チャットボットを開発する方法とは?確認事項や開発手順を解説
- チャットボットにはどんな開発方法があるの?
- チャットボットを開発する前に確認するべきことは?
- チャットボットを開発するメリット・デメリットとは?
チャットボットは、顧客からの問い合わせに対応するために必要なものです。業務効率化や顧客満足度向上にもつながります。
この記事では、チャットボットを導入したいと思っている方に向けて、チャットボットを開発する方法チャッ導入するメリットやデメリットについても詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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チャットボットとは
チャットボットとは、「chat(おしゃべり)」と「bot(ロボットのこと)」を合わせた造語です。ロボットといっても物理空間に現実に存在するロボットではなく、webサイトに搭載されているコミュニケーションツールのことです。
チャットボットの特徴
チャットボットは、設定されたルールに従ってユーザーからの質問を自動的に受け答えができるプログラムのことです。24時間質問を回答できたり、AIを搭載することで回答の精度が向上するのが特徴です。
設定されたルールから外れた回答はできないため、あらかじめユーザーが求める回答を予測してシナリオを作っておき、そのシナリオに即して適切な応答をするというのが基本です。
最近ではAIを搭載したチャットボットも登場しており、大量のデータから自動学習することによって自然な会話ができるまでになっています。今後はデータの蓄積とともにできることが増えていき、これまで以上に活用されることになるでしょう。
チャットボットの種類
チャットボットは大きく分けて、2種類あります。
- シナリオ型(ルールベース型)
前もってシナリオを作成し、シナリオ通りに会話を行います。質問が多いものに対して、回答を代行できます。
- AI(FAQ型)
用意したデータやユーザーの利用歴から集まったデータをAIが分析し、適切な回答を表示させます。ユーザーの好みを分析し、おすすめの商品を提案できます。
チャットボットを開発する5つの方法
チャットボットの開発方法を5つ紹介します。
APIを利用する
API(Application Programming Interface)とは、第三者が作ったアプリと共有できるようにすることです。
例えば、以下のようなAPIを活用することができます。
- LINE
- Slack
APIは、プログラミングの知識があまり必要ないため、比較的簡単に作れます。その中でも、FacebookやLINEなどのAPIは利用者が多いため、ノウハウを改めて覚える必要が無く、使いやすいです。
LINEの場合、「LINE Bot Designer」というサービスを利用し、LINE公式アカウントの自動応答や問い合わせに対応できます。
フレークワークを活用する
フレームワークとは、事前にシステムを開発する知識や機能が準備されている骨組みのことです。
メリットとして、事前に骨組みが準備されているため、開発に掛かる時間を短縮でき、コスト削減もできるところです。しかし、APIと違い、ある程度プログラミングの知識が必要になるでしょう。
開発できると、FacebookやSlackと連携できるチャットボットを作れます。
オープンソースのチャットボットを使用する
オープンソースは無料で公開されているため、チャットボットの開発費を大きく抑えられます。
例えば、以下のようなオープンソースが挙げられます。
- Lita
- Botkit
これらは利益を目的に作られていないため、サポート体制が整っていません。そのうえ、オープンソースを活用する場合、プログラミングの知識が必要になるため、外部から雇う必要もあるでしょう。雇用コストも発生するため、費用対効果を考える必要があるでしょう。
優秀なプログラマーが自社にいる場合と費用を掛けられる場合は、オープンソースで作るのも1つの方法です。
開発ツールを活用する
開発ツールは以下のものです。
- hachidori
- Dialogflow(Google)
- Amazon Lex(AWS)
開発ツールを活用する場合、プログラムの知識がなくても開発できます。画面を見ながら感覚的に操作できるだけでなく、誰でもチャットボットを作成できます。
しかし、プログラミングの知識が必要がない分、カスタマイズできる範囲が決まっています。そのため、チャットボットを開発する前に、開発ツールでできるカスタマイズの範囲を調べておきましょう。
機械学習ツールを使用する
機械学習ツールは、ユーザーとの会話のデータを集めることでチャットボットを作ります。
機械学習ツールは下記のものです。
- Wit.ai
- IBM Watson
機械学習ツールの導入初期は、答えられない質問が多いですが、使い続けることで質問に答えられる精度が上がっていきます。回答の精度が上がるまで膨大なデータの蓄積が必要になるでしょう。
機械学習ツールのデメリットとして、機会に学習させるまでに時間が掛かることが挙げられます。運用時間と費用を考えたうえ、開発するかどうか考えましょう。
チャットボットを開発する前に確認するべきこと
チャットボットを開発する前に確認するべきことがあります。確認作業を怠ると、チャットボットを作っても有効活用できません。
ユーザーにとって使いづらいものができたり、コストが掛かり過ぎたり問題が発生します。
