サイディングの種類と費用相場
サイディングは、外壁材のなかでも9割近くのシェアを占めているほど人気の外壁材です。サイディングが人気なのは、一つに価格がリーズナブルなことが挙げられるでしょう。 ただ、サイディングにもさまざまな種類があって、メーカーや材質によって価格にはかなり差があります。外壁のリフォームには多額の費用がかかるものですから、なるべくお得な方法が選べるように、サイディングの基本知識をしっかり身につけておきましょう。
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サイディングとは
サイディングとは、建物の外壁に用いられる外壁材のことです。金属製やセメント製などいろいろな種類があります。外壁は施工方法で大きく分けると乾式と湿式があり、サイディングは乾式の方法で貼り付ける外壁材です。
外壁工事では、工場で事前に成型したサイディングボードという板を使います。サイディングボードは壁の面積に合わせてカットできる特徴があるため、ボードを好きな大きさに貼り合わせることが可能です。ボードとボードのつなぎ目を埋めると、単なるボードの貼り合わせのように見えても、剥がれや雨漏りに強い外壁になります。
サイディングの特徴
サイディングの特徴には、工事にかかる費用を安く抑えられる点が挙げられます。一般住宅の多くにサイディングが使われているのも、これが大きな理由です。
ただ、単に費用が安いだけで選ばれているわけではなく、優れた耐火性と耐候性、豊富なデザイン、どのボードも安定した品質を保っていることなど他にもメリットとなる特徴があるため、ここまで普及したと考えられます。
昔の住宅の外壁と言えば、モルタルが一般的でした。しかし、モルタル壁は塗り壁ですので、一つ一つ職人の手作業によって仕上げる必要があり、そのため、完成までに時間がかかったのがネックです。また、モルタル壁は経年劣化によって表面にひび割れが発生しやすいというデメリットもあります。モルタル壁というと学校の校舎などが思い浮かびますが、校舎の外壁にはよくひび割れが入っていなかったでしょうか。モルタル壁を採用すると、あのように経年劣化で大きくひび割れることがあります。
サイディングは、モルタル壁のそういったデメリットを克服した点が優れています。ボードを貼り合わせるだけなので、高い技術力がなくても施工できるうえ、施行にかかる時間もモルタル壁より大幅に短くなりました。それでいて、耐火性や耐候性に優れているため、モルタル壁よりも経年劣化に強くなっています。
サイディングの種類
サイディングには、窯業系サイディング、金属系サイディング、さらに、樹脂系サイディングと木質系サイディングの大きく分けて4つの種類があります。それぞれの材質ごとに異なる特徴を持っているので、それらの違いを理解しておくことが大切です。
窯業系サイディング
窯業系サイディングは、セメント質、繊維質、およびそれらの混合材によって作られたサイディングボードです。最近建てられた一般住宅の多くが、外壁に窯業系サイディングを採用しています。
多様なデザインが可能で、家の外観をおしゃれに仕上げることができるということも人気の理由でしょう。レンガ調やタイル調、石積みのように見えるものなどさまざまです。また、デザインだけでなく、セメント質を使って成型、養生硬化されるため、衝撃に強いという利点もあります。耐火性もあるため、地震が起きた時にも被害を抑えるのに有効です。
金属系サイディング
金属系サイディングとは、その名の通り、金属の板を使用したサイディングボードのことです。おもにガルバリウム、ステンレス、アルミニウムなどの金属が基板となっています。元が金属ですから水分を吸わず、浸水の心配がありません。耐候性も高いため、寒冷地でよく利用されています。窯業系サイディングよりも丈夫で、あまりメンテナンスしなくても長期間劣化しないのもメリットです。
金属が材料と聞くと、無機質な壁をイメージしてしまうかもしれませんが、最近の金属系サイディングは技術の発展により、バラエティーに富んだデザインがあります。窯業系サイディングと同じように、レンガ調やタイル調のボードも見られるようになりました。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングとは、塩化ビニル樹脂を使ったサイディングです。国内ではそれほどシェアは高くないですが、アメリカの住宅では全体の半数以上で樹脂系サイディングが選ばれています。
