店舗リフォームで使える補助金・助成金4選！効果的に利用するポイントも解説

店舗リフォームで活用できる補助金・助成金4選

店舗リフォームで活用できる補助金や助成金には、以下の4種類があります。

1. 持続化補助金

「持続化補助金」は、制度変更に対応するために小規模事業者が作成する経営計画や、販路開拓の取り組みに関する経費を補助する補助金です。

小規模事業者持続化補助金には4つの枠があり、いずれか1つの枠のみ申請できます。それぞれの枠の補助率や補助上限額は以下のとおりです。

販路開拓のなかには、設備機器の購入費や工事費などが認められており、小規模事業者持続化補助金を利用して店舗リフォームの費用の一部を賄えます。

2. 事業再構築補助金

「事業再構築補助金」は、事業再編や規模の拡大など、事業の再構築に意欲を有する中小企業の挑戦を支援する目的で設立された補助金です。従業員数や引き上げた最低賃金の金額により補助金額が決まります。

事業再構築補助金の補助額と補助率は以下のとおりです。中小企業は資本金1,000万円以上1億円未満、中堅企業は資本金1億円以上10億円未満の企業を指します。

事業再構築補助金では、生産性向上のための店舗リフォームや建物の建設・改修も対象になります。店舗リフォームを検討している方は、ぜひ活用を検討しましょう。

3. 業務改善助成金

「業務改善助成金」は、中小企業や小規模事業者の生産性向上を支援するために設けられた助成金です。事業場内最低賃金の引き上げと、生産性向上のための設備投資を両方行った場合に支給されます。

業務改善助成金には、最低賃金の引き上げ額による30円コースから90円コースの4つがあり、それぞれ助成上限額が異なるのがポイントです。例として、最低賃金を30円以上引き上げる30円コースの助成上限額を、以下の表にまとめました。

設備投資は店舗リフォームに加え、生産性向上に向けたコンサルタントの起用、人材育成に向けた教育・研修費用、POSレジ導入などが該当します。設備投資と最低賃金の引き上げの両立により、助成金が得られる制度です。

4. 受動喫煙防止対策助成金

「受動喫煙防止対策助成金」は、受動喫煙防止対策を推進することを目的とした店舗リフォームに適用可能です。一定の基準を満たす喫煙専用室の設置にかかる工費、設備費、備品費、機械装置費などの経費に対して助成金が支給されます。

助成率は基本的に3分の2、ただし事業場の主たる業種が日本標準産業分類における飲食店以外の中小企業事業者の場合は2分の1になります。助成の上限額は100万円です。

店舗リフォームにかかる費用相場

店舗リフォームにかかる費用相場は、以下のとおりです。

店舗リフォームに補助金を活用する際のポイント3つ

店舗リフォームに補助金を活用する際のポイントは、以下の3つです。

1. 補助金と助成金の違いを理解しておく

助成金は要件を満たせば受け取れる可能性が高く、補助金は受け取れる企業数が決まっていることがほとんどです。補助金は申請しても、審査に通過するとは限りません。要件を満たせば支給される可能性の高い助成金は、比較的申請しやすいでしょう。

2. 補助金の制度改正に通じておく

店舗リフォームの際、利用できる補助金の制度改正に通じておくことも重要です。補助金は国や自治体の予算を財源としているため、たびたび創設・改正されます。

「利用しようと考えていた補助金が廃止されていた」「申請期限が過ぎていた」などの事態を防ぐために、入念な調査を行いましょう。

3. 審査基準や申請条件を把握しておく

店舗リフォームで補助金や助成金を得るためには、審査基準や申請条件を把握し、要件を満たした内容で申請する必要があります。

助成金は、労働者の雇用の安定や職場環境の改善を目的としているため、経営者自身が社会保険に加入している事業者であることが前提です。補助金も同様に、制度に見合う事業展開をしていなければ審査に通過できないでしょう。

店舗リフォームに補助金を活用する際の注意点4つ

店舗リフォームに補助金を活用する際の注意点は、以下の4つです。

1. 補助金は後払いになる

店舗リフォームに限らず、補助金は後払いであることがほとんどです。書類審査や実際の支給まで数カ月の時間がかかると想定しましょう。最初から補助金を計算に入れた資金計画を立てると、資金が足りなくなるおそれがあります。

