商標登録にかかる費用はどれくらい?具体的な料金体系例や費用を抑えるコツも解説

最終更新日:2025年03月07日
商標登録にかかる費用はどれくらい?具体的な料金体系例や費用を抑えるコツも解説
この記事で解決できるお悩み
  • 商標登録にかかる費用は?
  • 商標登録の費用を抑える方法は?
  • 弁護士への依頼にかかる料金体系が知りたい?

商標登録にかかる費用の相場は、自分で行った場合、3万~8万円かかります。弁護士に依頼した場合の費用相場は、4万~30万円です。弁護士に依頼する場合、事務所によっても大きく変動するため注意してください。

この記事では、商標登録にかかる費用の具体的な金額や、費用を抑える方法を解説します。

最後まで読めば、商標登録を自分で行う場合と弁護士に依頼する場合のメリット・デメリットもそれぞれ把握できるでしょう。商標登録を行いたい方や、できるだけ費用を抑えたい方は、ぜひ参考にしてください。

商標登録の依頼にお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • どの弁理士に依頼したらいいかわからない
  • 見積もり金額を安く抑えたい
  • 継続的に費用が発生するのか知りたい

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の弁理士に一括で見積もりができ、相場感や各弁理士の特色を把握したうえで業者を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

商標登録に対応できる業者を一覧から探す

商標登録に必要な費用

pixta_85542869_M

商標登録には以下の費用が必要です。費用は特許印紙で支払います。

新規出願 出願料・商標登録料
更新時 更新登録料
その他費用 電子化手数料・異議申立費用・再審請求費用・弁理士費用など

特許庁の手続料金計算システムを使うと、費用をシミュレーションできます。

改正特許法等施行に伴う手数料改定

2022年4月1日に「特許法等の一部を改正する法律」及び「特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令」が施行されました。この記事では、改定後の商標登録料・更新登録料・電子化手数料を記載しています。

1. 出願料:3,400円+(8,600円×区分数)

出願料は、商標登録を出願したときに特許庁へ支払う費用です。費用は以下の計算式で算出します。

  • 3,400円+(8,600円×区分数)

「区分」とは、登録する商標がどの種類の商品・サービスに該当するかを示すものです。区分の数が増えるごとに、8,600円ずつ出願料が加算されます。選択できる区分は全部で45種類です。多くの場合、3区分あれば商品やサービスの性質を網羅できるでしょう。

キャラクターを商標登録したいときの費用は?

キャラクターの商標登録は、名称と絵柄(デザイン)それぞれに商標登録する方法と、名称と絵柄をセットで商標登録する方法にわけられます。名称や絵柄(デザイン)は、登録したい名称や絵柄の数だけ費用の支払いが必要です。

キャラクターを商品にしたい場合は、商品化しようとする区分すべてに登録しなければいけません。すべて登録すると莫大な費用が発生するため、専門家である弁理士への依頼がおすすめです。

2. 商標登録料:区分数×17,200円〜区分数×32,900円

商標登録の審査に通過した場合は、特許庁へ商標登録料の支払いが発生します。登録料は10年分一括か、5年ごとに分割納付かのどちらかを選択可能です。それぞれの支払い額を以下の表にまとめました。

一括支払い 区分数×32,900円
分納額 区分数×17,200円

3. 更新登録料:区分数×22,800円〜区分数×43,600円

商標登録の期間は10年です。商標登録期間を更新したい場合は、期間満了日の6カ月前から満了日までに更新登録料を支払う必要があります。

更新登録料も、商標登録料と同様に10年分一括か5年ごとに分割納付(分納)かを選択可能です。それぞれの支払額を以下の表にまとめました。

一括支払い 区分数×43,600円
分納額 区分数×22,800円

4. その他費用

出願書類を紙で提出した場合は、電子化手数料が必要です。出願審査に落ちたときの異議申立や再審請求にも費用がかかります。弁理士に手続きを依頼した場合は、特許庁へ支払う費用の他に弁理士費用も発生するため注意してください。

