プロモーションミックスとは?具体的な5つの手法や事例・成功させるコツを解説

SUGI WORK
監修者
SUGI WORK 代表 杉山茂幸
最終更新日:2025年03月07日
プロモーションミックスとは?具体的な5つの手法や事例・成功させるコツを解説
この記事で解決できるお悩み
  • プロモーションミックスとは?
  • 具体的にどのような施策を実行すればいい?
  • プロモーションミックスを成功させるには?

プロモーションミックスとは、複数のプロモーション手法を組みあわせて、認知度の向上や売上の増加を図るマーケティング戦略です。オフラインからオンラインまでさまざまなメディアが存在する現代で、プロモーションミックスはマーケティングに欠かせません。

この記事では、プロモーションミックスの概要や具体的な手段、成功事例などを解説します。マーケティング担当者や、プロモーションミックスの活用を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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プロモーションミックス:複数の手法を組み合わせる戦略

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プロモーションミックスとは、認知拡大や購買数増加につなげるために複数のプロモーション手法を組み合わせるマーケティング戦略のことです。具体的には、広告や広報、販売促進などの手法を組みあわせてマーケティングの目標達成を目指します。

メディアミックスとの違い

メディアミックスは、プロモーションミックスの効果を最大化するための戦略の1つです。テレビやWEBなど、異なる複数のメディアを組み合わせることで、高い相乗効果の獲得を目指します。

たとえば、テレビCMではイメージの訴求に集中し「続きはWEBで」とWEBサイトへのアクセスを促す手法がメディアミックスの代表例です。

マーケティングミックスとの違い

マーケティングミックスとは、マーケティング戦略を立案する過程で策定される、マーケティングの実行戦略のことを指します。プロモーションミックスは、マーケティングミックスで策定されるプロモーション戦略の1つです。マーケティング戦略の策定は、以下の流れで行います。

  概要
1. マーケットリサーチ 市場全体を分析する
2. セグメンテーション 市場を細分化する
3. ターゲティング 狙うべき市場を定める
4. ポジショニング 自社の優位性を分析する
5. 実行戦略策定(マーケティングミックス) 4Pの観点で分析・策定する
6. 戦略実行・分析・改善 実行した戦術の結果を分析・改善してPDCAを回す

ステップ5にあたる部分が、マーケティングミックスです。マーケティングミックスで利用される「4P」1つにプロモーション(Promotion)が該当します。

マーケティングミックスの4P

マーケティングミックスでは、マーケットリサーチからポジショニングの間に定義した要素を顧客視点で以下の4つ(4P)に分類して戦略を策定します。

  • Product(製品・商品・サービス)
  • Price(価格)
  • Place(流通)
  • Promotion(コミュニケーション手法)

4Pを構成する重要な要素「プロモーション」戦略の1つが「プロモーションミックス」です。プロモーションミックスでは、自社の「プロダクト=商材の魅力」「プライス=価格の競争力」「プレイス=商材の流通経路」が大前提となります。

プロモーションミックスを単体の手法と考えず、マーケティング実行戦略である「マーケティングミックス」との整合性を取ることが重要です。

プロモーションミックスの2つの基本戦略

プロモーションミックスには5つの手法があり、プル戦略とプッシュ戦略の2種類に分類できます。それぞれの分類は、以下のとおりです。

プル戦略 ・アドバタイジング(広告)
・パブリシティ(広報)
・バズ(口コミ・SNS)
プッシュ戦略 ・セールスプロモーション(販売促進)
・パーソナルセリング(人的販売)

プル戦略

プル戦略とは、消費者に自社商品・サービスの情報を見つけてもらい、能動的に購入を促すプロモーション戦略です。

代表的な手法には、有益な情報発信をして読者をファン化させるオウンドメディアや、ブランド・商品の購買意欲を掻き立てる広告宣伝などが該当します。プル戦略に該当する手法は、以下の3つです。

  • 広告(アドバタイジング)
  • 広報(パブリシティ)
  • 口コミ・SNS(バズ)

広告(アドバタイジング)

