窯業系サイディングの費用相場はどのくらい?施工費用を抑えるポイント4つを解説!

 SD住宅相談室
監修者
SD住宅相談室 花沢 雅樹
最終更新日:2023年10月02日
窯業系サイディングの費用相場はどのくらい?施工費用を抑えるポイント4つを解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 窯業系サイディングにかかる費用はどのくらい?
  • 窯業系サイディングにはどんなメリットがあるの?
  • 施工費用を抑えるための方法には何がある?

窯業系サイディングは、外壁のリフォームによく用いられる材料の一つです。いろいろなデザインの製品が販売されており、理想的な外壁を造るのに役立ちます。

この記事では、窯業系サイディングを使用した外壁リフォームにかかる費用について解説します。窯業系サイディングのメリットやデメリット、施工費用を抑えるポイントについても説明するので、これから外壁リフォームをしたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

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窯業系サイディングの費用相場

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窯業系サイディングを使って外壁リフォームする場合、どの程度の費用がかかるのか把握しておかなければなりません。窯業系サイディングを使う前には以下のような費用について考慮するべきです。

  • 窯業系サイディングの単価
  • 窯業系サイディングの塗装費用
  • 窯業系サイディング施工方法別の費用
  • 窯業系サイディングのメンテナンス費用

窯業系サイディングの単価

窯業系サイディングの単価相場は、1平方メートルあたり3,000円〜6,000円前後です。金属系や木質系のサイディングボードと比較すると低コストで利用できるのが大きなメリットといえます。

サイディングボードが厚かったり高機能の塗料が使われていたりすると価格が上がるので、予算と機能を比べながら選ぶのがよいでしょう。

窯業系サイディングの塗装費用

窯業系サイディングの塗装費用はどんな塗料を使うかによって異なります。塗料別の費用は以下のとおりです。

  1平方メートルあたりの価格
アクリル系塗料 1,000円〜1,500円
ウレタン系塗料 1,500円〜2,500円
シリコン系塗料 2,000円〜3,500円
光触媒・無機塗料 5,000円〜6,000円
遮熱・断熱塗料 5,000円〜6,000円

よく用いられるのは耐久性が高くメンテナンスも行いやすいシリコン系塗料です。アクリル系塗料は単価が低いものの耐久性があまりないため頻繁に塗り替えなければなりません。遮熱・断熱塗料は費用がかかりますが、外壁の表面温度の上昇を防ぐ効果が期待できます。

窯業系サイディング施工方法別の費用

窯業系サイディングの主な施工方法には「張り替え」と「カバー工法」の2種類があります。一般的な30坪の住宅での外壁面積約119平方メートルにかかる費用は以下のとおりです。

  費用
張り替え 180万円〜220万円
カバー工法 150万円〜200万円

張り替えは最初に外壁材を撤去して新しい窯業系サイディングを張るので、解体作業費と古い外壁材の廃棄費用がかかります。

カバー工法は解体作業費がかからないため、コストを抑えられるのがメリットです。既存の外壁材の上に窯業系サイディングを張るので重量が増し、耐震性が下がる点に注意です。

窯業系サイディングのメンテナンス費用

窯業系サイディングのメンテナンス費用は、10年ごとに15〜25万円前後かかります。目地やすき間を埋めるためのコーキングの打ち換えが必要になるからです。

メンテンナンスは7年〜10年ごとに行えば問題ありませんが、それよりも前にコーキングの打ち換えや打ち増しを行わなければならないこともあります。それぞれの費用相場は以下のとおりです。

  1平方メートルあたりの費用
打ち換え 900円〜1,500円
打ち増し 700円〜1,200円

窯業系サイディングのメリット5つ

窯業系サイディングは金属系や木質系と比較して多くのメリットがあります。特筆すべきなのは以下の5つのメリットです。

窯業系サイディングのメリット5つ

高い耐震性

窯業系サイディングの大きなメリットの1つは高い耐震性です。窯業系サイディングは、密度が高く硬質なのが特徴の一つ。軽量なので建物にかかる負担を最小限に抑えられます。