チャットボットの開発目的
チャットボット開発で1番大切なことは、開発目的を考えることです。目的がないと、チャットボットの種類や質問内容などを決められません。
例えば、
- 問い合わせ対応を自動化したい
- ユーザーに合わせた提案をしたい
- ユーザーに質問しやすい環境を作りたい
上記のような目的があると、チャットボット開発の方向性が決まります。開発をスムーズに進めるためにも、開発目的ははっきりさせましょう。
ユーザーの特徴
ユーザーの特徴や求めていることがわかると、チャットボットの種類を決められます。チャットボットに質問をしたいのか、商品を探しているのかでチャットボットの運用の仕方が違うためです。
質問に対応するならシナリオ型になり、商品を探しているならAI型になるでしょう。
ユーザーの特徴を理解したうえで、チャットボットの開発を進めましょう。
チャットボットの担当者
チャットボットを開発するときには、担当する責任者を決める必要があります。開発する途中でのトラブルに対応したり、外部と連絡を取ったりしなければなりません。
担当者がいると問題が発生してもスムーズに対応できるうえに、外部の人達も問い合わせする人が明確になっているため対応しやすいでしょう。
チャットボット開発を円滑に進めるためにも、担当者を決めることは大切です。
チャットボット開発の人材
プログラムが必要なチャットボットを開発するときは、プログラマーが必要です。自社にプログラマーがいない場合は、外部から人材を確保する必要があるでしょう。
社員が他に業務と兼任できますが、開発が思うように進まず、大きな負担になってしまう可能性があります。チャットボットの開発が決まった時点でプログラマー人材を手配できるようにしましょう。
チャットボット開発に掛かる時間とコスト
チャットボット開発には、時間とコストが掛かります。そのため、開発前に予算を決めて始める必要があります。
チャットボットの開発に数ヶ月から半年ほど必要になる場合がほとんどです。予想以上に時間が掛かる場合やコストが大きくなる場合は、一度開発目的を考え直す必要があるでしょう。
も開発期間が伸びてしまう可能性や開発後の運用コストを考えた上で開発計画書を作成しましょう。
チャットボットを開発するメリット3選
- 業務効率化につながる
- ユーザーが問い合わせしやすい
- 顧客満足度の向上に期待できる
業務効率化につながる
チャットボットが自動で返信してくれるため、回答を考える時間やチャットをする時間が無くなり、業務時間の削減ができます。作業時間が減ったことで、新しい事業や人材不足のところを補充できるでしょう。
ユーザーが問い合わせしやすい
チャットボットは電話やメールではないので、気軽に問い合わせができます。特に、LINEのようなチャットツールに慣れている人は、説明がなくても使いこなせます。
電話を苦手に思っている人やメールを使わない人は多いので、チャットボットでの問い合わせはハードルが低いでしょう。
しかし、ユーザーが高齢の場合はチャットボットを使いづらいと感じることが多いため、ユーザーの特徴を把握する必要があります。
顧客満足度の向上が期待できる
24時間365日、常に同じ品質を提供できるため、顧客満足度の向上に期待できるでしょう。チャットボット導入前は、深夜の対応ができなかったため、機会損失をしていた可能性もあります。
チャットボットは深夜の対応もできるため、顧客満足度が上がり、ユーザーのwebサイトからの離脱を防ぐことにもつながります。結果的にコンバージョン率の向上にも期待できるでしょう。
チャットボットを開発するデメリット3選
- コストが掛かる
- チャットボットの完成までに時間が掛かる
- 完全自動化は難しい
コストが掛かる
チャットボットを開発するためには、人材確保でコストが高くなる可能性があります。自社で作るとコストを抑えられますが、依頼するとコストが大きくなります。
チャットボットは、開発するコストと利益のバランスを考える必要があるでしょう。もし、利益よりも開発コストの方が大きい場合は、開発の中止も考える必要があります。
チャットボットの完成までに時間が掛かる
チャットボットを完成させるまでには、時間が掛かります。
例えば、シナリオ型のチャットボットを作る際には、シナリオ作成をする必要があります。AI型ならデータ学習する必要があるため、データを蓄積するのに時間が掛かるでしょう。
一度導入しても、メンテナンスの必要があるため、完成してもある程度時間を使います。
完全自動化は難しい
簡単な回答にはすぐに答えられますが、複雑な質問には回答できないことがあります。
顧客の質問に正確に答えを出せなかった場合は、顧客満足度が下がる可能性も出てきます。チャットボットができない作業を補うために、専属の担当者を配置する工夫が必要です。
チャットボットを自社で開発する手順
チャットボットを自社で開発するときの手順を紹介します。
1. プラットフォームを決める
まずは、チャットボットを作るプラットフォームを決めます。
自社のWebサイトなのか公式LINEなのか、目的に合わせた方法を決めましょう。
2. 開発ツールを決める
プラットフォームを決めたあとは、開発ツールを決定します。
LINEのようなチャットボットを作成する場合は、「LINE Bot Designer」で作成できます。
3. プログラムを組む
開発ツールを決定したあとは、プログラムを組んでいきます。シナリオ型を作る場合は、予想される質問を挙げたり、質問に応じた答えを事前に考える必要があります。
