑になるのと同時に下記のようなことも考慮する必要があるでしょう。
- 事業拡大のための資金調達
- 経営の改善方法
- 働き方改革に伴うDX化
自社の業界に強く、多くの中小企業の相談にのってきた税理士であれば、経営に関して的確なアドバイスをするノウハウがあるでしょう。今後の会社経営に対して、不安要素を相談する相手がいることで、一つの安心材料になります。
税理士選択は会社の成長過程に応じて、必要な内容が異なります。納税者自身が自社に必要なことが何かがわからないうちは、一般的な税務作業を行ってくれる事務所でかまいません。
自社に必要なことがわかるようになった場合は、評判を参考に、税理士変更やセカンドオピニオンを出してくれる税理士を合わせて契約するのがよいでしょう。
費用に見合うサービスを受けるには「要望を明確にすること」
要望を明確にできれば、必要なサービスを受けることができ不要なサービスに対して費用を支払わなくて済みます。
税理士費用の設定は「一般的によくあてはまるもの」が基本のため、業種によっては不要なサービスが含まれていることがあります。自社に合ったサービスを確実に受けるためにも、要望は明確にしておきましょう。
たとえば、確定申告のみを年に1回お願いしたい場合は、スポット契約が有効です。月額の顧問料がかからない分、費用が抑えられます。単発でお願いしたい税務がある場合は、検討してみましょう。
まとめ
顧問税理士と契約せず、自社ですべてをまかなうことには限界があります。費用はかかるとしても税理士と契約することで、最新の税制や補助金情報など有益な情報提供が受けられるでしょう。
「比較ビズ」はこれまで経営者様から、税理士の変更や確定申告・決算・税務調査対策など多数のご相談を頂き、マッチングし続けた実績があります。ご利用企業者様は10万社以上です。
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よくある質問とその回答
岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。
例えば、弊事務所においては、基本的には決算作業だけという申告はお受けしていません。年一決算などと呼んでおりますが、一年に一度しか資料を見ることができないと、正確な処理ができない恐れがあります。その時に聞いていれば適切な処理ができたのに、手遅れになってしまうケースも少なからずあります。訪問はしなくても、定期的な資料送付はお願いしている次第であります。
また、現在はZoom等により、非対面での面談も可能になっていますので、訪問なしでも密接なコミュニケーションができますので、その部分については税理士事務所側も対処していく必要があると考えております。
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
もしも今現在、
- 自社の会社規模の場合での顧問料を知りたい
- 複数の税理士のなかから何を軸に探せばいいかわからない
- 自社に適した節税対策の提案がほしい
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