相続で税理士に依頼できること7選!上手な活用方法を解説
- 相続で税理士ができることは何?
- 相続で税理士ができないことはある?
- 相続で税理士を賢く活用する方法は?
相続が発生した場合、税理士にできることとできないことを把握しておくと業務を依頼しやすくなります。税理士や司法書士、弁護士などは相続で行える業務の範囲が異なるからです。
この記事では、税理士が相続手続きでできることとできないことについて解説します。税理士を賢く活用する方法についても説明するので、相続について分からないことがある方はぜひ参考にしてください。
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相続で税理士にできること7つ
相続に関連して税理士にできることは、以下の7つです。
- 生前の相続税対策
- 遺言書の作成
- 相続人調査・相続財産調査
- 準確定申告
- 遺産分割協議書作成
- 相続税申告代行
- 税務調査への対応
1. 生前の相続税対策
生前に相続税対策を始めておきたい方は、税理士に業務を依頼できます。具体的にどのくらいの資産があり、どの程度税金がかかりそうなのかという点は、税理士の得意分野です。
生前の相続税対策では、相続税だけでなく贈与税や資産を売却したときに発生する譲渡所得税についても検討しなければなりません。税理士は相続に伴って発生するあらゆる税金について熟知しているので、総合的な節税方法についてアドバイスしてくれるでしょう。
2. 遺言書の作成
とくに相続税について細かく自分の意思を示したい場合には、税理士に遺言書の作成を依頼するとよいでしょう。 税理士が遺言書の作成だけを請け負うことはあまりなく、相続税対策を含めたサポートの提供がほとんどであることに注意しましょう。
最近では遺言によって信託契約による相続対策が行える場合もあるので、被相続人がより多くの選択肢を持てるようになっています。
3. 相続人調査・相続財産調査
相続人調査は「誰が相続人なのか」を調べること、相続財産調査は「どんな相続財産があるか」を調べることです。 相続人や相続財産の多さによっては、税理士に調査を依頼した方がいいケースがあります。
調査後、そのまま相続税の申告手続きを行ってもらうことも可能。他の相続人とトラブルが発生している場合には、税理士に対応できない部分もあるので注意しましょう。
4. 準確定申告
準確定申告とは、納税者が死亡した際に相続人が代わりに所得税の申告と納付を行うものです。 毎年1月1日から12月31日までの所得を申告して所得税額を確定するのが確定申告。納税者が死亡した場合、本人は申告できないので相続人が確定申告を行わなければなりません。
準確定申告が不要なケース
以下の2つのケースでは準確定申告が不要です。
- 亡くなった方が給与所得者で年末調整が行われている
- 亡くなった方の年金受給額が400万円以下で他の所得が20万円以下
準確定申告は不要でも、医療費控除によって還付金を受け取れる場合もあります。税理士に準確定申告を依頼すると、還付金の申請もしてもらえるのでとても便利です。
5. 遺産分割協議書作成
相続が発生した場合、税理士は限定的に遺産分割協議書の作成が行えます。遺産分割協議書は、遺産分割の方法や割合について相続人全員の合意内容をまとめた書類のことです。被相続人の遺言書がない場合や法定相続分と異なる遺産分割を行う場合に必要となります。
税理士が遺産分割協議書を作成できるのは、相続税の申告で税務署に提出する必要があるケースのみ。税務署への提出が不要なケースでは、税理士に遺産分割協議書の作成を依頼できません。
6. 相続税申告代行
税理士がもっとも得意とする分野の一つで、正確な申告が行えることはもちろん、賢い節税方法についてもアドバイスしてくれます。
相続財産の種類や取り扱いなどで相続人のちょっとしたミスのカバーや他の専門家への橋渡しも税理士ができること。相続税申告代行を税理士に依頼すると、書類の不備が少なく税務調査が入りにくくなるメリットもあります。
7. 税務調査への対応
相続税の申告では全体のおよそ2割程度が税務調査の対象になりますが、税理士を代理人にしておくとその税理士が税務署対応してくれます。 税務調査で調査されるのは、書類に不備はないか、申告通りの相続財産があるか、預貯金はいくらだったのか、正確に相続税を支払ったのかなどです。
万が一、申告漏れがあれば追徴課税が科される場合も。普段から税務署対応に慣れている人は多くないので、プロの税理士に税務調査への対応を任せておけば安心です。
相続で税理士にできないこと3つ
相続で税理士にできることはたくさんありますが、他の士業にしかできない業務もいくつかあります。税理士にできない業務を依頼することがないようにしましょう。相続で税理士が行えない業務は以下の3つです。
1. 相続放棄の手続き代行
相続放棄の手続き代行は弁護士にしかできない業務なので、税理士には依頼できません。弁護士には完全な代理権があり、相続人の依頼を受けて手続きを代行できます。
司法書士も相続放棄に関連した業務を行えますが、できることは書類作成の代行のみ。代理権はないため、依頼人が署名押印を行い、依頼人の名義で手続きを進めなければなりません。
2. 相続登記
相続財産の中に不動産が含まれていた場合、相続登記は税理士に依頼できません。相続登記は司法書士もしくは弁護士が行える業務です。
弁護士は相続登記を行う権限はあるものの、業務として請け負っていないことがほとんどです。 相続登記が必要なケースでは司法書士に相談するのがいいでしょう。
3. 相続トラブルの解決
相続人同士のトラブル、遺言の有効性への疑義などのケースでは、税理士が解決にあたることはできません。相続トラブルの際、相続人本人に代わって交渉を行ったり、裁判所で手続きしたりできるのは弁護士のみです。
相続で税理士を賢く活用する方法
相続の発生が予想される場合、税理士を賢く活用することで手続きを依頼できたり節税できたりします。税理士に業務を依頼するメリットを最大限得たいのであれば以下の2つのポイントを意識すべきです。
- できるだけ早くアドバイスを求める
- 税理士の得意分野を見極める
できるだけ早くアドバイスを求める
税理士を賢く活用する方法の一つは、できるだけ早くアドバイスを求めることです。早めに相談しておけば、いざ相続が発生したときでも慌てずに対処できます。
相続では、思いもよらない問題が起こったり、相続人や相続財産の取り扱いが複雑になる場合も。あらかじめ税理士に状況を理解してもらっていれば、適切なアドバイスをすぐにもらえます。
税理士の得意分野を見極める
税理士を賢く活用するためには、税理士の得意分野を見極めるべきです。税理士は税務のプロですが、それぞれ得意分野があります。
法人税・所得税の申告、経営管理・経営指導、事業継承・M&Aなどはその一例。すべての税理士が相続税を得意としているわけではありません。相続に強い税理士を選んでアドバイスを求めるのが賢い活用方法です。
まとめ
相続が発生すると、税理士は生前の相続税対策や相続税申告代行、税務調査への対応などを行ってくれます。一方、相続登記や紛争の解決など、司法書士や弁護士が行う業務は依頼できません。できるだけ早めに税理士を探してアドバイスを求めることにより、賢く節税するようにしましょう。
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岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。
しかし、入り口としては最適かもしれませんが、実際には税理士ではすべての業務を遂行することはできません。基本的に、税務署へ提出資料は作成できますが、そうでない資料はできないことが多いでしょう。
例えば、相続人が相続放棄をする場合の手続きは税理士はできませんし、相続税申告が行われる場合は作成することができる遺産分割協議書の作成代行も行うことはできません。相続登記を行うことも当然にできません。
ただ、税理士はその業務の中で、周辺業務について知り合いの専門家との付き合いも多く、効率的に業務連携もできるかと思います。安心してお任せできるかと思います。
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