樹脂系サイディングのメリットは、劣化に強く耐候性に優れており、凍害や塩害などにも強いことです。シーリングを使っていないため、目地を補修する必要がないのもメリットに数えられます。また、薄く軽く全体的に設計されており、窯業系サイディングと比べると、わずか10分の1程度の重量です。そのため、遮音性は若干劣りますが、建物にかかる負担を軽減するのに役立ちます。
木質系サイディング
木質系サイディングとは、材料に木を使ったサイディングのことです。天然の木材に塗装して外壁材に仕上げています。天然の木を使った家にこだわりを持つ人も増えていますが、そういうニーズに木質系サイディングは応えています。実際、木質系サイディングで統一された外壁の見た目はまさに天然木という感じで、自然な印象を与えるのがメリットです。
ただし、木である以上、水分に弱いというデメリットは避けられません。水分を含んだまま放置すると、塗装が剥げ、木が腐食してしまうこともあります。長持ちさせるならこまめに塗装するなどして、メンテナンスに気を使わなければなりません。
他の種類のサイディングよりメンテナンスが必要ですが、木のぬくもりが感じられるおしゃれな外壁をお求めならおすすめです。
サイディングの耐用年数
サイディングの種類ごとに耐用年数に違いがあります。経年劣化に強い種類でも、何もしなくて永久に品質を保つことはなく、必要に応じてメンテナンスを施さなければなりません。
たとえば窯業系サイディングの場合、セメント質や繊維質、または両者の混合材によって作られているため、材料の性質上、吸水性があります。そのため、そのままでは雨水が染み込んでしまうので、塗装して表面を塗膜で覆う必要があります。
サイディング自体の耐用年数はどれも長いです。他の種類に比べて経年劣化に弱い木質系サイディングでも15〜30年、それ以外はどれも20〜30年と長い耐用年数を誇ります。ただし、サイディング自体は経年劣化に強くても、塗装自体が時間の経過とともに劣化してしまうので、定期的に再塗装や修繕が必要です。
塗装の耐用年数は7〜8年とされています。塗膜が劣化すると、サイディングボードのつなぎ目のシーリングが剥がれてきたり、ボードそのものが反ったり剥がれたりすることがあります。また、壁に触れた時に手に白い粉が付くチョーキングと呼ばれる現象も劣化のサインです。
塗装に以上のような兆候が表れた時は、塗膜の持つ防水などの機能が失われていることを意味します。そうなる前に定期的なメンテナンスが必要です。
サイディングのメリット
サイディングにはさまざまなメリットがあるとお伝えしてきましたが、より具体的にどのようなメリットが期待できるかを確認しておきましょう。
高いデザイン性
サイディングにはいろいろな種類があり、どれもたくさんのデザインがありますが、特に高いデザイン性を持つのが窯業系サイディングです。デザインだけでなくカラーバリエーションも豊富ですので、お好みのイメージに合わせて外壁を仕上げることができるでしょう。
かつては金属系サイディングは選べるデザインが少ないと言われていましたが、上でも述べたように、今ではバラエティー豊富なラインナップが登場しています。また、木質系サイディングは天然の木材の独特な風合いを出すのにぴったりです。
リーズナブル
他の外壁材よりも、サイディングは全体的に価格が安いのが特徴です。特にリーズナブルなのが窯業系サイディングで、なるべく費用を抑えたい時によく選ばれています。サイディングのシェアが全体の9割近くにもなっているのは、ひとえに価格の安さが理由でしょう。
ただし、木質系サイディングは天然の木材が材料ですので、材料費が高いうえ、施工にもお金がかかるので、他の外壁材と比べて特にリーズナブルというわけではありません。そのため、窯業系サイディング、金属系サイディングと比べて少ないのでしょう。
施工が早い
サイディングの外壁はサイディングボードを貼り合わせて施工します。モルタル壁のように全体を塗り込んでいく方法と比べて施工が簡単ですので、短い工期で完成します。工期が短くなるということは、それに応じて人件費も安くなるため、建築費自体の節約にもつながるでしょう。
高い防火性
他の外壁材と比べて、サイディングは高い防火性を持っています。特に、金属系サイディングと窯業系サイディングの防火性は高いです。それも多くの住宅にこれらのサイディングが使用されている理由でしょう。
ただし、同じサイディングでも、木質系サイディングは天然の木材が材料ですので、他の種類に比べて火に弱いのが弱点です。
サイディングのデメリット
さまざまなメリットがあるサイディングですが、いくつかデメリットとなり得る点も存在します。なかでも注意しておくべきデメリットを確認しておきましょう。
メンテナンスに費用がかかる