リフォームに高額の費用が必要となる場合は、銀行からの融資や他の資金調達方法を検討しておくと安心です。

2. 準備に手間や時間がかかる

補助金の申請には、さまざまな書類の提出が求められます。申請書類の作成に加え、工事の計画書や見積書・設計図面・収支計画書などの提出が必要になることもあるでしょう。

審査に時間がかかり、リフォーム工事のスケジュールに影響を与える可能性もあるため注意が必要です。スムーズに手続きを進めるために、余裕を持って準備を進め、申請を早めに行ってください。

専門的な書類の作成が必要な場合は、行政書士や税理士などの専門家に相談すると、スムーズに進められることもあります。

3. 公募期間外の工事は対象外になる場合がある

補助金には公募期間が設定されており、期間内に申請・工事を行わないと補助の対象にならない場合があります。補助金の申請が採択された後に着工しなければならないケースが多いため、事前に工事を始めてしまうと活用できない場合もあるでしょう。

リフォームを急ぐ場合でも、補助金のスケジュールをよく確認し、適切なタイミングで工事を開始することが重要です。補助金の申請が予算の上限に達すると早期に締め切られる場合もあるため、募集開始後はできるだけ早く手続きを進めてください。

4. 法令を遵守する

補助金を受けるためには、工事内容が法律や自治体の基準を満たしている必要があります。たとえば、建築基準法や消防法に違反するリフォームを行った場合、補助金の対象外になるだけではなく、行政から指導を受けることもあるでしょう。

省エネやバリアフリー改修に関する補助金を利用する場合は、一定の性能基準を満たさなければならないため、条件を確認しておくことが大切です。補助金の申請要件をよく理解し、適切なリフォーム計画を立てることで、スムーズに補助金を活用できます。

店舗リフォームを成功させるコツ5つ

店舗リフォームを成功させるコツは、以下の5つです。

1. 店舗リフォームの目的を明確にする

店舗リフォームの主な目的は、事業を成長させることですが、可能な範囲で顧客の声を取り入れることも意識しましょう。地域の経済活性化につながる目的を設定することで、補助金の審査を通過しやすくなります。

2. 補助金なしの資金計画を立てる

店舗リフォームの資金計画では、最初から補助金や助成金を織り込むのではなく、補助金なしの資金計画を立てる必要があります。補助金や助成金は、店舗のリフォーム工事が終わった後に支給されるためです。

自己資金が十分ではない場合、金融機関からの融資による資金調達ができます。補助金の審査に通過していれば、融資の審査も通過しやすくなるでしょう。

3. 活用できる補助金・助成金を探す

店舗をリフォームすることが決まったら、早めに補助金や助成金の調査を始めましょう。補助金や助成金は常に創設・廃止され、申請期限が設けられているため迅速な対応が重要です。

4. 目的達成に向けた店舗デザインを考える

従業員の生産性を上げることを目的としている場合、導線を意識したレイアウト・デザインを考えることが必要です。テイクアウトに力を入れたいケースでは、イートイン・テイクアウトのバランスを考慮しなければなりません。

店舗デザインと予算のバランスを取ることも大切です。内装業者にあらかじめ予算を伝えておけば、予算内で可能なデザインを提示してくれるでしょう。

5. 専門家にアドバイスを仰ぐ

リフォームはさまざまな業者と連携して行うため、オーナー1人では手が回らなくなることもあるでしょう。客観的な視点に欠け、無理な計画を立ててしまうおそれもあります。

専門家からアドバイスを受ければ、より効果的な店舗レイアウトを提案してもらいやすいです。店舗デザインやコンサルティングを手がける会社の場合、自社の立地条件に過去の事例を組み合わせたベストな提案が得られます。

まとめ

店舗リフォームで使える補助金・助成金は4種類です。補助金と助成金の違いを理解し、活用できる制度を調査すると、効果的に活用できるでしょう。

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執筆者

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