窯業系サイディングを金具で固定する金具留め工法で施工すれば、地震による建物のひずみを逃す効果も期待できます。

高い耐火性

窯業系サイディングは防火外壁材といわれるほど耐火性が高く、外壁材の防火構造や1時間準耐火構造の国土交通大臣認定を取得しています。

火災による火熱を遮る時間が45分から60分程度の製品がよく用いられているので、被害を最小限にとどめられるのがメリット。隣家で火災が発生しても、逃げる時間を確保できる可能性があります。

豊富なデザイン

窯業系サイディングは、多くのメーカーが販売しているのでデザインや色が非常に豊富という特徴もあります。選択肢が広く、自分好みの外壁にできるのが支持を集めている理由の一つ。人気のデザインは以下のような窯業系サイディングです。

  • タイル・レンガ調
  • ライン調
  • 石積柄
  • タイル柄
  • 塗り壁調

素朴なイメージを与える塗り壁調やナチュラルさを演出する木目調などが高い人気を誇っています。

工期の短さと高いコストパフォーマンス

窯業系サイディングの基本的な施工方法は、サイディングボードを必要な大きさにカットし、外壁に貼り付けるだけ。専門的な技術を持った職人を雇う必要がないので、人件費も抑えられます。

サイディングボード自体が低価格であることに加え、工期が短くコストパフォーマンスに優れているのもうれしいポイント。カバー工法の場合、天候が良ければ2週間程度、張り替えの場合も3週間程度で施工が終わります。

施工のしやすさ

窯業系サイディングは、外壁に貼り付けていくだけで施工ができる簡単さも魅力の一つです。外壁の一部や低いところであればDIYで施工してしまう方もいるほど。施工費用の節約にもなります。

外壁すべてをDIYで行うのはかなり大変なので、業者に任せた方がいいでしょう。また高所での作業は細心の注意を払って行うべきです。

窯業系サイディングのデメリット3つ

窯業系サイディングは多くのメリットがありますが、デメリットについても知っておく必要があります。窯業系サイディングのデメリットとして挙げられるのは、次の3つです。

窯業系サイディングのデメリット3つ

防水性がない

窯業系サイディングのデメリットは、防水性がない点です。窯業系サイディングは原材料の約8割がセメントなので、製品自体には防水性を期待できません。防水性は塗料によって保たれているので、塗料が剥げてしまうと防水性が極端に落ちます。

色の濃い窯業系サイディングの場合、熱が蓄積されて表面の塗膜が剥がれやすくなる恐れがあるので、メンテナンスが重要なポイント。断熱効果のある塗料を使うのも一つの手です。

定期的なメンテナンスが必要

窯業系サイディングは、他の外壁材と同様定期的なメンテナンスが必要です。コーキングの打ち換えや打ち増しを7年〜10年ごとに行わなければなりません。

窯業系サイディングの他に、塗装のメンテナンスも必須です。安価なアクリル系塗料の場合、5年程度で塗り替えが必要になるケースも。塗装が剥げると窯業系サイディングが腐食する恐れもあるので注意しましょう。

メーカーによる品質差の大きさ

窯業系サイディングは、多くのメーカーが販売しているので、メーカーによる品質の差があります。似たようなデザインの窯業系サイディングでも、耐久性や耐震性が大きく異なるかもしれません。製品を選ぶ際には、材質や耐久性、口コミなどをチェックして慎重に検討することが重要です。

窯業系サイディングと他の製品の比較

外壁材には窯業系サイディングの他にも、金属系や木質系、樹脂製のサイディングがあります。それぞれの製品の特徴の違いは以下のとおりです。

  デザインの豊富さ 耐震性 耐久性 耐火性 メンテナンス頻度 1平方メートルあたりの単価
窯業系サイディング 7〜10年 3,000円〜6,000円
金属系サイディング 10〜15年 4,000円〜7,000円
木質系サイディング 7〜10年 6,000円〜9,000円
樹脂系サイディング 10〜20年 7,000円〜10,000円

窯業系サイディングの施工費用を抑えるポイント4つ

窯業系サイディングはそもそもコストパフォーマンスが高い優れた製品ですが、ちょっとした工夫で施工費用をさらに抑えられます。施工費用を抑えるポイントは以下の4つです。

