畳をフローリングに張り替える際の費用はどのくらい?注意すべき点を解説

住宅設備建材プランナー
監修者
最終更新日:2023年04月04日
畳をフローリングに張り替える際の費用はどのくらい?注意すべき点を解説
この記事で解決できるお悩み
  • 畳をフローリングにする費用はいくら?
  • 畳をフローリングにする方法は?
  • 畳をフローリングにする際の注意点は?

畳をフローリングにリフォームする方は少なくありませんが、どの程度の費用がかかるのかあらかじめ知っておくことは非常に重要です。畳をフローリングに張り替える費用は、フローリング材によって変動します。

この記事では、フローリングに張り替える際の費用相場やリフォームで注意すべき点がわかります。これから畳をフローリングにしようと思っている方はぜひ参考にしてください。

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畳をフローリングにリフォームする費用相場

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畳をフローリングにリフォームする費用相場は、フローリング材によって変動します。主なフローリング材の種類は、以下3種類です。

  • 複合フローリング
  • 無垢フローリング
  • ウッドカーペット

それぞれのフローリング材によって特徴やメリットが異なるため、どれを使用するか慎重に検討しなければなりません。フローリング材ごとの費用相場を紹介します。

4畳半の複合フローリングは約10万円

4畳半の畳を複合フローリングにする場合、費用は10万円前後です。複合フローリングとは、複数枚の板を張り合わせた合板の表面に、化粧板や化粧シートを貼り付けて仕上げたフローリング材のことです。

床材の品質が安定しており反りや割れが生じにくいため、どのような床でも施工しやすいのがメリットです。

複合フローリングは比較的安価であるため費用を抑えやすいですが、木の温もりをやや感じにくく、傷つけると中の合板が見えてしまい床材ごと交換しなければならないデメリットがあります。畳の張り替え費用を抑えたい方、床の質感を気にしない方におすすめです。

4畳半の無垢フローリングは約13万円

畳を無垢フローリングに張り替える場合、4畳半の部屋であれば費用は13万円前後です。複合フローリングよりもやや高くなりますが、木の温もりを感じられ、部屋の湿度を調節してくれるメリットがあります。

無垢フローリングは木の性質上、空気を多く含んでおり、冬でも暖かさを保つ点も利点です。

無垢フローリングは複合フローリングと比べて費用が高額になりがちです。傷つきやすく、水に弱い性質があり、施工段階で適切な処理を施されていないと伸縮や膨張、反りが起こる点がデメリットです。

4畳半のウッドカーペットは約8万円

ウッドカーペットを使用する場合、4畳半の部屋の張り替え費用は8万円前後です。畳からフローリングへの張り替え費用を抑えたい方におすすめです。床に敷くだけで床材を守ることができ、原状回復が簡単に行えるのが大きなメリットです。

ウッドカーペットを使えば気軽にフローリングの雰囲気を味わえますが、床や畳の通気性が非常に悪くなるため、湿気の多いところではカビが発生するおそれがあります。

家具をすべて移動し、適切な形に切って使用しなければならず、作業にかなりの時間がかかる点も覚えておきましょう。

畳をフローリングにするリフォーム方法

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畳をフローリングに張り替えるリフォームは、単に畳を剥がしてフローリング材を張るだけの作業ではありません。畳をフローリングにするリフォームは、以下の3つの工程で行われます。

  1. 畳の撤去・処分
  2. ライン出し・下地貼り
  3. フローリング貼り

1. 畳の撤去・処分

最初の工程は、既存の畳を撤去・処分することです。壁や廊下に傷がつかないよう、動線になる部分に養生を施します。畳を撤去し、産業廃棄物として処分しなければなりません。

畳の処分方法は、自治体によってルールが異なります。細かく分解できれば家庭ごみとして出すことも可能です。処理施設に持ち込む場合には張り替え費用のほかに追加料金がかかることもあります。

2. ライン出し・下地貼り

畳を剥がした後にはライン出しと下地貼りの作業が行われます。

40〜50mmの厚みがある畳に対し、フローリング材の厚みは約12mm程度、クッションフロアにいたっては数mm程度の厚みしかありません。そのまま床材を貼ってしまうと、廊下や他の部屋との間に段差ができてしまいます。

廊下との段差をなくすため、リフォームの際に下地を作って周りとの高さを調整するのが一般的です。水平器を使ってライン出しを行い、木材を張って下地を作ります。畳の下に断熱材がない場合には、断熱材を充填してから下地を張るため費用が高額になるでしょう。

3. フローリング貼り

下地を張った後は、フローリング材を張っていきます。複合フローリング・無垢フローリングであればビスとボンド、クッションフロアであればボンドを使って施工しなければなりません。

場合によっては、和室で使われることの少ない「巾木(はばき)」を追加で取り付けることもあります。壁と床の境目に巾木を取り付けることによって、家具の設置や掃除機の利用で壁が傷つくことを防げます。

