【法人・個人事業主】自動車税の仕訳は?確定申告の勘定科目や還付金を解説

税理士
監修者
税理士 佐藤 憲亮
最終更新日:2024年02月22日
【法人・個人事業主】自動車税の仕訳は?確定申告の勘定科目や還付金を解説
この記事で解決できるお悩み
  • 自動車税の勘定項目は何になる?
  • 自動車税の仕訳処理はどうやるの?
  • 自動車税の還付が受けられるって本当?

「自動車税は節税できる?」「自動車税の仕訳方法は?」とお悩みの個人事業主やフリーランスの方、必見です。

個人事業主やフリーランスの方は、確定申告の際、自動車税を適切な勘定項目で仕訳・申告しなければなりません。

この記事では、自動車税をどの勘定項目で仕訳すべきか、どのような仕訳処理が適切かを解説します。これから確定申告を行う方はぜひ参考にしてみてください。

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自動車税は経費計上できる

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自動車税が経費計上できるケースは、事業で該当自動車を使用する場合です。プライベートにも使用する場合は家事按分が必要になります。法人の場合も個人事業主の場合も、仕訳方法は共通です。

自動車税とは、自動車の所有者に対して課税される都道府県からの地方税です。車種により課税額が変わります。車検証上の所有者に対して課税されるため、必ず売買や譲渡の際に所有者の名義変更をしましょう。

自動車税の仕訳で用いる勘定科目

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自動車税の仕訳で用いる勘定科目は、一般的に「租税公課」です。租税公課以外には、車の維持費にかかる「車両費」を勘定科目にするケースもあります。

自動車税の勘定科目に対する制限は特にありません。自動車税の勘定項目を租税公課にするか車両費にするかは、各個人に任されています。

1度決めた勘定項目は継続的な使用が基本的な決まり

会社法では、原則として1度採用した勘定項目は毎期継続するよう定められています。毎年変更されると、何にいくら支出したのかわかりにくくなるためです。年度によって租税公課と車両費を使い分けないよう注意しましょう。

勘定科目1. 租税公課

「租税公課」とは、国や地方自治体に納める税金や交付金・罰金などです。租税公課は経費として計上できると定められており、自動車税も租税公課に含まれます。

租税 国税や地方税。自動車税、固定資産税、印刷税など。
公課 国や地方公共団体が徴収する税金以外のお金。発行手数料類が該当。

勘定科目2. 車両費

「車両費」とは、車を維持管理するための支出です。車両費に含まれる主な費用は、次のとおりです。

  • ガソリン代
  • 洗車代
  • 修理費用
  • ETC料金
  • 車検費用
  • 車庫証明手続代行費用

自動車税も車両費で経費に計上できます。1年間の自動車に関連する支出をまとめたい場合、自動車税と諸費にあわせて車両費に仕訳するとわかりやすいでしょう。

自動車税の仕訳:勘定科目の記載方法

自動車税の勘定項目の記載は租税公課か車両費を使います。自動車税支払い後にすぐ仕訳処理をすることで、確定申告時の処理がスムーズです。

自動車税が50,000円の場合のそれぞれの記入方法は次のとおりです。

勘定項目 借方 貸方
租税公課 租税公課:50,000円 現金:50,000円
車両費 車両費:50,000円 現金:50,000円

自動車税を現金で支払うのではなく普通預金口座から支払った場合、貸方は「現金」ではなく「普通預金:50,000円」と記載します。

自動車税の仕訳:家事按分の記載方法

自動車を仕事以外にプライベートでも使用するケースでは、家事按分が必要です。プライベートで使用している分の支出は、確定申告で経費に計上できないためです。家事按分とは、事業とプライベートで併用している費用のうち、事業分だけを算出する処理を指します。

自動車税の家事按分では、税務署から指摘された際に説明できる根拠が必要です。自動車税は次の基準で家事按分を算出します。

  • 走行距離
  • 使用時間
  • 使用頻度

走行距離で家事按分する場合、走行メーターの記録が必要です。使用時間を基準にする場合、使用開始時間と終了時間を記録するとスムーズでしょう。運行記録表を作成すると、客観的な証拠になります。

個人事業主の走行距離が1年間で10,000km走だった場合を例に挙げましょう。10,000?のうち業務に関係する走行距離が6,000kmであれば、自動車税の60%を経費として計上できます。

自動車税の仕訳の注意点

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自動車税の仕訳における注意点は、次のとおりです。

  • 加算金/延滞金は経費にならない
  • 50万円以下の自動車の所得税は非課税

加算金/延滞金は経費にならない

自動車税を経費計上する際に注意すべきポイントに、加算金や延滞金は経費に該当しないことが挙げられます。自動車税は、あくまで事業を遂行するために活用した自動車にまつわる費用であるためです。

使用者の過失によって発生した加算金や延滞金は、経費ではありません。ガソリン代や洗車代と混同して経費計上しないよう注意しましょう。

50万円以下の自動車の所得税は非課税

自動車を売却した場合、譲渡益が50万円以下であれば所得税は非課税です。「譲渡益」とは、購入時に支払った金額と売却時に得た金額の差額から生まれた利益を指します。

事業で使用している自動車を売買した場合、原則的に確定申告が必要です。譲渡益が50万円を超えなかったケースではそもそも非課税であるため、申告の必要がありません。

自動車税の還付金制度

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自動車税は、場合により還付を受けられる可能性があります。

