C工事とはいったい何?A工事・B工事との違いをわかりやすく解説!
- C工事とは何?
- A工事・B工事との違いは?
- C工事のメリットは何?
「C工事とはいったい何?」「他の工事との違いは?」などの疑問を持つ方、必見。C工事とは、テナントやオフィスの移転でよく耳にする言葉です。C工事以外にもA工事やB工事があるため、それぞれの違いを確認しましょう。
この記事では移転先オフィスやテナントの内装工事を検討している方へ向けて、C工事の概要やメリット、注意点を解説します。
記事を読み終わる頃には、C工事を依頼するときの注意点を把握でき、スムーズに工事を進められるでしょう。
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C工事とは
C工事とは、テナント側が工事業者の指定や費用負担を行う工事です。
物件の設備や内装を工事する際、テナント側とビルのオーナ側のどちらが工事費用を負担するのかで意見が食い違うおそれがあります。
トラブルを防ぐために、工事区分をA・B・Cと分け、テナント側が工事業者の指定や費用負担を行う工事をC工事と分類しています。
C工事の例
C工事は、テナント側が占有できる部分の工事で、建物の躯体に影響を及ぼさない範囲の変更を指します。C工事の代表的な例は以下のとおりです。
- コンセントや照明の設置
- 建具の設置
- 会社名や案内板の設置
- テナント側が使用する専有部分の内装工事(クロス・タイル)
- 電話やLANの設置工事
- 調理設備の設置
- パーテーション工事
上記は基本的にC工事に該当します。工事の結果、空調工事や消火装置の働きが阻害されると、オーナー側が指定した業者がテナント側の費用負担で行うB工事が必要な場合があります。
C工事とA工事・B工事の違い4つ
C工事と、A工事・B工事の違いは以下のとおりです。
1. 対象となる工事
C工事とA工事・B工事の大きな違いは、対象となる工事の範囲です。C工事は、照明の設置やクロスやタイルの張替え、インターネット回線の設置などが含まれます。
A工事は躯体に影響を与える工事、もしくはオーナーの財産となる範囲の作業です。B工事はテナント側の専有部分ではあるものの、躯体に影響を与える防水設備や空調設備を指します。
2. 工事業者の選定
C工事の場合、工事業者の選定はテナント側が行います。C工事は建物の躯体に影響を与えない範囲に限られるため、重要な工事とは見なされません。テナント側が自由に工事業者を選定し、工事を進められるでしょう。
A工事やB工事は、C工事と比較して規模が大きくなりやすいため、工事業者の選定はオーナー側が行います。オーナーが信頼でき、ビルや建物の構造に通じている業者が工事を行った方がトラブルを減らせるためです。
3. 工事業者への発注
C工事の場合、工事業者への発注もテナント側が行います。C工事で新設・変更された部分に関しては所有権がテナント側にあるため、工事業者はテナント側が決定でき、発注も行わなければなりません。
A工事は、躯体に関わる工事かつオーナーの所有物となるため、業者への発注はオーナー側が行います。難しいのはB工事です。A工事と同様躯体に関わる工事の観点から、業者の選定はオーナー側が行いますが、発注はテナント側と決まっています。
4. 費用負担
C工事の場合、工事業者の選定・発注に加え、費用負担もテナント側です。専有部分で必要な工事を行い、所有権がテナント側になるため、費用負担もテナント側であることは納得できるでしょう。
A工事はC工事と逆に、工事業者の選定も発注もオーナー側が行います。したがって費用負担もオーナー側です。B工事はテナント側の専有部分の工事であるため、費用負担はテナント側となります。
C工事のメリット3つ
C工事は、A工事・B工事と比較していくつかのメリットがあります。主なメリットは以下の3つです。
- 工事業者を自分で選定できる
- コストが削減できる可能性がある
- デザインや設備を自由に選べる
1. 工事業者を自分で選定できる
C工事の大きなメリットは、工事業者を自分で選定できる点です。過去に工事を依頼したことがある業者であれば、要望や悩みを理解してくれているため工事がスムーズに進みます。
B工事の場合、工事業者や工事内容はオーナー側と工事業者間で決めるうえ、費用はテナント側が負担しなければなりません。工事業者を自由に選べるC工事はテナント側にとってメリットが大きい工事です。
