本店移転登記の期限を解説!本店移転登記をしないデメリット2つや登記費用を紹介
- 本店移転登記の期限は?
- 本店移転登記をしないデメリットは?
- 本店移転登記の流れは?
「本店移転登記を依頼したいが、期限がわからない…」という方必見!
この記事では、会社の本店を移転する予定の経営者に向けて、本店移転登記の期限を紹介。本店移転登記をしないデメリットも解説します。
本店移転登記を司法書士に依頼することで、ミスなく迅速に手続きを進められ、結果としてスムーズな会社運営につながります。本店移転登記の流れも紹介しているので、本店移転をしたが、登記手続きをまだ行っていない方もぜひ参考にしてください。
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本店移転登記の期限は?
本店移転登記とは、会社の本店(本社)の所在地を変更した際に、法務局に変更を正式に登録する手続きのことです。会社法に基づき、登記を行うことで新しい本店所在地が正式に認められ、法的な効力を持つようになります。
同一管轄内での本店移転は、移転日から2週間以内に登記申請が必要です。他の法務局管轄への本店移転は、移転日から2週間以内に移転先の法務局へ登記申請が必要です。さらに、移転元の法務局にも2週間以内に「閉鎖登記」の申請を行います。
本店移転の登記は「移転日=登記申請日」ではないため、実際の移転前に準備しておくことが理想です。
本店移転登記をしないデメリット2つ
ここからは、本店移転登記をしないデメリットを2つ紹介します。
- 法的な罰則(過料)を科せられる
- 取引先や金融機関の信用低下につながる
1. 法的な罰則(過料)を科せられる
本店移転登記は、会社法により 「移転日から2週間以内」 に申請することが義務付けられています。 期限を過ぎると 「登記懈怠(とうきけたい)」の違反行為となり、100万円以下の過料(罰金) が科せられる可能性があるため注意しましょう。
会社の登記情報は 法的な公的記録であり、信用情報の一部として利用されます。期限内に変更を反映しないと、会社の実態と公的情報にズレが生じ、法的なペナルティが発生します。
2. 取引先や金融機関の信用低下につながる
会社の本店所在地は、取引先や金融機関が信用調査を行う際の重要な情報であり、本店移転登記をしないと信用低下につながる可能性があります。登記簿に記載された本店所在地と実際のオフィスが異なると、会社の実態が不透明になり、取引先からの信頼を損なう要因となります。
金融機関からの郵送物が旧住所に届くことで、重要な書類を受け取れずにトラブルが発生することもあるため注意しましょう。本店移転登記を怠ると、過料のリスクだけではなく、取引先や金融機関の信用低下にもつながり、事業運営に支障をきたす可能性があります。
本店移転登記の流れ
ここからは、本店移転登記の流れを紹介します。
- 定款の変更が必要であれば株主総会で特別決議を行う
- 取締役会で本店の移転場所や日時を決める
- 本店を移転させる
- 本店移転から2週間以内に変更登記する
1. 定款の変更が必要であれば株主総会で特別決議を行う
本店移転をする際、会社の定款に記載されている本店所在地の範囲により、株主総会での特別決議が必要が決まります。定款の絶対的記載事項として求められる本店所在地は、最小行政区画までとされているため、必ずしも定款変更が必要とは限りません。
定款の変更が必要である場合
定款で本店の所在地が 「○○県○○市○○町」 まで具体的に記載されている場合、本店を別の町や区に移転する際は定款を変更します。定款変更には、株主総会での特別決議(出席株主の3分の2以上の賛成)が必要です。
定款の変更が不要である場合
定款で本店の所在地が 「○○市」や「東京都」など広い範囲で記載されている場合、範囲内での移転であれば定款変更は不要です。取締役会の決議で、本店移転を決定できます。
2. 取締役会で本店の移転場所や日時を決める
本店の移転が決まったら、取締役会を開催し、移転する場所と移転日を正式に決定します。取締役会を設置していない会社では、代表取締役が決定することも可能です。
移転先の契約手続きや準備を進めるため、取締役会での決議後に速やかに実務を進める必要があります。
商号に注意
移転先の住所で、同じ商号(会社名)を使用している別会社がないかを事前に確認することが重要です。
同じ商号がすでに登記されている場合、会社法により「同一住所で同じ商号の登記はできない」制約があります。同じ商号がすでにある場合、会社名を変更するか、別の住所を検討しましょう。
商号の検索には国税庁の法人番号公表サイトが便利です。「商号又は名称」と「所在地(市区町村まで)」を入力することで、同じ商号の別会社がいないか確認することができます。
移転先を検討している早めの段階で、事前に確認しておきましょう。
3. 本店を移転させる
実際に本店を移転し、新しいオフィスや事務所での業務を開始します。この段階で、オフィスのインフラ整備や郵便物の転送設定、関係各所への移転通知を行うことが重要です。
4. 本店移転から2週間以内に変更登記する
移転日から2週間以内に、法務局へ本店移転登記を申請します。 怠ると会社法違反となり、過料(罰金)が科せられる可能性があるため、速やかに手続きを進めましょう。
必要な書類は、以下のとおりです。
- 本店移転登記申請書(管轄の法務局が変わる場合は2通)
- 株主総会の議事録(定款を変更した場合)
- 取締役会の議事録(取締役会を設置していない場合は取締役決定書)
- 印鑑届書(管轄の法務局が変わる場合)
