マテリアルデザインとは?5つの特徴やメリット・デメリットを解説

株式会社Weathercock
監修者
株式会社Weathercock 代表取締役 大野淳
最終更新日:2024年02月20日
マテリアルデザインとは?5つの特徴やメリット・デメリットを解説
この記事で解決できるお悩み
  • マテリアルデザインとは?
  • マテリアルデザインの特徴とは?
  • マテリアルデザインを導入するメリット・デメリットとは?

「マテリアルデザインを導入しようか迷っている」「マテリアルデザインの特徴を知りたい」とお悩みのデザイナー、必見です。

「マテリアルデザイン」とは、2014年にGoogleが発表した、ユーザーが直感で操作できるようなデザインです。導入することで、影や奥行きを感じられ、物質世界のリアルなグラフィックを演出できます。

この記事ではマテリアルデザインの特徴を解説します。記事を読み終わった頃には、マテリアルデザインを導入するメリット・デメリットがわかるでしょう。

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マテリアルデザインとは?|Googleが提唱したデザインの指針

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マテリアルデザインとは、2014年にGoogleが発表したデザインの指針です。「material」とは「物質的」という意味があり、物質世界での表現をWeb上に再現しています。ユーザーが直感的に操作できるような扱いやすさが特徴です。

マテリアルデザインは、現実の物質のようにモノの動きや奥行き、影などが感覚的に捉えられるように表現します。パソコンだけではなくデバイスが変わっても操作性に大きな違いはありません。

たとえば、設置されたボタンの意味が文字情報ではなくグラフィックからわかるデザインを指します。どこを触ればいいのか直感的にわかるように、視覚的な技工を取り入れていることが特徴です。

マテリアルデザインの5つの特徴

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Google Designが示すマテリアルデザインの特徴は、次の5つです。

  1. 物理的な表現をする
  2. 色の数が少なく統一感のあるデザインである
  3. 厚みや影を利用する
  4. 洗練されたアニメーションである
  5. リスポンシブデザインを用いる

マテリアルデザインは、Google Designが公式に推奨しているデザインです。マテリアルデザインを通じ、古典的デザイン原則と技術の革新をあわせた結果の視覚言語(Visual Language)の確立を目指します。

1. 物理的な表現をする

マテリアルデザインは物理的な質感や動きを模倣し、リアルなデザイン要素を取り入れます。影や光の効果などが、ユーザーに直感的でリアルな操作感を与えるでしょう。

たとえば、ボタンやカードなどの要素に微細な影を追加し、浮かび上がり感を演出する例です。微細な影を追加することで、要素が他の要素から浮いているような物理的な印象をユーザーに与えるでしょう。

2. 色の数が少なく統一感のあるデザインである

マテリアルデザインでは、色味やバランスが大切です。ビビッドな色遣いはメタファの特徴を活かします。意図的に余白を作ったり、デザイン内に階層を作成したりすることでクリックする場所が識別しやすくなります。

マテリアルデザインを作成するためには、ユーザーの視覚体験を想定し、思考工程を誘導する必要があります。ユーザーが没入できるような大胆なデザインを目指しましょう。

3. 厚みや影を利用する

マテリアルデザインは、レイヤーの厚みや影の効果を活用し、奥行き感を出すことが特徴です。たとえば、ポップアップやモーダルが画面上で浮いているように見せ、奥行き感を演出するという例です。要素の階層構造がわかりやすくなり、ユーザーが情報を理解しやすくなります。

4. 洗練されたアニメーションである

マテリアルデザインでは、アニメーションが積極的に利用され、操作の結果や画面遷移がスムーズに表現されます。ユーザーエクスペリエンスを向上させ、ユーザーとのコミュニケーションを促進するでしょう。

5. リスポンシブデザインを用いる

異なるデバイスや画面サイズに適応するリスポンシブデザインが取り入れられています。さまざまな環境で一貫性のあるユーザーエクスペリエンスが提供されます。

マテリアルデザインの代表的な4つのガイドライン

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マテリアルデザインを作成するためには、以下の4つのガイドラインを参考にしましょう。

  1. アニメーション
  2. スタイル
  3. レイアウト
  4. コンポーネント

1つずつ解説していきます。

1. アニメーション

マテリアルデザインにおけるアニメーションは、ユーザーが負担に感じない量、スピードである必要があります。緩急があるとユーザーの視線は引き付けられ、自然と滞在時間が長くなるでしょう。

アニメーションは、モーションの一種としてカウントされます。アニメーションを含むモーションは、マテリアルデザインにおいて重要なアイキャッチです。ユーザーが快適に感じる構造を大切にしなければ、ユーザーが離れるきっかけになります。

2. スタイル

スタイルとは、配色やアイコンのことです。配色は一般的に、ブランドを表現する原色と副色で表現されます。それぞれの色にダークカラーとライトカラーを含み、調和を維持します。

