複合機をリースで借りた場合の勘定科目は?レンタルとの違いも解説
- リースの勘定科目は?
- リースの会計処理はどうすればいい?
- レンタルとリースの違いは?
「複合機を経費計上したいけど、リース契約の扱い方が分からない…」とお悩みの経理担当者は必見です。この記事では複合機をリースで借りた場合の会計処理やレンタルとの違いについて解説します。
リースを利用して高額な備品を調達する際は、会計処理の適切な把握が欠かせません。リースの勘定科目を把握するにあたっては、類似取引であるレンタルとその会計処理についての理解も重要です。
複合機のリース契約を検討している方、すでにリースしていて会計処理に困っている方は、ぜひ参考にしてください。
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複合機をリースした際の勘定科目
物品をレンタルして支払った賃貸料は「リース料」や「賃借料」という勘定科目で費用計上します。減価償却は必要ありません。複合機をレンタルした際に使用するインクのような、レンタルに付随して発生した費用は「消耗品費」を用いて適切に費用計上します。
リースには2種類あるため、自分がどちらに当てはまっているのかを1度考える必要があります。具体的には以下のとおりです。
- ファイナンスリースの場合
- オペレーティングリースの場合
ファイナンスリースの場合
ファイナンスリースとは「リース期間が耐用年数のおおむね75%以上かつ、リース料総額の現在価値が見積現金購入金額のおおむね90%以上の取引」です。
上記に付随して下記の分別もあります。
- 所有権移転ファイナンス・リース:期間終了後に所有権の移転が規定された契約
- 所有権移転外ファイナンス・リース:所有権の移転が規定されていない契約
どちらも原則としてリース料金は資産計上ですが、減価償却時の計算方法が異なるため注意してください。
所有権移転ファイナンス・リースはローンと同様に処理する
所有権移転ファイナンス・リースでは契約期間終了後に所有権が借手へと移ります。中途解約できない(もしくは違約金が著しく高い)こと、リース中の保守義務が借手にあることも加味すると、実態はローンを組んで備品を購入した場合と同様です。
会計処理もローンと同様に行えば問題ないため、リース料金は資産計上します。
所有権移転外ファイナンス・リースは減価償却時に特別な処理が必要
契約時と月額リース料金支払い時に発生する仕訳は、所有権移転ファイナンス・リースと同様です。所有権移転外ファイナンス・リースでは契約期間終了後に借手へ所有権が移らないため、ローンと同様に減価償却すると、場合によっては実態に即していません。
「リース期間定額法」を用いてリース期間を耐用年数・残存簿価0とし、各人の採用する方法によって減価償却します。
オペレーティング・リースの会計処理は「リース料」として費用計上
オペレーティング・リースは所有権の移転の条項を含まない通常の賃貸取引です。レンタルは会計ルール上、オペレーティング・リースに含まれます。契約時の仕訳や減価償却は必要なく、月額料金の支払い時のみ仕訳が発生します。
【月額料金支払い時】
借方 リース料 | 10,000円 |
---|---|
貸方 現預金 | 10,000円 |
複合機を購入した際の勘定科目
複合機を購入した場合には、資産計上ではなく「消耗品費」としてその事業年度内での費用として計上できます。10万円未満(中小企業の場合は30万円未満)のものに限るため、10万円以上の複合機を購入している場合は減価償却を行いましょう。
複合機をレンタルした際の勘定科目
複合機をレンタルした場合には「貸借料」として計上します。インク代やカウンター料金が別である場合には別途で修繕費、消耗品費として計上する必要がありますが、レンタル料も消耗品料もすべて込みであれば科目は貸借料だけで構いません。
複合機はリースとレンタルどちらがいい?
レンタルとリースの違いをさらに明確にするために、それぞれのメリットと「結局どちらがいいのか?」について説明します。
複合機をリース契約する2つのメリット
レンタルと比較したときのリースのメリットは次の2つです。
- 新品を使用できる
- 月額料金が割安である
新品を使用できる
リース取引は、借手の要望にあわせてリース会社が新しく商品を購入し貸し付ける仕組みです。最新機種を導入したい場合にも便利です。
月額料金が割安である
レンタルの場合は保守義務が貸手にあり、保守費用を含めたレンタル料を支払わなくてはいけません。リースの場合は保守義務が借手にあるため保守費用を払う必要がなく、月額料金が割安です。メンテナンスや修理が発生しないわけではない点は注意しましょう。
複合機をレンタル契約する2つのメリット
リースと比較したときのレンタルのメリットは次の2つです。
- 短期での契約ができる
- 中途解約ができる
短期での契約ができる
レンタル取引では1日だけの短期契約ができます。1日だけ車を使いたい、イベント期間の1カ月だけ複合機が必要、などのスポットでの需要を満たしてくれます。
中途解約ができる
レンタル契約は契約期間に関する縛りが比較的ゆるく、基本的には中途解約可能です。違約金がかかる場合もあるものの、金額はリースの中途解約ほどではありません。リースを中途解約する場合には、残存リース料を全額支払う必要があります。
長期的な契約になることがすでに確定している場合はリース契約、スポットで借りたい場合はレンタル契約にするとよいでしょう。
IFRS(国際会計基準)ではリース・レンタルともに資産計上する方向に進んでいる
IFRS(国際財務報告基準)では、2019年1月1日以降に開始する事業年度で適用されるIFRS第16号によって、オペレーティング・リースの資産計上が開始されました。
IASB(国際会計基準審議会)が作成している会計ルール。市場のグローバル化が加速し各国の会計基準がバラバラなことの弊害が明確化したことで、重要性が増した。欧米を中心に上場企業での採用が進んでいる。
レンタルはオペレーティング・リースに含まれます。よってIFRSを採用している企業ではレンタル料金も経費計上できず、資産計上しなくてはいけません。これまでオフバランス処理できたレンタル料金を資産計上することになれば、ROAの低下といった財務諸表への悪影響が懸念されます。
今後のレンタルおよびリースに関する会計処理においては、ファイナンス・リースかオペレーティングリースかではなく、リースに該当するか否かが重要な論点となります。
まとめ
一般にレンタル料金は費用計上、リース料金は資産計上です。特に財務諸表への影響という文脈において、賃貸借契約がレンタル・リースのどちらに該当するかは大きな意味を持ちます。
レンタルの会計実務にあたっては、税理士や会計士といった専門家の知識を借りながら会計ルールや実態に即した処理・仕訳を行ってください。
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東京都千代田区出身。オフィス機器販売店を5年間経て株式会社ビジネスクロースを設立、代表取締役就任。累計1,000社以上の中小企業のオフィス機器周りをサポートし、コスト削減を実現。現在は、外資系企業、上場企業のオフィス機器も担当。オフィス機器の他に、営業コンサルティング、営業研修など幅広い分野で活動中。
また、実際に複合機販売店の提案がリース契約の次に多いのがビジネスクレジット契約になります。ビジネスクレジット契約は、機械購入金額を分割払いする契約になります。こちらは支払い月々のお支払い金額が一定ですが、分割購入の部類になりますので、資産計上が必要になるので注意が必要です。
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もしも今現在、
- どの機種を選べば良いかわからない
- 最適なレンタル・リース契約がわからない
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