任意整理の返済中に借入はできる?審査落ちの理由やお金が足りないときの対策を解説!
- 任意整理の返済中でも借入できる?
- どうして任意整理中は審査に落ちるの?
- 任意整理の返済中だけど生活が苦しい
任意整理をして借金額が減っても、毎月の支払いは必須です。原則として任意整理の返済中の借入は、リスクが大きいためおすすめしません。
この記事では、任意整理中の借入ができない理由や任意整理中にお金を工面する方法などを紹介します。
「借金総額が減っても生活が苦しい」「お金を工面して楽になりたい」という方に向けて、キャッシングや消費者金融以外にお金を工面する相談する方法も解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
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任意整理中の借入ができない2つの理由
任意整理中の借入は原則としてできません。理由は、次の2点です。
- 個人信用情報機関に事故情報が掲載される
- 金融機関内部のブラックリストに掲載される
個人信用情報機関に事故情報が掲載される
任意整理や自己破産、返済延滞といった支払いの遅延に関する情報は、個人信用情報機関に「事故情報」として登録されます。事故情報が登録されると「支払い能力がない」とみなされ、以降の借入ができません。
任意整理の事故情報は、5年間登録されます。5年間は、原則として新規の借入はできません。
金融機関内部のブラックリストに掲載される
各金融機関でも、内部で使う未払い者のリストを持っています。一度リストに掲載されると、該当の金融機関での借入はできません。直接お金を借りた機関だけでなく、グループ機関での借入も不可です。
任意整理中にお金を工面する3つの方法
任意整理中に借入ができないと言っても、現実問題として「お金がない」ことは変わりません。任意整理中でもどうしてもお金が必要な場合に、お金を工面する方法を3つ紹介します。
1. 社会福祉協議会の貸付を受ける
社会福祉協議会では、低所得者を対象として生活福祉資金の貸付を行っています。窓口は、市区町村の社会福祉協議会です。
2022年4月1日現在、生活福祉資金は4種類あります。
総合支援資金を借入したい場合、生活困窮者自立支援制度で定められた自立相談支援事業の利用が必要です。住んでいる自治体の社会福祉協議会を経由して、自立相談支援機関へ相談します。
自立相談支援機関で借入額や返済計画を相談したのち、借入を申請する流れです。
緊急小口資金
緊急小口資金は、福祉資金の一制度です。緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に、10万円まで借入できます。
厚生労働省によると、緊急小口資金は「1週間以内に送金するよう努める」よう定義されています。すぐにお金が欲しいときは、緊急小口資金の利用がおすすめです。
参照:生活福祉資金制度の見直しと生活困窮者自立支援制度との連携(厚生労働省)
2. 善意銀行で借りる
任意整理中は、善意銀行で借りる方法もあります。善意銀行とは、善意により提供された金銭や物品を預かり、必要な方に配分する仕組みです。仕組みを銀行にたとえているだけで、銀行法に基づく銀行ではありません。
社会福祉協議会が運営している「善意銀行」では、生活困窮者に貸付を行っています。下の表は、善意銀行で借入できる金額の一例です。借入できる金額は地域により異なります。詳しくは、お住まいの地域にある社会福祉協議会に問い合わせてください。
愛知県安城市 | 上限10万円 |
---|---|
静岡県掛川市 | 上限3万円(6カ月以上の居住が条件) |
福井県鯖江市 | 上限3万円 |
千葉県我孫子市 | 上限10万円 |
3. 中小消費者金融で借りる
任意整理中でも借入できる中小消費者金融会社もあります。いわゆる「神金融」です。
ただし、任意整理中の消費者金融からの借入は、おすすめできません。新たに借金を作ることで、返済や生活も今以上に苦しくなってしまいます。依頼していた専門家が辞任し、債務整理が進まなくなる可能性も。
債務整理中に借入をしている場合は依頼を受けない専門家も多くいます。「神金融」だからと安易に借入を増やすと、後々の債務整理が困難になる可能性が高くなることは覚えておきましょう。
任意整理中に借入する3つのリスク
任意整理中にさらなる借入をすると、借金総額と月々の返済額が増えます。借金額と返済額が増えることで想定されるリスクは、次の3つです。
1. 任意整理の返済が遅れる
任意整理中に借入すると、借金総額と返済額が増えます。借金を返済できないことから、任意整理で返済額を減らしているはずです。もともと返済できないのに借入額をさらに増やすと、当然返済は遅れるでしょう。
2. 任意整理の手続きが進まなくなる
任意整理中の借入により、任意整理の手続きが進まなくなる恐れもあります。
債権者が善意で利息カットに応じてくれているのは、債務者に生活を再建する意思があるからです。新たな借金を作ると債権者に「生活を再建する意思がない」とみなされ、利息減額の交渉が難航する可能性が生じます。
利息を減らせないことには、任意整理の手続きは進みません。
3. 弁護士や司法書士との契約が打ち切りになる