プロダクトアイコンは、サービスやツールを視覚的に表現するものです。アイコンは、アイデアや意図を直感的に伝えるために、シンプルで大胆なデザインがいいでしょう。

アイコンデザインのアプローチでは、表現したいものの触感や物理的な質感をデザインに反映します。折りたたまれた紙の質感のマテリアルに、一方向から光を当てて影を作るイメージです。陰影がアイコンに立体感を与え、マテリアルとしての存在をユーザーに感じさせる効果を生みます。

3. レイアウト

マテリアルデザインにおけるレイアウトの基本は、次の3要素から構成されます。

  • カラム(柱)
  • ガーター(溝)
  • マージン(余白)

コンテンツは、画面上のカラムがある場所に配置されます。カラムとカラムの間にはガーターを設置し、スペースを保ちコンテンツの分離が可能です。画面が広いデバイスにおけるデザインでは、ガーターの幅を広くすると自然にまとまります。

マージンは、コンテンツと画面の左右端の間にあるスペースです。ガーターと同じように、マージンを広く使うと大画面の場合にバランスがよくなります。

4. コンポーネント

マテリアルデザインにおけるコンポーネント(構成要素)は、個体で実体があります。個体で実体があるとは、各コンポーネントが物理的な対象や物体を模倣し、それぞれが独立して存在し、相互に影響を与えることを指します。

透明なデザインを避け、曲がったり折れたりしないことが前提です。コンポーネントを重ねて配置することはできず、背景に対して1レイヤーのみが存在します。

マテリアルコンポーネント(Material Components)は、マテリアルデザインに従ったUI要素の総称です。活用することでデザイナーが1つずつマテリアルを作成しなくても、系統的なマテリアルデザインを適応させられます。

マテリアルデザインとフラットデザインの違い

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マテリアルデザインとフラットデザインは、発生過程とデザインの規定、作成工程の多さに違いがあります。

マテリアルデザインは、Googleによる明確なガイドラインがあり、直感的な操作性が特徴です。作成工程が多く、通信量が大きい傾向にあります。

フラットデザインは自然発生的に流行したもので、立体感や光沢感がなくシンプルなデザインです。マテリアルデザインに比べて作成工程は少ないです。

マテリアルデザインを取り入れる3つのメリット

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マテリアルデザインを取り入れることには次の3つのメリットがあります。

  1. Googleから高い評価を得られる
  2. 古いデザインから脱却できる
  3. ユーザーが感覚的に操作できる

マテリアルデザインの採用には複数のメリットがあります。まず、Googleが提唱したデザイン手法であるため、採用することでGoogleから高い評価を得られ、アプリやWebサイトの信頼性が向上します。

マテリアルデザインは古いデザインから脱却し、現代的で洗練された外観を実現するでしょう。直感的な操作を促進するための要素が組み込まれており、ユーザーが感覚的に操作できるため、ユーザーエクスペリエンスが提供されます。

1. Googleから高い評価を得られる

Googleの示すガイドラインに沿って作成することで大きく方向性を外れることがなく、簡単に評価の高いデザインが作られます。

2. 古いデザインから脱却できる

マテリアルデザインを使えば、古いWebサイトのデザインを刷新できます。マテリアルデザインはすでに世界中で用いられているデザインです。導入できればユーザーにとって目新しいデザインであったり、古臭い印象を与えないことを示せるでしょう。

3. ユーザーが感覚的に操作できる

マテリアルデザインは、ユーザーの認知負荷の軽減に有効です。マテリアルデザインは現実世界の物理法則に従って画面上の世界を表現しているため、ユーザーは直感的に構造を認知できます。

多くの人にすでに親しまれているデザインであるため、Webサイトを訪問したユーザーが自然に使い方がわかる側面もあります。

マテリアルデザインを取り入れる2つのデメリット

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マテリアルデザインのデメリットも把握し、作成時の参考にしましょう。

  1. 独自性が少なく他サイトとの差別化が図りにくくなる
  2. ページのファイル容量が大きくリソースを消費する

1. 独自性が少なく他サイトとの差別化が図りにくくなる

マテリアルデザインは広く普及しているため、採用することでオリジナリティが欠け、他のサイトとの差別化が難しくなります。特定のコンセプトやアイデンティティを重視する場合、一般化が制約となるケースがあります。

2. ページのファイル容量が大きくリソースを消費する

デザイン要素やアニメーションが多く用いられるため、ページのファイル容量が大きくなり、リソースの消費を引き起こす可能性があるでしょう。

マテリアルデザインには影やアニメーションなど、視覚的な要素が多く取り入れられています。デバイスの処理能力やメモリが必要となり、リソースの消費が増加するでしょう。

とくに古いハードウェアや低性能なデバイスでは、パフォーマンスの問題が生じる可能性があります。

マテリアルデザインの作成ポイント

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マテリアルデザインを作成する際、2つのポイントを意識しましょう。

  1. シンプルを意識する
  2. 立体感を大切にする

マテリアルデザインを作成する際、はじめにアイデアを紙に手書きでスケッチし、デザインの基本構造を検討します。

1. シンプルを意識する

マテリアルデザインで大切なのは、シンプルなデザインをベースにすることです。配色においては色数をなるべく減らす必要があります。有彩色は、最大でも4色までにしましょう。