リーズナブルなのがサイディングのメリットとお伝えしましたが、メンテナンスにはある程度の費用がかかります。サイディング自体の耐用年数は上でも述べたように20〜30年と長いのですが、その表面の塗装の耐用年数は7〜8年と短いため、その頻度で定期的にメンテナンスしなければならないのです。
また、塗装が劣化してしまってからでは補修が必要になるケースが多いです。耐用年数の長いサイディングでも、状況次第ではメンテナンスに多額の費用がかかるため、他の外壁材と比べて特にリーズナブルと感じないこともあり得ることは覚えておきましょう。
つなぎ目の存在
サイディングはボードとボードを貼り合わせて外壁を作る壁材です。そのため、ボードのつなぎ目が必ずできます。なかでも窯業系サイディングおよび金属系サイディングは、ボード間のつなぎ目が目立ちやすいです。
ただ、タイル調のデザインなど、つなぎ目をデザインの一部として活用する方法もあるので、つなぎ目が目立つからといって美観を損なうとは限りません。それでもどうしてもつなぎ目をなくしたいなら、モルタル壁などを選ぶしかないでしょう。
防水性は高くない
金属系サイディングは例外として、それ以外のサイディングは基本的に水分に弱いです。そのため、サイディングを外壁材に選ぶ場合は、塗装などによって防水機能を加えなければなりません。ただ、塗装してもモルタル壁などと比べると防水性は高くないため、雨の多い地方などではそもそも外壁に向いていないこともあります。
サイディングの費用相場
サイディングの種類によって費用は異なりますが、大雑把にまとめるなら30坪の一戸建てでサイディングを貼り替える場合、150〜270万円が全体の費用の相場です。サイディングの種類ごとに違いを見てみましょう。
窯業系サイディングの費用相場
窯業系サイディングで貼り替える場合、単価は1平方メートル当たり1.6〜2.3万円です。坪単価に直すと5.3〜7.6万円ですので、30坪の住宅なら160〜230万円が全体の費用相場になります。
金属系サイディングの費用相場
金属系サイディングで貼り替える場合、1平方メートル当たりの単価は1.5〜2.2万円です。坪単価が5.0〜7.3万円となるため、30坪の住宅の場合、150〜220万円が費用相場になります。
樹脂系サイディングの費用相場
樹脂系サイディングで貼り替える場合、1平方メートル当たり2.0〜2.7万円、坪単価は6.6〜9.0万円ですので、30坪の住宅なら全体で200〜270万円が費用になるでしょう。
木質系サイディングの費用相場
木質系サイディングで貼り替える場合、1平方メートル当たりの単価は1.7〜2.4万円です。坪単価が5.6〜8.0万円になるため、30坪の住宅の場合、170〜240万円が全体の費用相場となるでしょう。
材料費だけでないサイディング貼り替えの費用項目
上でサイディングの貼り替えにかかる費用相場をお伝えしましたが、これらの金額はすべての項目を含んだ数字です。単にサイディングボード代というだけなら、30坪の住宅で50〜110万円程度に収まるでしょう。ただ、これは材料費のみの金額ですので、これに加えて足場代、古い外壁の撤去費、施工費、交通費などが発生することを忘れないでください。
実際の費用がいくらになるかは、業者によって大きく異なることもあります。依頼前に正確な見積もりを提示してもらい、その内訳に疑問がないことを確認しましょう。もし気になるところがあれば、その場で確認することが大切です。
まとめ
リーズナブルで軽量、デザインの種類も豊富ということで、サイディングは現在、住宅の外壁材の主流になっています。耐用年数も長いですが、塗装などのメンテナンスが必要なことには注意しておきましょう。
メンテナンスの頻度によっては、リーズナブルなはずのサイディングが他の外壁材よりかえって高くつくこともあります。業者選びの際は、アフターフォローについても確認しておきましょう。
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塗装ができないと張り替えになりますので大きく費用がかかります。窯業系サイディングは塗装がなくなると水が浸み込み凍害(サイディングが欠損します)が起こりやすいですが、金属系サイディングは水が浸み込まないため寒冷地に適しています。
樹脂系サイディングは防火性能がありませんので、裏側に石膏ボードを張るなど追加工事が必要です。木質系サイディングはメンテナンスに少し手間がかかりますが、店舗の入り口廻りなどの雰囲気作りには良いかと思います。
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