任意整理中の借入が原因で、弁護士や司法書士との契約が打ち切りになることも考えられます。
専門家が行動する基準は、当初の状況から導き出した計画です。借入総額が増えることで、予想していた計画が大幅に変わってしまいます。ときには、債権者から利息の減額を断られることもあるでしょう。
減額を断られた結果、専門家は任意整理を当初の計画どおりに進められなくなります。計画どおりに進められない場合、専門家は当初の契約と状況が変わったことにより辞任してしまうこともあるのです。
任意整理をしても生活が苦しいときの相談窓口3選
任意整理をしてもお金が足りないときに相談できる窓口があります。借入をする前に、窓口の利用を検討してください。
- 弁護士・司法書士
- 市区町村役場
- 各種協会のカウンセリングサービス
1. 弁護士・司法書士
任意整理をしても生活が苦しいときは、まず弁護士や司法書士への相談がおすすめです。各都道府県にある法テラスでも、無料相談を受けられます。
専門家への相談により返済額の見直しや、自己破産や個人再生といった方法の検討が可能です。専門家と一緒に返済額を計算をしたうえで、社会福祉協議会や善意銀行からの借入を検討するといいでしょう。
2. 市区町村役場
市区町村役場には、生活困窮者に対するサポート制度があります。市区町村役場のサポート制度は、次の3つです。
- 生活保護
- 医療費の一部減免制
- 住居確保給付金
生活保護
生活保護とは、憲法に定められた「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するため、金銭の支給により生活困窮者に必要な保護をする制度です。
生活保護では、以下の費用が支給されます。窓口は、市区町村役場です。
生活費 | 基準額を支給 |
---|---|
家賃 | 範囲内で実費支給 |
学用品費 | 基準額を支給 |
医療費 | 本人負担なし |
介護費 | 本人負担なし |
出産費 | 範囲内で実費支給 |
就労に必要な技能の習得にかかる費用 | 範囲内で実費支給 |
葬祭費 | 範囲内で実費支給 |
医療費の一部減免制度
国民健康保険に加入している場合は、特別な理由がある被保険者に対して、一部負担金の減額や免除をすることが国民健康保険法により定められています。
次の表は、減免額の一例です。減免額や基準、対象期間の詳細は、お住まいの自治体に問い合わせてください。
減免額 | 期間 | |
---|---|---|
名古屋市 | 免除 支払額の2〜8割減額 |
3カ月以内 |
大阪市 | 免除 | 6カ月以内 |
北海道帯広市 | 免除 支払額の5割減額 |
3カ月以内 |
神奈川県相模原市 | 免除 支払額の2〜8割減額 |
3カ月以内 |
住居確保給付金
住居確保給付金は、生活困窮者へ家賃を補助する制度です。家賃を代わりに支払ってもらう制度なので、手元に直接お金は入りません。
市区町村ごとに定められた生活保護制度の住宅扶助額を上限に、市区町村が家賃の一部を代理で支払います。家賃の支払い額が減るため、生活が今より楽になるでしょう。
3. 各種協会のカウンセリングサービス
金融関係の協会では、借金に関する相談窓口を設けています。料金は無料です。返済計画だけではなく、不安の軽減や行動パターンの克服など、精神面でのケアの相談も受けつけています。
専門家や役所に相談しづらい場合は、カウンセリングサービスを利用すると心理的負担が少ないかもしれません。
まとめ
任意整理をしたあとでも、お金が苦しくなるときもあるでしょう。お金が苦しいからといって、任意整理中のさらなる借入はおすすめできません。
任意整理中に生活が苦しくなり困ったときは、安易にお金を借りようとせず、まずは弁護士や司法書士といった専門家へ相談しましょう。専門家に相談することで、支払額や期間の見直しなど適切な手段を考えてくれます。
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1984年京都市生まれ。不動産・相続・会社の「登記」に必要な手続きを代理する専門家であり、若手ならではのフットワークの軽さと様々な職業経験で培った対応力を持つ法務大臣認定司法書士。自身が法律知識ゼロで資格学習を開始した経験から法律の適用や用語の難しさを理解しており、平易でわかりやすい説明を心がけており評価を得ている。
新たな借入れは信用情報に記録されますので任意整理の関係者には必然的に知られてしまいます。そうなると任意整理を依頼している専門家から手続き自体を辞任されてしまうこともあります。(任意整理の受任契約書の中に「新たな借入れを行わない」といった文言が記載されていることが通常です。)
また、任意整理中に「自己破産手続き」に切り替える必要があると気づいた時にも、免責不許可事由に該当し破産できないといったデメリットが発生する可能性があります。
任意整理期間中にどうしても借入が必要な状況になったと感じたときは、依頼中の専門家に現在の状況を包み隠さずに相談してください。返済方針の見直しや、公的機関の借入制度を利用するなどの代替策を提案してくれるかもしれません。
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