電子化手数料 2,400円+(800円×書面のページ数)
再審請求 15,000円+(区分数×40,000円)
異議申立て 3,000円+(区分数×8,000円)
弁理士費用 2万〜10万円

商標登録を自分で申請する場合の費用相場:3万〜8万円

pixta_46829558_M

自分で商標登録をする場合、1区分の選択は3万円弱、3区分の選択は約8万円で申請できます。商標登録の多くは、3区分申請すると商品やサービスの性質を網羅可能です。

区分数を増やすと、しっかりとした商標登録になる分費用も上がります。区分を減らすと費用が安く済む一方、審査で不利になる可能性もあるでしょう。申請する区分数は、費用対効果を考えて検討することが重要です。

商標登録を申請して、登録が完了するまでの費用相場を以下の表にまとめました。目安として、3区分までの費用を一覧にしています。

  出願費用 登録費用 合計額
区分数1 12,000円 17,200円 29,200円
区分数2 20,600円 34,400円 55,000円
区分数3 29,200円 51,600円 80,800円

紙で書類を提出した場合は、電子化手数料も加算されます。

商標登録を自分で申請する場合のメリットとデメリット

自分で商標登録する場合の、メリットやデメリットは以下のとおりです。

メリットデメリット
費用を抑えられる・手間も時間もかかる
・審査に通らない場合がある

それぞれを把握し、自分で申請するかどうか判断しましょう。

費用を抑えられる

自分で商標登録する場合のメリットは、費用を最小限に抑えられることです。登録したい商標が増えれば、商標の数だけ登録申請が発生します。

自分で商標登録をした場合、登録する商標が増えても1回あたりの費用を最小限に軽減可能です。費用を抑えることで、経費節減にもつながるでしょう。

手間も時間もかかる

商標登録を自分で行う場合、どのように申請を進めるのか把握する必要があります。手続きも簡単ではないため、手間も時間もかかるでしょう。

審査にとおらない場合がある

商標登録の手続きでは、商標や法律の知識が求められます。商標や法律に関する知識がないと、商標登録するメリットが認められず申請が却下される場合もあるでしょう。書類を改善しても、確実に審査を通過するとは限りません。

商標登録を弁理士に依頼する場合の費用相場:4万〜30万円

pixta_63594661_M

弁理士へ依頼する場合は、通常の費用に加えて2万円〜10万円の手数料が発生します。自分で商標登録した際の費用に2万〜10万円を加えた額が、弁理士に依頼する場合の費用相場です。

  出願費用 登録費用 弁理士費用 合計額
区分数1 12,000円 17,200円 20,000円〜
100,000円
49,200円~
129,200円
区分数2 20,600円 34,400円 20,000円〜
100,000円
75,500円〜
155,000円
区分数3 29,200円 51,600円 20,000円〜
100,000円
108,000円~
180,800円

商標登録を弁理士に依頼した場合のメリットとデメリット

弁理士に依頼する場合のメリットとデメリットも、それぞれ把握しておくことが大切です。

メリットデメリット
手続きをすべて任せられる費用が高額になる

メリットとデメリットの双方を知ることで、弁理士に依頼するかどうか比較検討ができます。

手続きをすべて任せられる

商標登録を特許事務所へ依頼するメリットは、難しい手続きをすべて任せられる点です。たとえば弁理士に依頼すると、以下の作業を一任できます。

  • 出願すべきサービスの選定
  • 商標調査
  • 商標登録の書類作成
  • 商標登録の手続き
  • 事後の権利更新

商標調査では、申請予定の名称がすでに商標登録されているかを確認します。商標検索サイトを使って自分でも調べられますが、最初から弁理士へ依頼する方がおすすめです。

費用が高額になる

弁理士に依頼するデメリットは、自分で商標登録をする場合と比べて費用が高額になることです。商標登録に関して、弁護士は豊富な知識と経験を有しているため、正確な手続きが期待できる反面、高い費用を支払う必要があります。