法務局の管轄が変わるかを確認
本店移転先が現在の法務局の管轄内であるか、別の法務局の管轄になるかを事前に確認しましょう。法務局の管轄が変わる場合は「閉鎖登記」を移転前の法務局で、移転後の法務局で「新規登記」が必要となるため、手続きが2回発生します。
管轄の確認は、法務局の公式HPからできます。
変更登記の申請方法3つ
本店移転を含めた変更登記の申請は、以下3つの方法があります。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
法務局窓口 | 窓口のスタッフに相談できる | ・最寄りの法務局まで行く必要がある ・平日8時30分〜17時15分までの受付 |
郵送 | 法務局に行かずに申請できる | 申請前に確認してもらえない |
オンライン | 法務局に行かずに申請できる | ・申請前に確認してもらえない ・電子認証にはICカードリーダーが必要 |
変更登記が初めてで不安がある場合は、法務局の窓口で申請すると安心です。すでに変更登記の経験があり、手続きの流れがわかる場合は、郵送やオンラインでの申請も可能です。
司法書士に依頼する場合は、申請方法も含めてすべて任せられるため、自身で手続きを行う必要はありません。
本店移転登記にかかる費用
本店移転登記にかかる費用は、以下の2つです。
- 登録免許税:3万円もしくは6万円
- 司法書士報酬(相場):3万円〜4万5,000円
登録免許税:3万円もしくは6万円
本店移転登記を行う際は、登録免許税を法務局に納める必要があります。
同一管轄内での移転は3万円で、移転前と同じ法務局の管轄内で本店を移す場合に適用されます。たとえば、東京都渋谷区から東京都港区のように、同じ法務局が管轄している範囲での移転であるケースです。
別の法務局の管轄へ移転する場合は6万円です。 移転前の法務局での「閉鎖登記」と、移転後の法務局での「新規登記」の2回の登記手続きが必要になるため費用が高くなります。
たとえば、東京都から神奈川県の県をまたぐ移転や、市区町村を超えて法務局の管轄が変わるケースに該当します。
司法書士報酬(相場):3万円〜4万5,000円
司法書士に本店移転登記を依頼する場合、報酬の相場は 3万円~4万5,000円が一般的な相場です。 登記申請の手続き代行や、必要書類の作成などが含まれます。
司法書士に依頼すると、書類作成や登記申請の手間を省くことができ、手続きのミスを防げるメリットがあります。
本店移転以外で変更登記が必要な代表例3つ
ここからは、本店移転以外で変更登記が必要な代表例を3つ紹介します。
- 代表者の住所変更
- 役員の変更
- 株式の分割
1. 代表者の住所変更
定款に代表取締役の住所を記載している場合や、定款変更が必要なケースでは登記手続きが発生することがあります。登記事項証明書には代表取締役の住所が記載されているため、役員の住所変更登記を行うことで、最新の情報に更新することが可能です。
資本金が1億円未満であれば1万円、1億円以上であれば3万円の登録免許税が発生します。銀行融資や契約関係で正確な登記情報が求められる場合は、変更登記をしておくとスムーズな対応が可能です。
2. 役員の変更
取締役や監査役などの役員に変更があった場合は、変更登記が義務付けられています。役員の交代、新任、退任、辞任、再任など、どのような変更であっても、法務局への登記が必要となります。
資本金が1億円未満の場合は登録免許税が1万円、1億円以上の場合は3万円です。複数人分の変更をまとめて申請しても費用は変わらないため、可能な限り複数の変更を一度に行うと効率的です。
3. 株式の分割
企業が株式を分割する場合、株式分割の登記を行う必要があります。株式分割は、1株を複数の株に分けることで、発行済み株式数を増やし、投資のしやすさを向上させる目的で行われることが多いです。
株式分割を行う際は、株主総会または取締役会の決議を経て、分割比率や実施日を決定します。その後、株式分割の基準日に基づき、登記手続きを行いましょう。
まとめ
本店移転登記は、移転日から2週間以内に申請する必要があります。司法書士に依頼することで、期限を守るためのスケジュール管理も含めて対応してもらえるため、過料のリスクを回避できます。
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兵庫県出身。大阪大学法学部卒業後、社会人として勤務しながら司法書士試験に合格。司法書士登録後は埼玉県の司法書士事務所で幅広い業務経験を積む。なかでも相続・遺言については年間100件近くの案件に携わっており、司法書士としての強みとなっている。2022年に大阪府池田市にてささのは司法書士事務所を設立。「わかりやすく、親しみやすい」をモットーに、市民から一番近い司法書士事務所を目指している。
司法書士事務所を選ぶ場合は、同一商号、同一本店の調査を行ってもらえるかどうかを聞いてみるといいでしょう。法律上、同じ本店所在地に同じ商号の会社は登記できないことになっています。せっかく決議したのに、登記できないとなると大きな問題です。決議前にしっかりと調査してもらえる事務所を選びましょう。
また、本記事では決議をしてから移転をする、という流れで説明していますが、逆の流れでも登記はできます。特に社長一人でやっている会社などは、社長の事務所が本店所在地になっていることも多いです。特に意識せず引っ越しをして、決議を忘れていたこともあるでしょう。その時はぜひ司法書士にご相談してください。

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