窯業系サイディングの施工費用を抑えるポイント4つ

相見積もりを取る

相見積もりとは、複数の業者に同じ条件で見積もりを依頼することで、適正価格を把握するのに役立ちます。極端に高い業者や極端に安い業者は避け、信頼できる見積もりを出してきた業者を選ぶのがポイントです。特別な事情がない限り、1社だけで見積もりを取って決めてしまうことがないようにしましょう。

補助金や火災保険の有無を確認する

外壁工事は、国や自治体の補助金を受けられることがあります。災害によって外壁が破損しているのであれば、火災保険が適用されるケースもあるので、業者に確認しましょう。補助金や火災保険についてきちんと説明してくれる業者は、信用できる可能性が高いです。

自社施工しているか確認する

施工費用を抑える別のポイントは、自社施工しているかどうかです。下請けや孫請けに仕事を回している場合、仲介手数料によって施工費用が高額になっている可能性があります。自社施工している業者であれば、適正な価格設定であることが多いです。ハウスメーカーや代理店の中には下請けを雇っているところがあるので注意しましょう。

適正価格を提示する業者を選ぶ

外壁工事の費用を抑えたいのであれば、適正価格を提示する業者を選びましょう。相見積もりを取ると、どうしても一番安い見積もりの業者に頼みたくなるもの。しかし相場よりも明らかに安い価格を提示する施工業者は要注意です。

窯業系サイディングの材料費やコーキングの費用、施工の費用はどの業者もほとんど変わりません。明らかに安いのであれば、粗悪な製品を使ったり手抜き工事をしたりする恐れがあります。適正価格を提示する業者の中から、信頼できると感じた相手を選びましょう。

窯業系サイディングでメンテナンスが必要な兆候

窯業系サイディングは約10年ごとにメンテナンスが必要ですが、その前に修理すべき兆候が表れることもあります。たとえば以下のような状態が見られたら、清掃やメンテナンスを行いましょう。

  • 鳥のフンやカビなどの汚れがある
  • 藻が生えている
  • 地震後サイディングにヒビが入っている
  • コーキングに剥離やヒビが見られる

局所的な汚れの場合は、柔らかい雑巾やブラシと中性洗剤を使って汚れを取り、その後水洗いします。ホースを使って水をかけるときは、漏水を避けるため、必ずサイディングの上から下に向けて散水しましょう。

より広範囲の汚れや塗装の剥がれが生じているのであれば、業者に修理を依頼するのがベストです。

まとめ

窯業系サイディングは低コストでデザイン性に優れた外壁材です。耐震性や耐火性、耐久性に優れているので、外壁リフォームを考えているのであれば、使うことを検討するとよいでしょう。施工業者を慎重に選べば、満足できる仕上がりになるはずです。

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監修者のコメント
 SD住宅相談室
花沢 雅樹

宮城県の一級建築士事務所。建築物について調査・リフォーム設計・コンサルティングを行う。耐震性能、省エネ性能、劣化のしにくさ、維持管理のしやすさの観点にて、計画をされている設計内容を、図面や見積書のチェックなど、第三者視点にて中立な立場でアドバイスを行う。

窯業系サイディングを選ぶ際は、デザインや価格のほか材料の厚さや耐久性などを確認する必要があります。サイディングは厚さ14mm〜18mmから選びます。

14mmのサイディングは重量が軽いためリフォームでの重ね張り(カバー工法)には良いですが、一般的に施工は表面からの釘留めのため、地震などで釘部分が割れたりする場合があり釘穴から雨水が侵入するなどのリスクがあります。

一方、18mmのサイディングが重量がありますので、重ね張りをするときは既存の外壁が新しいサイディングの荷重に耐えられるか確認が必要です。18mmのサイディングは価格が高くなりますがエンボス加工が深いためデザイン性が高く、塗装が高耐久のものが多いです。

デザイン性・耐震性・防水性・施工性などを総合的に考えると16mmのサイディングを選択肢の基準として考えることをおすすめします。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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