就業規則の作成はどこに依頼すればよい?【発注先の探し方】

ドラフト労務管理事務所
監修者
ドラフト労務管理事務所 代表社会保険労務士 鈴木圭史
最終更新日:2022年10月27日
就業規則の作成はどこに依頼すればよい?【発注先の探し方】

会社が成長して従業員を雇用するようになると、事業者としてさまざまな変化が生じます。その中でも特に重要となるのが「就業規則の作成」でしょう。では、就業規則を作る必要があるのはなぜか、また就業規則の作成を依頼しようと思う場合、どのようにして専門家を探したら良いのかという点について考察していきましょう。

就業規則作成の依頼にお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • 就業規則の内容をどう決めればいいか分からない
  • 法律に抵触しない規則作りが難しい
  • 適切な社会保険労務士を見つけられない

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の社会保険労務士に一括で見積もりができ、相場感や各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

労務規定・就業規則作成に対応できる業者を一覧から探す

就業規則は法律で定められている経営者の義務

就業規則の作成は労働基準法により定められている経営者の義務であり、これを怠ると30万円以下の罰金が科される可能性があります。ただし、この法律は10人以上の従業員を常時雇用している企業にのみ適用されるので、個人事業主や雇用者が10人未満のケースでは就業規則がなかったとしても罰則規定はありません。

「従業員10人」というルールは、雇用形態に関わらず給与の支払いが発生していれば適用されるものです。つまり、正社員だけではなく、アルバイトやパートなどの非正規雇用者であっても、従業員として数えられるということを覚えておきましょう。

10人未満であっても制定するケースが増えている

最近では、社内の従業員が10人未満であっても就業規則を制定するケースが増えてきています。その背景としては、従業員の離職に際して明確な規定がなかったため、労務に関わる法的なトラブルが発生してしまったというケースが増加していることが挙げられるでしょう。

就業規則は経営者と労働者双方の権利を保護するために規定されるものであり、経営者が労働基準法などの法的指針を理解せず、労働者へ多大の不利益を発生させるような条項を作ってしまった場合にはすべて無効と判断されます。

ですから、就業規則を作成する際には、専門家のサポートを得ることが非常に重要となるわけです。

労働法務に詳しい専門家を探すのがポイント

就業規則の新規策定を考慮する際には、労働法務に通じている専門家を探すのが賢明です。具体的には「社会保険労務士」および「弁護士」の2士業が挙げられるでしょう。

社会保険労務士は就業規則作成のエキスパート揃い

社会保険労務士は、就業規則の基盤となる労働基準法のスペシャリストです。ですから、就業規則を作成する際に、経験豊富な社会保険労務士へ発注するというのは非常に実際的でしょう。

社会保険労務士の中にはいろいろなタイプの人がおり、就業規則を作成する上でのスタンスも千差万別です。経営者に寄り添うような仕方で方針をまとめる人もいれば、労働者の権利を強く主張する人もいます。

これまでの経歴をチェックしたり、電話で直接相談をしてみたり、あるいは同じ業種の経営者に意見を求めたりして、自分の会社に合いそうと思える社会保険労務士を見つけるようにしましょう。

弁護士の中にも就業規則に詳しい人が増えている

就業規則の適用や違法性などに関して近年訴訟にまで発展するトラブルが増加しており、これに伴って弁護士の中にも就業規則のスペシャリストが数多くいます。労働基準法に関する判例などに通じた弁護士と契約するというのは非常に大きな魅力と言えるでしょう。

弁護士に発注するメリットは、顧問契約を結ぶことで就業規則が完成した後もフォローをしてもらえるという点にあります。後に労務トラブルが発生してしまった場合でも、就業規則の詳細を理解している弁護士がサポートしてくれることで問題の迅速な解決を図ることができるでしょう。

有資格者の中でも経験豊富な人を探すのは大切

社会保険労務士や弁護士として活動している人は非常に多くいるため、経営者としては「自分に合った人をどのように探したらよいだろう」と考えることでしょう。探し方の具体的なポイントとしては以下の3点が挙げられます。

  • 就業規則の作成経験が豊富
  • 打ち合わせにしっかりと時間を取る
  • 会社そのものに興味を持ってくれる

就業規則の作成経験有無は重要なポイント

弁護士や社会保険労務士の資格を持っているからというだけで慌てて依頼しないように注意しましょう。むしろ、候補となっている人の公式ホームページを確認して、これまでの実績をチェックし、就業規則の作成経験があるかどうかをチェックするのはとても重要です。