畳をフローリングにするメリット3つ

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畳をフローリングにするリフォームがよく行われるのは、いくつかのメリットがあるためです。畳をフローリングに張り替えるリフォームには以下のメリットがあります。

  1. 掃除がしやすくなる
  2. 段差が減りバリアフリー化できる
  3. カビの発生を防ぎやすい

1. 掃除がしやすくなる

畳をフローリングに張り替えるメリットの1つは、掃除がしやすくなる点です。畳を掃除するためには、掃き掃除や拭き掃除が必要です。汚れを放置しておくと畳に染み込んでしまい落ちにくくなります。

フローリングであれば、さっと拭き取るだけで簡単に掃除ができるのが大きなメリットです。汚れが染み込むことはなく、定期的な掃除によってカビやダニの発生を防ぐこともできます。

2. 段差が減りバリアフリー化できる

畳をフローリングにすることで、廊下や他の部屋との段差をなくしてバリアフリー化できます。高齢者の方が畳の縁に躓いて転倒する事故も多発しているため、段差を少なくして転倒のリスクを抑えるのにフローリングは効果的です。

フローリングでは、介護ベッドの設置が容易に行える点もメリットの1つです。畳では移動しにくい車いすも、フローリングであれば楽に移動できます。

3. カビの発生を防ぎやすい

畳をフローリングに張り替えると、カビの発生を防ぎやすくなるメリットがあります。畳は吸湿性にとても優れており、湿度の高い日でも快適に過ごせる素材です。

一方、水分を吸収しすぎてカビが発生しやすいのが難点です。定期的に掃除しないとアレルギーの原因となります。

フローリングは簡単に掃除ができるため、カビが発生してもすぐに取り除くことが可能です。無垢フローリングは比較的吸湿性が高いため、湿度の高い地域・部屋では複合フローリングを使用するのがおすすめです。

畳をフローリングにするデメリット2つ

畳をフローリングにすることにはメリットがありますが、デメリットも把握しておくことは重要です。フローリングには以下の2つのデメリットがあります。

  1. 冷えが伝わりやすい
  2. 防音性能が下がるおそれがある

1. 冷えが伝わりやすい

フローリングは畳と比べて冷えが伝わりやすいデメリットがあります。畳は繊維の間に空気を多く含んでいるため、空気の層ができて保温効果を発揮します。フローリングは床下からの冷気や暖気をじかに伝えてしまいます。

フローリングの冷えを防止するためには、床下に断熱材を入れるのが効果的です。複合フローリングを使用している場合には、床暖房の導入も検討できます。

2. 防音性能が下がるおそれがある

フローリングの床は防音性能が高くありません。畳は音や衝撃を吸収する効果があるため、一軒家だけではなくマンションでよく用いられます。

フローリングは畳と比べて薄く、音が響くため防音性能が下がるのが一般的です。とくに上下に部屋があるマンションでは、畳をフローリングに張り替えるリフォームは認められないことがあるため注意が必要です。

畳からフローリングへリフォームする際の注意点4つ

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畳をフローリングに張り替えるリフォームを行う際には、注意すべき点がいくつかあります。とくに以下の4つのポイントには注意が必要です。

  1. 賃貸物件ではリフォームの範囲に注意
  2. 目的別に使用する材料を選ぶべき
  3. 無垢フローリングは特に施工会社の選定が重要
  4. フローリング材は畳を傷めるおそれがある

1. 賃貸物件ではリフォームの範囲に注意

賃貸物件に住んでいる方の場合、リフォームできる範囲に注意しなければなりません。アパートやマンションには規約があり、そもそもリフォームできない決まりになっている物件も多くあります。

部分的なリフォームを認めている物件もありますが、原状回復できることが必須条件です。畳を剥がしてフローリングに張り替えるリフォームは、原状回復が極めて難しいため、リフォームしても問題ないのか管理会社に確認しましょう。

2. 目的別に使用する材料を選ぶべき

畳をフローリングに張り替えるリフォームでは、目的によって使用する材料を選ぶべきです。木の温もりを感じたい、畳ほどではなくても吸湿性を求める場合には、無垢フローリングを使用するのがいいでしょう。

夏の暑さ、冬の寒さを軽減することを主な目的とするリフォームでは、複合フローリングを使用するのがおすすめです。

複合フローリング材の下に断熱材や床暖房を設置することで、快適な室温を保てます。リフォームできない賃貸物件でフローリングの雰囲気を味わいたいケースでは、ウッドカーペットを使用できるでしょう。

3. 無垢フローリングは特に施工会社の選定が重要

畳を無垢フローリングに張り替える場合、施工会社の選択は慎重に行わなければなりません。自然木を使う無垢フローリングは1枚ごとの色や木目が異なり、自然な仕上がりにするためには高い技術が必要です。