質問と回答が準備できたあと、プログラム言語を使って、コーディング作業をします。
4. テストを行う
プログラムを組み終わったら、動作確認をします。ユーザーの質問に答えられているか、適切な情報を与えられているかなどを確認します。
テストをするときは、ユーザーを絞って、限られた人達に使ってもらいましょう。
5. 実装する
テストが終わって、問題点が出たら修正を行います。ユーザーの求める回答にしたり、プログラムを書き換えたりしましょう。
修正が終わったら、再度テストをして動作を確認します。動作確認が終わったら実装完了です。
実装したあとは、数字を確認したり、ユーザーの声を集めたりして改善する場所を探しましょう。
チャットボットサービスの導入費用
チャットボットサービスを導入する場合、契約時の初期費用と運用開始後のランニングコストがかかってきます。ここから基本的な項目について解説します。
シナリオ制作費用
チャットボット種類 | 料金 |
---|---|
シナリオ型 | 月額10万円〜30万円 |
AI型 | 月額30万円〜100万円 |
初期費用には契約料金や設置費などいくつかの項目がありますが、大きいのがチャットのシナリオ制作の費用です。必要な規模や精度によってシナリオ制作の難易度は変動します。
シナリオ構築やAI構築のノウハウを持っている人材が自社にいる場合コスト節約が可能です。しかし、複雑な対応ができるチャットボットを作るには簡単ではありません。高品質なチャットボットを作る場合、費用は高くなりますが、効果も期待できるでしょう。
デザイン費用
デザインの費用は、設計費用やオプション費に含まれていることが多いです。設置するサイトのイメージにデザインが合っていないと期待する成果が得られないため、デザインは非常に重要な要素です。
デザインが最初から固定のものもありますが、中には追加料金を支払うことでチャットデザインをカスタマイズできるサービスもあります。ただし、カスタマイズで調整できる範囲以上にデザインを変更したい場合は、デザイナーを雇って別途料金を支払うことになるでしょう。
ランニング費用
チャットボットサービスには、6か月や1年などの契約期間が決まっているものと、時間の従量課金制による料金設定のものがあります。必要な機能によって月額数千円から数万円と大きく差が出るポイントですので、何が必要なのか自社の問題点を事前に把握しておくことが大切です。
チャットボットの導入事例
- ライフネット生命
- JR西日本
- 株式会社サカイ引越しセンター
ライフネット生命
ライフネット生命は、LINEやFacebookなどのチャットボットを活用しています。顧客情報や位置情報などをチャットと連携させることで、ユーザーが使いやすくなる工夫がされているでしょう。
また、自動回答を基本的に行なっていますが、チャットボットで対応できないときにはオペレーターに切り替わる設定になっています。
JR西日本
JR西日本は電車の忘れ物のトラブルを解決するために、「お忘れ物チャットサービス」を導入しました。電車で忘れ物をする方が多い中で、チャットボットを導入する前は問い合わせできる時間が限られています。
チャットサービスを導入した結果、24時間の対応が可能になり、顧客の不安を取り除くことに成功しているでしょう。
株式会社サカイ引越しセンター
サカイ引越センターの拠点数が増える中で、問い合わせの数が急増している問題を解決するためにチャットボットを導入しました。チャットボットを導入した結果、定型的な問い合わせが減り、個別対応の時間が増えました。
個別の顧客対応の結果、2021年には、オリコン顧客満足度調査では、引越部門で総合1位を獲得に貢献しているでしょう。
まとめ
チャットボットを開発する方法や開発するメリットやデメリットを紹介しました。
ルールに従って動くだけの基本的なチャットボットならスキル次第で自作も可能ですが、大量の問い合わせに複雑な対応が必要なものとなると専門知識のあるエンジニアでないと開発は難しいです。
自社で開発できない場合は、チャットボットの作成を依頼するのもおすすめです。
そこで近年ではクラウドベンダー各社が提供するチャットボット構築サービスや、それらのAIエンジンをベースに作られたサードパーティ製のサービスが利用されるケースが多いです。例をあげますと、「IBM Watson Assistant」「Dialogflow」「Amazon Lex」などです。
チャットの各会話シーンごとに質問と回答のリスト設定が必要になりますが、複数の質問例をAIエンジンに教えることで、精度の高い自動回答が可能となります。設定で言葉のパターンを網羅できていなくても、ある程度の言葉の揺らぎにも自動で対応可能です。
開発会社(ベンダー)に依頼する際は、チャットボットをどの箇所に実装するか、得られたデータをどのように活用したいか、について事前に確認することが大切です。また、導入目的に対する効果検証用の機能実装や、利用開始後の運用フロー(AI向けルールの追加、変更)についても相談するとよいでしょう。
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
もしも今現在、
- どの開発会社に依頼したらいいかわからない
- 開発手法でどれくらい費用が違うのか知りたい
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