商標登録を弁理士に依頼する際の料金体系例

商標登録を弁理士に依頼する際の料金体系例を、2社ピックアップしました。ぜひ参考にしてください。

橋本商標特許事務所の料金体系

橋本商標特許事務所の画像

参照:橋本商標特許事務所

※出願費用(通常価格)

  印紙代 弁理士手数料 消費税 合計
1区分 12,000円 28,000円 2,800円 42,800円
2区分 20,600円 40,000円 4,000円 64,600円
3区分 29,200円 52,000円 5,200円 86,400円
4区分 37,800円 64,000円 6,400円 108,200円

※登録料全納(10年分)の場合

  登録料 弁理士手数料 消費税 合計
1区分 32,900円 24,000円 2,400円 59,300円
2区分 65,800円 24,000円 2,400円 92,200円
3区分 98,700円 24,000円 2,400円 125,100円
4区分 131,600円 24,000円 2,400円 158,000円

※登録費用分納(5年分)の場合

  登録料 弁理士手数料 消費税 合計
1区分 17,200円 24,000円 2,400円 43,600円
2区分 34,400円 24,000円 2,400円 60,800円
3区分 51,600円 24,000円 2,400円 78,000円
4区分 68,800円 24,000円 2,400円 95,200円

弁理士法人深見特許事務所の料金体系

弁理士法人深見特許事務所の画像

参照:弁理士法人深見特許事務所

※出願費用

  1区分 2区分 3区分 4区分以上(1区分追加毎の加算額)
当所費用 27,500円 38,500円 49,500円 11,000円
特許庁費用 12,000円 20,600円 29,200円 8,600円
合計 39,500円 59,100円 78,700円 19,600円

※登録費用

  1区分 2区分 3区分 4区分以上(1区分追加毎の加算額)
当所費用 33,300円 33,300円 33,300円 0円
特許庁費用 32,900円 65,800円 98,700円 32,900円
合計 65,900円 98,800円 131,700円 32,900円

商標登録の費用を抑える方法3つ

pixta_46794540_M

商標登録の費用を抑える方法は、以下の3つです。

  1. 自分で登録する
  2. 相見積もりを取る
  3. 補助金を利用する

1. 自分で登録する

自分で商標登録することで、弁理士費用を支払う必要がないため費用を抑えられます。法律の知識がない方が商標登録を自分ですると、他社から訴訟された場合に対策できないリスクがあるため注意が必要です。

商標登録に関する知識のない場合は、弁理士に商標登録の手続きをした方が安心でしょう。

2. 相見積もりを取る

弁護士に依頼する場合は、3〜4社ほど相見積もりをとりましょう。見積もりの内訳が変わらなくても、金額の差がでてくることが多々あります。

複数社の見積もりを確認することで、相場が妥当かの判断材料にもなるため重要です。適切な弁理士に依頼するためにも、必ず多くの見積もりを確認してください。

3. 補助金を利用する

商標登録費用は、補助金を活用することもできます。補助金は弁護士費用にもあてられるため、商標登録に関する費用の自己負担額を軽減可能です。活用できる補助金には、たとえば以下の2種類があります。

まとめ

商標登録をしないと、苦労して生み出した商品の名前やロゴを誰かに使われてしまう可能性があります。確実に商標登録を済ませるためには、費用がかかっても弁理士への依頼が望ましいです。

できるだけ費用を抑えるためには、複数の見積もりを取り最適なサービスを選ぶ必要があるでしょう。比較ビズでは、特許事務所や商標登録に精通した弁護士事務所が数多く在籍しています。

2分程度の入力で、自社にぴったりの弁護士事務所を比較可能です。大切な商品を守り、商標登録を確実に済ませたいときは、ぜひご利用ください。

よくある質問とその回答

  • 商標登録を自分で申請するのと弁理士に依頼するのどちらがいい?