気温・湿度の影響を受けて膨張・収縮する無垢フローリングは、性質に合わせた施工を行うことが重要です。無垢フローリングを使ったリフォームを希望するのであれば、扱いに慣れている施工会社に依頼することが特に重要なポイントです。

4. フローリング材は畳を傷めるおそれがある

畳の上にフローリング材を直接張る方法を選択する場合、畳を傷めるおそれがあることを覚えておかなければなりません。DIYでリフォーム費用を抑えたい方は、畳の上にフローリング材を張ることが可能です。雰囲気を味わう目的で試験的にフローリング材を張る人もいます。

畳の上からフローリング材を敷き詰めることによって内部に湿気がこもり、畳を痛めてしまうのがデメリットです。将来的に畳をフローリングに張り替えることを検討しているのであれば、最初からリフォームする方がいいでしょう。

畳以外のリフォームにかかる費用3選

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畳をフローリングに張り替えるリフォームを行う際に、他の部屋や場所をリフォームして家全体の雰囲気をガラっと変えることも可能です。畳以外を洋室風にリフォームするとどの程度の費用がかかるのか紹介します。

天井・壁のリフォームは10万円〜20万円

天井や壁のリフォームは、和室が6畳から8畳の場合、10万円から20万円の費用がかかります。天井と壁の隙間に「廻り縁(まわりぶち)」を取り付ける費用が含まれているかどうかは、施工業者に確認しましょう。

床の間や欄間(らんま)を撤去したい、板張りの天井を洋風にしたい、リフォームのついでに防音・断熱効果を高めたいなどの要望がある場合は別途料金がかかります。複数社から相見積もりを取って費用の内訳を細かく比較検討することがポイントです。

天井リフォームの詳細をさらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

押入れをクローゼットにするリフォームは10万円〜20万円

和室の押し入れをクローゼットにするリフォームは、10万円から20万円で行えます。

和室を洋室にリフォームする際、押入れをクローゼットやウォークインクローゼットに変えて有効利用することが可能です。基本的には襖を撤去して扉を取り付け、内部に棚やパイプを取り付ける工事が行われます。

内部に湿気がこもって結露しやすい場合には、湿気対策のために別途工事が必要なこともあります。費用を抑えるために襖に洋風のクロスを貼って再利用する、襖をロールカーテンと入れ替えるなどの方法を採用するケースもあります。

襖を洋室建具にするリフォーム5万円〜20万円

襖を洋室建具にするリフォームには、通常5万円から20万円の費用がかかります。建具の大きさや種類、業者が対応できる範囲に応じて値段が異なる点に注意が必要です。

廊下や隣室との段差を調節する工事が必要な場合、リフォームの費用が高額になるのが一般的です。障子・襖を洋風の引き戸に変更するリフォームであれば、工事が比較的簡単であるため、費用を抑えながら洋室風にリフォームしたい方におすすめです。

まとめ

畳をフローリングに張り替えるリフォームの費用は、使用するフローリング材によって変動するのが特徴です。無垢フローリングがもっとも費用が高く、複合フローリング、ウッドカーペットの順に費用が安くなります。

目的に合ったフローリング材を選び、適切な業者選びをすることで、満足のいくリフォームができるでしょう。

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監修者のコメント
住宅設備建材プランナー
山崎 正人

総合住宅設備建材メーカーでの24年の営業経験、2000棟以上の現場に携わった経験を生かして、MY SQUAREを設立。住宅設備建材プランナーという新しい切り口で、家づくり・リフォームに関わるすべての人へ、最適な提案を行う。法人企業へ、住宅設備関連のコンサルティングやアドバイザリー業務、個人の方へは家づくり、リフォーム相談、住宅設備(浴室、キッチンなど)の選び方などのサポートも行う。

畳からフローリングへリフォームする理由としては、子供の成長・ライフスタイルの変化などが挙げられますが、費用だけではなく納まり(仕上げ)や使用用途も考えた上でリフォームすることをお勧めします。

例えば納まりについて、前述にもあるように畳の厚さ分を下地で調整しなければならないのはもちろんですが、廊下や他の部屋との段差についてもどのように仕上がるのかを確認しておく必要がありますし、襖やドアなどの敷居や下枠がある場合は、撤去して新しい建具に交換するケースもあります。

使用用途で多いのは、テレワークスペースや子供部屋ですが、単純に畳からフローリングにしただけの工事では、使い勝手が悪くなってしまうこともあります。机を置いたけど、WiFi環境が悪くコンセントも近くにない。

そんな理由で追加工事など発生してはもったいないです。リフォームする前に、畳からフローリングに変えてどのように使いたいか、どのような暮らし方をしたいか打ち合わせの際に必ず伝えましょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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