【5分で理解】利子所得の確定申告での書き方は?申告不要?わかりやすく解説

小西裕也税理士事務所
監修者
小西裕也税理士事務所 税理士 小西裕也
最終更新日:2022年12月27日
【5分で理解】利子所得の確定申告での書き方は?申告不要?わかりやすく解説
この記事で解決できるお悩み
  • 確定申告で利子所得を申告するにはどうしたらいいの?
  • そもそも利子所得ってどんなものなの?
  • 確定申告の仕方って面倒じゃないの?

 金融機関で高い利子がもらえるように口座を開設したり、公社債によって受け取ったりできる利子所得。 利子所得を受け取ったのはいいものの、「確定申告ってどうやるんだろう?」とお悩みではありませんか?

この記事を読めば、難しく思える利子所得の申告方法や計算方法についてゼロから分かるようになります。「面倒臭くないのか、申告不要だったりしないか」と考えている方、必見です。

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利子所得は原則として確定申告での申告は不要

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利子所得は所得税の確定申告では不要です。利子を受け取る時に、既に所得税が源泉分離課税方式に則って源泉徴収されているためです。

源泉分離税方式とは、支払者が前もって所得税・復興特別所得税の15.315%と地方税5%の20.315%を引いて手渡すシステムのこと。利子の額が高くても低くても適用されるため、利子所得を受け取ったからといって申告する必要はありません。

そもそも利子所得とは?

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利子所得とは利子や配当などによって得られる所得であり、利子所得に該当するものと該当しないものが存在します。以下では利子所得の基礎知識を解説します。

利子所得とは銀行の預貯金や公社債の収入などによる所得のこと

利子所得とは、銀行に預けているお金の利子や国債・地方債・外国国債などの利子、公社債投信の配当によって得られる利子のことをいいます。

注意したいのは利子所得の額です。源泉分離課税システムが適用されるため金額が少なく思えますが、源泉徴収される前の利子収入がそのまま利子所得になります。

利子所得になるもの

利子所得には、利子所得として扱われるものとそうでないものがあります。利子所得に値する所得は以下の表にある6つです。

金融機関の利子 銀行での預貯金で発生した利子のこと。金融機関から口座への振込が行われた時点で納税が完了しているため申告が不要である。
企業内預金の利子 社内での貯蓄制度によって発生した利子のこと。もしくは国家公務員および地方公務員の共済制度から付与される利子のこと。
公社債の利子 国や地方公共団体が発行する公共債と企業が発行した民間債を合わせた利子のこと。
公社債投資信託の収益分配金 投信会社から支払われた分配金の利子のこと。
公募公社債等運用投資信託の収益分配金 株式が一切組み込まれない、公社債及び短期金融商品での利子のこと。
抵当証券の利子 不動産の抵当権付き貸付債権を小口の証券にしたものに発生した利子のこと。運用期間は最大5年程度で、その間の利子は全て源泉分離課税対象。

金融機関や投資信託、証券により生じた所得は利子所得と呼べます

利子所得にならないもの

利子所得にならない所得は主に以下の通りです。

役員や退職者、従業員の家族などが預けた勤務先の預金の利子 事業所得あるいは雑所得になる
学校債、組合債等の公的な利子 雑所得になる
身元保証金として預けていたお金 雑所得になる
所得税等の還付金 雑所得になる

利子所得に当てはまらない所得のうち、多くの場合は「雑所得」に該当します。

利子所得と雑所得との違い

利子所得は何かから発生した利子を指しますが、雑所得は講演料やネットで稼いだ収入などの副収入や公的年金、FXや仮想通貨などの所得を指します。

雑所得とはハッキリ棲み分けがなされているため、覚えておくといいでしょう。

利子所得の非課税項目

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利子所得に関しては以下の非課税項目があります。利子の金額が確定して既に支払いが行われてしまったものに関しては、還付請求ができないということを覚えておきましょう。