還付が受けられるケース 自動車の登録を抹消した場合
還付が受けられないケース 配車/売買した場合

還付が受けられるケース:自動車の登録を抹消した場合

自動車税が還付されるのは、自動車の登録を抹消した場合です。自動車税は、4月1日から翌年3月31日までの税金を5月末までに前もって納税しなければなりません。

4月1日時点の所有者に対して課税される仕組みであるため、登録が抹消された時点から翌年3月31日までの期間は自動車税を納めすぎたことになります。年度の途中で廃車すると、残った月数に応じて還付されます。

ポイント:廃車の手続きはすぐに済ませる

自動車を廃車する方は、月をまたぐ前に手続きをしないと還付金が少なくなるため注意が必要です。

還付が受けられないケース:配車/売買した場合

自動車税が還付されないケースには、次の2つが挙げられます。

  • 軽自動車を廃車にした場合
  • 自動車を売買した場合

軽自動車を廃車にした場合

軽自動車には軽自動車税がかかりますが、軽自動車税には還付のシステムがありません。先払いした自動車重量税と自賠責保険料の還付金は、受け取ることができます。

自動車を売買した場合

売買によって自動車が自分の手元から離れても、自動車税は還付されません。自動車税は車の所有者に対して課税されるもので、持ち主がいる限りは課税され続けます。

3月31日までの自動車税がすでに納付されている場合、自動車の購入者は次の課税まで自動車税を納付する必要はありません。自動車税は査定価格に上乗せされることが一般的です。

自動車税の還付を受けた際の仕訳

自動車税の還付を受けた場合にも、納付と同様に仕訳処理が必要です。還付金は、利益の一部となるため、仕訳処理を行わないと所得税額や法人税額を正確に算出できません。

基本的には自動車税の納付と逆の処理が必要です。還付金15,000円を現金で受け取った場合には、借方に「現金 15,000円」と記載しましょう。貸方は「租税公課(もしくは車両費) 15,000円」です。勘定科目残高がマイナスになる場合は「雑収入」で処理します。

勘定項目 借方 貸方
租税公課 現金:15,000円 租税公課:15,000円
車両費 現金:15,000円 車両費:15,000円

自動車税を節税する方法

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自動車税を節税する方法は、次の2つが挙げられます。

  • 月始めに購入する
  • 4月2日以降に軽自動車を購入する

月始めに購入する

自動車税を節税するためには、月初めの購入がおすすめです。反対に月末に購入すると、数日のために1カ月分の自動車税を支払うことになります。

自動車を購入した場合、自動車税は新規登録の翌月から翌年3月までの分が課税されるためです。月初めに購入すると翌月からの課税となるため、1カ月分の節税ができます。

4月2日以降に軽自動車を購入する

軽自動車の購入で自動車税を節約するためには、4月2日以降の購入がおすすめです。軽自動車は自動車税と異なり、年間課税のみで月割額がないためです。

軽自動車税は4月1日時点で軽自動車を所有している人に課税されるため、4月2日に新規登録した場合には該当年の納税が必要ありません。軽自動車税には払いすぎた分を還付する制度がないため、なるべく年度初めに購入すると節税効果があります。

まとめ

自動車税の勘定科目は、一般的に租税公課か車両費が用いられます。1度決めた勘定項目は変更することができないため、最初に勘定項目を決める際に慎重に検討しなければなりません。

自動車税の仕訳や確定申告でわからないことがあれば、専門家への相談がおすすめです。ニーズに適した税理士を見つけるためには、複数社の見積もりを取得し内容を比較しましょう。

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監修者のコメント
税理士
佐藤 憲亮

京都市出身。 医療系特化事務所、税理士法人の社員税理士(役員)を経て、気軽に相談できる専門家として税務顧問業務をメインに活動。実務で得た知識や経験を活かし、税務記事や税務論文の執筆、ブログの運営をしている書くことが好きな税理士。大学卒業後、税理士事務所で14年の実務経験を積みながら、大学院で税法を学ぶ。2020年に税理士登録。2023年6月に京都市中京区にて独立。また、顧客企業の利益最大化を実現するため、バックオフィスの効率化や改善に力を入れており、経理代行及びコンサルの事業会社を設立。経理、財務、税務の支援を得意としている。

事業用の車両を取得した場合は、車両本体価格は「車両運搬具」という勘定科目で資産計上し、耐用年数にわたり減価償却を行って少しずつ経費にしていきます。

なお、車両取得時にかかる諸費用については、取得時の経費になるものと、車両運搬具の金額(取得費)に含めなければならないものがありますので、ご注意ください。下記に具体的な区分を記載しますので、参考にしていただければと思います。

■車両運搬具(資産)・・・車両本体価格、オプション付属品、納車費用
■租税公課(経費)・・・自動車取得税、自動車重量税、法定費用、印紙代
■保険料(経費)・・・自賠責保険料、任意保険料
■支払手数料(経費)・・・検査登録手続代行費用、車庫証明手続代行費用、下取手続代行費用、希望No申請料など
■預託金(資産)・・・リサイクル預託金

なお、取得費に含まれないものは経費処理が可能となりますが、取得費に含んで減価償却を行って少しずつ経費としていくことも可能です。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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