広告(アドバタイジング)は、広告を出稿して自社商品・サービスの認知拡大や直接的な購買を狙うプロモーション手法です。主に下記のメディアを活用して行われます。

  メリット デメリット
テレビ 幅広いマーケットをカバーできる コストが高い
ラジオ エリアを絞り込んでアプローチできる 聴覚のみのため訴求力が弱い
新聞 ニーズに応じたマーケットにアプローチできる 効果が一過性になりやすい
雑誌 ターゲットを絞りやすく情報が長持ちしやすい 臨機応変な戦略には適さない
屋外広告 生活圏のターゲットに長期間アプローチできる ターゲティングが難しい
WEB広告・SNS広告 低コストでターゲティングしやすい 訴求力は高くない

活用するメディアにもよりますが、広告費が必要となる一方、成功したときの爆発力に期待できることが広告(アドバタイジング)の特徴です。

広報(パブリシティ)

広報(パブリシティ)は、テレビや雑誌などのメディアに自社商品を取り上げてもらうことで認知を高めるプロモーション手法です。

広告費を支払う必要がある広告(アドバタイジング)とは異なり、広報(パブリシティ)では原則として掲載・露出に費用をかけません。ただし、内容や期間をコントロールしたい場合には、露出の対価に費用を負担する「ペイド・パブリシティ」も利用されます。

広報(パブリシティ)とパブリックリレーションズ(PR)は、別の概念であるため注意してください。

パブリックリレーションズ(PR)とは

パブリックリレーションズ(PR)とは、企業とステークホルダー間のコミュニケーション活動全体のことです。広報(パブリシティ)は消費者を対象としていますが、PRは消費者だけではなく投資家や取引先も対象に含まれます。

口コミ・SNS(バズ)

口コミ・SNS(バズ)は、WEBサイトでの口コミやSNS投稿を促すことで購買意欲を促進するプロモーション手法です。 近年、販売側である企業のSNS利用がメジャーになり、プロモーション手法として活用するケースが増えています。インフルエンサーを起用したSNS活用例も多いです。

プッシュ戦略

プッシュ戦略とは、消費者へ直接的に・積極的にアプローチして受動的に購入を促すプロモーション戦略です。販売員によるセールストークや、イベント・キャンペーンなどが代表的な手法として挙げられます。プッシュ戦略に該当する手法は、以下の2つです。

  • 販売促進(セールスプロモーション)
  • 人的販売(パーソナルセリング)

販売促進(セールスプロモーション)

販売促進(セールスプロモーション)は、自社商材の魅力を積極的に伝え消費者の購買意欲を高めるプロモーション手法です。主なセールスプロモーション活動には下記が挙げられます。

  • イベントの開催
  • キャンペーンの実施
  • サンプルの配布/設置
  • キャッシュバック/ポイント付与の実施

最終的には購買促進を目的としつつも、アプローチ対象が消費者ではない場合もあります。販売店へのリベート(キックバック)やアローワンス(補助金・割引)、スタッフ派遣などもセールスプロモーションの一環です。

人的販売(パーソナルセリング)

人的販売(パーソナルセリング)は、人が直接的に消費者とコミュニケーションし購買を促すプロモーション手法です。

1人ひとりに自社商品の魅力をていねいに・詳細にアピールできるため、リード(見込み顧客)あたりの売上を最大化できます。一方で、対応できるリード数に限界があり、リードの興味が高まっていないときは効果が薄いです。

人的販売(パーソナルセリング)は、下記のシーンで活用されます。

  • ダイレクト販売(対面営業)
  • 実店舗での接客
  • 実演販売会
  • トレードショー(展示会)

近年、デジタルマーケティングが中心になりつつあるため、特にBtoBではリードナーチャリング(見込み顧客の興味最大化)が重視されています。WEB広告やホワイトペーパーでリードを獲得し、メルマガで教育した後、セールスに移る流れです。

プロモーションミックスが重要な理由:メディアの細分化

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現代でプロモーションミックスが重要とされる理由は、メディア(=ユーザーとのコミュニケーション方法)が細分化・複雑化しているためです。

メディアの数が増えてそれぞれが重要なマーケティングツールとなり、各分野をスペシャリストが担当するようになりました。工程ごとの効率化を図るためには合理的である一方、独立に動いているため相乗効果が薄れるデメリットもあります。