2. コストが削減できる可能性がある
C工事は、コストが削減できる可能性がある点でもメリットがあります。B工事の場合、工事業者の選定や工事内容をオーナー側が決めることが多く、工事費用に関してもテナント側が口を挟むことはかなり困難です。
オーナー側が提示した費用をそのまま負担しなければならず、大きな出費になることもあります。
C工事はテナント側が工事業者を選定できるため、工事業者へ費用を抑える交渉が可能です。1度予算内に収まる分だけの工事をしてもらい、将来的に別の工事に取りかかってもらう選択肢もあります。
3. デザインや設備を自由に選べる
C工事では、デザインや設備を自由に選べます。店舗やオフィスのコンセプトにあわせ、タイルやクロス、躯体に影響を及ぼさない建具の設置はテナント側が行えます。
躯体に関わるA工事やB工事は、オーナー側の意向が優先的に反映されるため、ビルの外壁や塗装を自由に変更することはできません。
C工事の注意点5つ
C工事はA工事・B工事と比較してメリットがありますが、工事に際して注意すべき点もいくつかあります。以下の5つの点に注意して工事に臨みましょう。
- 責任の範囲を明確にする
- すべての工事を自由に行えるわけではない
- 原状回復できる範囲の工事に留める
- 図面に変更が生じないように注意する
- 信頼できる施工業者を選ぶ
1. 責任の範囲を明確にする
C工事を行う際には、責任の範囲を明確にすることが非常に重要です。
B工事は、大きなトラブルになりやすい工事です。テナント側はA工事と認識していたのにB工事に含まれていて費用を負担させられる、C工事だと思っていたらB工事だといわれて自分の思いどおりにできなかったなどのケースもあります。
余計な費用を支払わされたり、干渉を受けたりしないためにも、工事の区分の責任範囲を確認しましょう。
2. すべての工事を自由に行えるわけではない
C工事はテナント側が工事業者の選定を行い工事内容も決められますが、すべてを自由に決められるわけではありません。オーナー側と話し合い、事前に工事内容を伝えて許可をもらいましょう。密なコミュニケーションにより大きなトラブルを防げます。
新築のビルではない場合、他のテナントに配慮すること必要です。他のテナントに大きな迷惑となる、騒音や粉塵が大量に出る工事は避けた方がいいでしょう。
3. 原状回復できる範囲の工事に留める
C工事では、原状回復できる範囲の工事だけを行うのがポイントです。どのような工事を行っても、退去時には原状回復することが契約で決められています。
テナント側の原状回復は原則として100%です。机や椅子、建具、クロス、タイルなどはもちろん、照明や配線もすべて元の状態にしなければなりません。
原状回復できないほど大規模なC工事を行うと、オーナー側と大きなトラブルになるおそれがあります。原状回復費用はかなりの金額になりますが、トラブルが裁判に発展すると多額の損害賠償請求につながることもあるため注意が必要です。
4. 図面に変更が生じないように注意する
C工事を始めたあとは、図面に変更が生じないように注意しなければなりません。作業が増え、修正部分が出るため、図面の変更は避けるべきです。
工事の一部やり直しが生じると、工事区分が変わることがあります。C工事だったものがB工事になると、費用負担はそのままに、オーナー側が選んだ工事業者が作業を担当することになり、自由度が下がるでしょう。
5. 信頼できる施工業者を選ぶ
C工事では、実績豊富で信頼できる業者を選ぶことも重要です。経験の浅い施工業者に作業を依頼した場合、期日までに工事が終わらなかったり、無駄な費用がかかったりすることがあります。
原状回復の知識があまりない業者の場合、元に戻すことを想定せずに工事を進めるおそれがあります。退去時に大きなトラブルにないよう、原状回復の知識・経験も豊富な業者かどうか打ち合わせで確認しましょう。
まとめ
C工事は、テナント側が工事業者を選択し、費用を負担します。工事範囲は限られ、テナントの専有部分の中で躯体に影響を及ぼさない規模です。
自由度が高く、コストを削減できます。店舗やオフィスの入居の際、どこまでがC工事の範囲なのか確認して計画を進めましょう。
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