  • 障害者等の少額貯蓄
  • 勤労者財産形成住宅貯蓄および勤労者財産形成年金貯蓄

障害者等の少額貯蓄

身体障害者手帳を交付されている人や遺族年金を受け取っている人は、元本が350万円以下であればその利子に関しては非課税になるという取り決めがあります。

勤労者財産形成住宅貯蓄および勤労者財産形成年金貯蓄

「給与所得者の扶養控除等申告書」を勤務先に提出している人で、「財形住宅貯蓄」もしくは「勤労者財産形成年金貯蓄」を利用している人は、2つの合算金額が550万円未満であれば利子に関しては非課税となります。

企業から退職してしまうとこの非課税制度は適用されなくなることを覚えておきましょう。

例外的に確定申告が必要となる利子所得は4つ

利子所得は基本的に確定申告が不要ですが、利子所得の種類によっては「雑所得」として確定申告が必要な場合があります。

確定申告が必要な利子所得の種類は、以下の4つです。

  • 海外の金融機関で受け取った利子
  • 個人間で貸し付けを行った場合の利子
  • 退職者が受け取った勤務先預金の利子
  • 学校債もしくは組合債の利子

海外の金融機関で受け取った利子

日本国内を主たる居住地としているケースでは、海外の金融機関から付与された利子に関しては全て確定申告で申請をする必要があります。

国税庁はCRS(共通報告基準)制度を利用して、日本人が海外に保有している銀行口座の情報を定期的にチェックして課税対象となるかどうかを管理しています。

申告漏れになると重加算税などの罰則が適用される恐れがあるため、利子所得に関しては期間内に必ず申告するようにしましょう。

個人間で貸し付けを行った場合の利子

個人間で金銭の貸し借りを行って利息を請求した場合には、利息を雑収入として請求する必要があります。企業に対して個人が貸し付けを実施した場合でも同様です。

退職者が受け取った勤務先預金の利子

勤務先預金から支払われる利子の源泉徴収は、原則として勤務している人の口座のみが対象です。すでに退職した人や、勤務している人の家族が口座を持っている場合には、源泉徴収が実施されないこともあるという点を覚えておきましょう。

学校法人が発行する債券、もしくは健康保険組合が発行する債券を保有することで発生する利子は、確定申告で別途申告する必要があります。

まとめ

利子所得に関しては確定申告で計上する必要はありません。ただし、個人間の伴って発生する利息分や、海外の金融機関で付与される利子などに関しては、源泉徴収ができないものになるため、個人がしっかりと申告する必要が生じます。

「自分では判断がつかない」という場合は、税金の専門家である税理士に相談してみるとよいでしょう。

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監修者のコメント
小西裕也税理士事務所
税理士 小西裕也

1990年生 大阪府出身 大阪大学経済学部卒業。個人事務所、200人規模の税理士法人で実務経験を積み、2021年に独立。「お客様との対話を大事にする」をモットーに、クラウド会計を活用し、顧客に合わせた節税策や資金繰り対策を積極的に提案。ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを行い、クライアントは全国に。

「利子所得」とは、その名のとおり利子として発生する所得であり、銀行預金や社債の利子並びに合同運用信託及び公社債投資信託等の収益の分配に係る所得をいいます。

利子所得は基本的に源泉分離課税方式がとられ、給与所得や事業所得と合計しないで、その所得ごとに定められた税率が適用されます。それに加えて、利子の受け取り時に税金が天引きされるので、確定申告をする必要がないという特徴があります。

しかし、個人間の伴って発生する利息分や、海外の金融機関で付与される利子などに関しては、源泉徴収ができないものになるため、個人がしっかりと申告する必要が生じます。そのため、利子所得を得たときに、確定申告が必要な「利子所得」だと思わない方も多いです。

利子所得だけではありませんが、確定申告すべき人がしなかった場合や確定申告の期限内に申告と納税が間に合わなかった場合には「加算税」「延滞税」「無申告加算税」などのペナルティがあります。

受け取った利子収入について、確定申告が必要かどうかは、税務署や専門家に問い合わせし、期限内に申告と納税を行いましょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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