プロモーションミックスが重視されているのは、各手法をひとまとまりに管理することで、全体の成果を最大化できるためです。細分化による分断が進んでいない中小企業であっても、効果的な戦略立案・手法選定のためにプロモーションミックスを行っていきましょう。

プロモーションミックスを成功させるコツ

プロモーションミックスを成功させるコツは、マーケティングの目的や対象となる商材に応じて手法を組み合わせ戦略を練ることです。

まずはプル戦略とプッシュ戦略の順番や流れを検討しましょう。プル戦略で認知度が高まった後に、プッシュ戦略を実行する流れが効果的です。セオリーが当てはまらない場合もあるため、自社の状況や商材にマッチしているかを判断しなくてはなりません。

手法の組み合わせも、プロモーションミックスを成功させるために重要です。目的や商材にあわせて「戦略の流れ→手法の組み合わせ→手法の順番」と落とし込んでいきましょう。

プロモーションミックスの成功事例2つ

日本で実際に行われたプロモーションミックスの成功事例を2つ紹介します。どちらも大がかりなプロモーションであるため再現は難しいですが、事例を知ることで成功率を高められるでしょう。

1. ファンタスティックビーストの事例

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参照:乗り物ニュース

1つ目の成功事例は、映画「ファンタスティックビースト」です。東急電鉄とコラボし、映画内のシーンを再現したフォトスポットを設置したり、発車メロディを変更したりするなどのプロモーションを行いました。

WEB記事で盛んに取り上げられたほか、消費者のSNS投稿も見込んでいたと考えられます。1つの施策で複数の手法を組み合わせた事例です。

2. 日本マクドナルドの事例

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参照:円谷ステーション

2つ目の成功事例は、日本マクドナルドです。人気商品「チキンタツタ」と新商品「シン・タツタ 宮崎名物チキン南蛮タルタル」が映画「シン・ウルトラマン」とコラボしました。

「帰ってきたウルトラマン」主題歌の替え歌を使用したテレビCMやX(旧Twitter)キャンペーンなど、広告とSNSを中心に組みあわせている事例です。

まとめ

メディアが細分化し分業が進んだ現代のマーケティングにおいて、プロモーションミックスは欠かせない戦略の1つです。自社の目的や商材に応じて柔軟に戦略・手法を組み合わせ、マーケティング効果の最大化を図りましょう。

マーケティング戦略の立案やプロモーションミックスの実行が難しいと感じる場合は、専門家のアドバイスや助力を得ることも効果的です。

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監修者のコメント
SUGI WORK
代表 杉山茂幸

山形県出身。埼玉県越谷市と山形県上山市の2拠点で活動中のフリーランス。開業5年目でSUGI WORK代表。国内・海外法人から行政案件まで経験。WEB制作をはじめ、デザイナー・エンジニア・出張撮影・ドローン空撮・取材・自社メディア運営など幅広い分野で活動中。中小企業の課題解決が得意。

プロモーション・ミックスを早い段階からしっかり理解し実践できれば、マーケティングのレベルは飛躍的に向上します。表面上の見込み客のみならず、これまでアプローチしてこなかった顧客層にも広く認知できる機会になるため、良くも悪くも想定していなかった結果が出る可能性もあるでしょう。また、オンラインだけに囚われず、オフラインでのプロモーション活動も並行して行うことでより効果的な結果が生まれる場合もあります。

データを集めるという点では、視点を変えるタイミングとして、マーケティングプランの再考などにも、複数のプロモーションを組み合わせるプロモーション・ミックスは魅力があります。ただし、上記のように思わぬ発見や改善を行うことができる反面、広告費が増える・効果が出なくなった・日々の改善やPDCAなどで業務効率が下がるデメリットがあるので注意が必要です。

また、マーケティングは工夫改善を重ねながらグロースアップさせるものなので、中長期的な視点も欠かせません。最終的な目的・ゴールを設定し、可能性のありそうなプロモーション施策を組み合わせ同時に展開することで、従来より大きな反響を得るきっかけになるのではないでしょうか。

比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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