シンプルでキャッチーなデザインが大切な理由は、ユーザーに直感的に操作方法を感じもらうためです。情報量が多すぎるデザインになると、画面全体が過密になりユーザーが迷う可能性があります。

2. 立体感を大切にする

マテリアルデザインではシンプルでありながら「立体感」のあるデザインが大切です。立体感があるデザインにするためには、現実世界で影が生まれるのと同じように陰影をマテリアルにつけていきます。

陰影を含ませることで物質感のあるデザインとなり、ユーザーの現実世界における感覚とリンクします。

マテリアルデザインのリソース3選

マテリアルデザインを作成するためには、リソースの活用がおすすめです。リソースサイトにはそれぞれ特徴があるため、自社のニーズに適したものを選ぶといいでしょう。

おすすめのリソースは次の3つです。

  1. Material Palette
  2. Device Metrics
  3. Material Design for Android

以上のツールとガイドはマテリアルデザインの実装をサポートし、一貫性のある魅力的なユーザーインターフェースを構築する際に役立ちます。

1. material design palette

material design paletteは、マテリアルデザインに有効な配色パターンを示してくれるWebサイトです。カラーパレット上でメインカラーとアクセントカラーを選択すると、カラーバリエーションのパターンを提示してくれます。

参照:material design palette

2. DEVICE METRICS

DEVICE METRICSは、新しいデバイスにおけるマテリアルデザインの最適なバランスを見つけるために役立つWebサイトです。スクリーンサイズや縦横比に応じでデザインがしやすいような情報をまとめています。

参照:DEVICE METRICS

3. Androidのマテリアルデザイン

Androidのマテリアルデザインでは、android向けのマテリアルデザインを作成するための注意点が紹介されています。最も一般化されたマテリアルデザインの基本を学ぶことができます。android向けのテーマに限らず、具体的なマテリアルデザインの作り方を知りたい人にもおすすめです。

参照:Androidのマテリアルデザイン

今後のデザイントレンド2選

新鮮なデザインを保つためには、マテリアルデザインのガイドラインを守りつつ最新のトレンドデザインを取り入れることがおすすめです。今後トレンドとなるデザインを2つ紹介します。

  1. ニューモーフィズム
  2. グラスモーフィズム

マテリアルデザインは、2014年にGoogleが発表したデザインのガイドラインです。2023年現在ですでに発表から9年が経過しており、デザインを古いと感じるユーザーもいる可能性があります。

1. ニューモーフィズム

ニューモーフィズムは、背景からコンテンツが飛び出したりへこんだりしているデザインです。凹凸によってコンテンツが表現され、シンプルなミニマルデザインとの相性がいいことが特徴です。

使用される色数は最小限におさえ、凹凸を中心にデザインが構成されているため全体がすっきりして見えます。2020年以降再度注目が集まり始め、今後デザイントレンドになる可能性があります。

2. グラスモーフィズム

グラスモーフィズムは、グラスをとおして画面を見ているような半透明な表現を用いたデザインです。背景を透かして見せるため、奥行きのあるデザインになります。

透明感を排除したマテリアルデザインとは大きく異なり「ぼかし」や「半透明」のコンテンツを活用して作成します。2021年以降注目が集まっており、今後さらに人気が高まる可能性のあるデザインです。

まとめ

マテリアルデザインはGoogleも推奨するデザインであり、シンプルでユーザーフレンドリーな構造をしています。シンプルでありながら作成工程は複雑で、フラットデザインと比べても開発工数が多い特徴があります。

マテリアルデザインをWebサイトに取り入れる際は、Webサイト制作会社への依頼がおすすめです。「比較ビズ」では、必要事項を入力する2分程度の手間で、マテリアルデザインに詳しい専門家をスピーディーに探せます。どの専門家に相談すべきか迷う際は、ぜひ利用してみてください。

監修者のコメント
株式会社Weathercock
代表取締役 大野淳

愛媛県でホームページ制作・SEO対策を行なっている会社。コーポレートサイトやECサイトの構築はもちろん、オウンドメディアの構築を行う。クライアントに寄り添ったWEB制作を心がけており、WEBマーケティングを通して見込み客の欲求に合わせたコンテンツ作成を行うことをモットーに行う。

近年マテリアルデザインを採用しているサイトは増えてきています。直感的にも見やすく、なおかつ操作性にも優れているという特徴もあります。フラットなサイトデザインはシンプルな印象を持たせることができるだけでなくユーザーからも分かりやすいサイトだと認識してもらうことが出来ます。

ただ、マテリアルデザインは使い方を間違ってしまうとデザインが崩れてしまい、何を表したいのか分からないサイトにもなりがちです。サイト全体のイメージをしっかりと初めに決定し、そのコンセプトから離れないように構築しましょう。

また、記事内でも紹介しておりますが、影やアニメーションをうまく活用することでさらに利便性、視認性の高いサイトになります。ぜひ、サイトデザインのレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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