これまでに単独で就業規則の作成経験がないという場合、インターネット上に公開されているひな形に沿って作成する可能性が高くなります。

そうしたひな形は基本的に労働者の権利をかなり手厚くしているケースが多く、業種や職種によってはその内容が実際的ではない可能性もあるため、完成した後になってトラブルが発生してしまうというリスクがあるわけです。

打ち合わせに十分な時間を割いてくれるかもチェックしよう

契約が成立する前から、弁護士や社会保険労務士がどれほど時間を取って話を聞いてくれるのかをチェックするのはとても大切です。また、修正してほしいという依頼に対してどれほど迅速かつ誠実な仕方で対応してくれるのかという点もしっかりと確認しておきましょう。

社会保険労務士の中には、職種ごとに就業規則のパターンをある程度持っており、それをベースとして新しい案件に対応していくというスタイルが多く見られています。

その結果、クライアントとのコミュニケーションをあまり取らずに、前例に沿ったもので規則を作り上げてしまうという残念なケースがあるのです。

会社への思いを親身になって聞いてくれる人を探そう

就業規則を必要としている会社そのものにどれほどの関心を持ってくれるのかという点も重要なポイントとなります。

経営者が持つ会社や従業員に対する思い、あるいは会社の未来構想や理念などをしっかりと汲んだうえで規則作成に当たってくれる人を見つけるなら、実際的で会社にも従業員にもプラスになるものが出来上がるに違いありません。

就業規則作成の相場価格は20万円前後

就業規則の作成にかかる費用は、雇用者が10人前後の会社であれば15万円から20万円程度が相場となっています。

ただし、事業規模が大きくなればなるほど価格は高くなり、大企業になると50万円を超えるケースも珍しくないという点を銘記しておきましょう。

「格安で就業規則を作成できます」と謳っているケースもあるものの、大抵は一般的なひな形を提供するだけで、それ以上のアドバイスを求める場合は別料金が発生するというシステムになっていることが少なくありません。

ですから、相場価格と比較してあまりにも安い場合には注意が必要という点を探し方のポイントとして留意しておきましょう。

まとめ

就業規則を新たに作成したいと考えているなら、労働法務のスペシャリストである社会保険労務士もしくは弁護士へ依頼しましょう。発注する前に、これまでの実績を確認したり、電話やメールで相談したりして相手との相性を確認しておくなら、作成の段階になって強いストレスを感じるという事態を防ぐことができるはずです。

監修者のコメント
ドラフト労務管理事務所
代表社会保険労務士 鈴木圭史

2000年に社会保険労務士資格を取得後、人材派遣会社の本店に入社し官庁対応や労務相談を主担当で約9年勤務。2007年には人材派遣会社の監査役に就任。独立後、2008年に大阪の玉造にドラフト労務管理事務所を設立。数々の企業向け官庁対応・労務相談に加え、派遣元責任者講習や職業紹介責任者講習講師や内部監査の代行業務など活動は多岐に渡る。外部セミナー講師を複数実施しており、かゆいところに手が届く現場に即した講義には定評がある。また、海事代理士として陸上のみならず海上労働者の労務相談も適時運営している。

陸上労働者のためのもの社会保険労務士事務所・海上労働者のためなら海事代理士事務所が所管の担当分野となります。弁護士事務所で作成しているケースはあまり耳にはしないですが、陸上・海上ともに対応可能でしょう。

作成代行者と経営者で作成するパターンもありますし、従業員に規定の不明点をアンケート形式でヒアリングして意見を反映するやりかたもあります。また、労働者派遣事業や自動車運転にまつわる事業など発注者の事業体にある程度詳しい事務所に発注をかけるとよいでしょう。

就業規則の発注に焦点をあてるのはその通りですが、のちのトラブル対応や法改正に伴うメンテナンスを念頭に長くお付き合いができる事務所に巡り合うべく顧問弁護士等からの紹介やサイトでの選択を進めることをおススメします。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

就業規則作成の依頼にお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • 就業規則の内容をどう決めればいいか分からない
  • 法律に抵触しない規則作りが難しい
  • 適切な社会保険労務士を見つけられない

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の社会保険労務士に一括で見積もりができ、相場感や各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

労務規定・就業規則作成に対応できる業者を一覧から探す

比較ビズでお仕事を受注したい方へ

資料請求はこちら