    商標権や法律の知識がない方は、初めから弁理士に依頼することをおすすめします。知識がない状態で商標登録をしてしまうと、不備で特許庁から却下されたり、他社から訴訟されるリスクが上がるためです。

  • そもそも商標登録とは?

    商標とは、自社の商品やサービスを他社のものと区別するために使うマークのことです。商標を登録することで、似たような商標の使用を禁止し自社の商品やサービスが保護されます。

    商標登録のメリットは、次の2点です。

    • 他者が勝手に名前を使えなくなること
    • 出所や品質なども保証されること

    ビジネスの場で商品やサービスを展開していくなら、商標登録は必要不可欠であると言えます。

    商標登録のやり方

    商標登録は、特許庁へ商標登録の出願をします。出願後審査に通って商標原簿へ登録されると、商標登録は完了です。

    商標登録の出願には、専門知識が必要です。知識がないまま書類を作成すると、審査に落ちてしまう可能性も。確実に商標登録をしたいときには、知識や経験豊富な弁理士に作業を一任するケースも多いです。

監修者のコメント
弁護士法人英明法律事務所・知財セクション
弁理士 平木 健氏

関西学院大学商学部出身。2007年12月弁理士登録。1999年より大阪市内の特許事務所にて知財業務の経験を積み、2018年4月弁護士法人英明法律事務所へ合流し、所内に知的財産権を専門に扱う部門を設立した。特許・実用新案(機械等の分野など)・意匠・商標の権利化業務に従事する。クライアントとのコミュニケーションを通じて適切な権利取得を心掛ける。

上述の1区分のケースを例に今一度検証してみましょう。特許事務所へ依頼した場合と、自身で出願した場合とでは、代理人手数料69,300円(出願手数料33,000円+登録時手数料36,300円)の有無で相違します。しかし、この手数料を支払うことにより、以下のメリットがあり、またリスクヘッジとなります。

・他人商標権侵害回避
登録を希望する商標が、たまたま他者の登録商標と同一又は類似であった場合、代理人へ依頼すれば、事前に商標変更のアドバイスを受けることができますが、自社で行った場合、そのような先登録を見逃す恐れもあることから、この点でメリットがあります。

・登録可否判断
自身で事前調査を行った結果、万一近しい先願商標がヒットした場合、そのまま出願できるのか、商標を変更すべきなのか、或いは若干修正することで登録できるのかなど、判断が難しいケースもあるでしょう。また、商標自体の識別力の有無は、専門家でも判断が分かれることも少なくありません。代理人へ依頼すれば、出願前の調査・検討により適切なアドバイスを受けることができます。

・商品・サービスの選択ミス
指定商品や指定役務を的確に表現する必要があります。出願後に要旨を変更する補正は却下されるため、最悪の場合、1年近く待って登録出来た内容が本来希望する商品・サービスでなかったということもあり得ます。

・中間処理の対応
拒絶理由通知書への対応が上手くゆかなければ登録には至りません。もとより代理人へ依頼すれば事前調査・検討を行うので、致命的な拒絶理由通知を受ける可能性は格段に減ります。

・登録までの期間
当初の指定商品(役務)の記載を規定の表現に統一すると、通常1年かかるところを半年で結果を得ることができるという無料の制度があります。但し、適用可否の判断が厳格であり、事後的に規定の表現に統一しても対象にはなりません。出願時に当該制度の対象記載か否かを個別に見極めながら願書を作成する必要があります。

以上、69,300円(1区分のケース)が、上記に見合う手数料か否かをケースバイケースで検討して頂くと良いでしょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

商標登録の依頼にお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • どの弁理士に依頼したらいいかわからない
  • 見積もり金額を安く抑えたい
  • 継続的に費用が発生するのか知りたい

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の弁理士に一括で見積もりができ、相場感や各弁理士の特色を把握したうえで業者を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

商標登録に対応できる業者を一覧から探す

発注を、ひもとく。仕事がひろがる。

note

比較ビズでお仕事を受注したい方へ

資料請求はこちら