美容室が経費にできる費用は?確定申告の際の注意点を解説!
- 美容室経営で経費計上できる固定費は?
- 美容室経営で経費計上できる変動費は?
- 美容室経営者が確定申告する際の注意点は?
「美容室経営の費用で経費計上できるものは?」「確定申告の注意点は?」とお悩みの美容室経営者、必見です。美容室経営でかかる費用を経費計上することで、節税できます。
この記事では、経費にできる固定費・変動費について解説します。記事を読み終わる頃には、適切な確定申告ができるでしょう。美容室経営者の方はぜひ参考にしてください。
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美容室が経費にできる費用5つ(固定費)
美容室が経費にできる固定費は以下の5つです。
- 家賃
- 水道光熱費
- 美容師やスタッフへの給与
- 通信費
- 広告宣伝費
固定費は毎月必要となる支出です。過度な節約は、美容室の居心地のよさやサービスの品質に影響するため注意が必要です。
1. 家賃
美容室が経費にできる代表的な固定費が家賃です。テナントを借りて運営する場合、家賃が毎月数十万円、高い場所では100万円以上となり、固定費の大部分を占めます。
固定費が経営を圧迫しないため、家賃は月の売上の10%程度に抑えることが重要なポイントです。自分が必要とする立地や設備、デザインのテナントが複数ある場合、可能な限り家賃が安い物件を選ぶことで固定費を抑えられるでしょう。
2. 水道光熱費
美容室が毎月支払う経費には、水道光熱費が含まれます。美容室は顧客の髪を洗う、ドライヤーで髪を乾かす、ヘアアイロンを使いますが、水道光熱費は一般家庭よりもやや高い程度です。毎月の水道光熱費の相場は、15坪程度で毎月3万円前後でしょう。
3. 美容師やスタッフへの給与
美容室経営では、美容師やスタッフへの給与も経費に計上できます。顧客が増えてくると新たな人材を雇用するでしょう。
美容師やスタッフを1人雇用した場合、給与と社会保険料で毎月の固定費が30万円前後増えます。地域やエリア内によって、人材確保のために高額な給与を設定しなければならないケースもあります。
4. 通信費
美容室が顧客を獲得するために欠かせないのが通信費です。顧客の予約を受けるため、電話やホームページの準備は必須でしょう。現在ではインターネットからの予約が多く、ホームページや予約サイトの用意が必要です。
一般的にインターネットにかかる通信費は毎月5,000円〜1万円です。固定電話を設置すると毎月2,000円〜3,000円の固定費がかかります。
5. 広告宣伝費
美容室の存在を周知し、顧客を集めるための経費として広告宣伝費が挙げられます。美容室が費やす広告宣伝費は、一般的に売り上げの10%〜15%であり、固定費の大部分を占めるでしょう。
広告宣伝費は固定費であるものの、工夫次第で節約することも可能です。たとえば、SNSやGoogleビジネスプロフィールの活用です。無料で利用でき、集客を効果的に行えるでしょう。
美容室が経費にできる費用5つ(変動費)
美容室が経費にできる変動費は、以下の5つです。
- 消耗品費
- 旅行交通費・交際費
- 保険料
- 租税公課
- 減価償却費
それぞれの費用を解説します。
1. 消耗品費
美容室が経費にできる変動費の1つが、消耗品費です。使用可能期間が1年以内、もしくは10万円未満の備品を購入した場合、消耗品費として全額を経費にできます。該当する備品は以下のとおりです。
- ハサミ
- ブラシ
- くし
- パーマコテ
- 美容器具
- タオル
- パーマキャップ
- シャンプー
- 整髪料
セット椅子・スタイリングチェア、鏡、売上管理のパソコンなども、取得価額が10万円未満の場合、消耗品費として経費計上可能です。10万円以上の価格で取得した設備は、減価償却の対象となります。
2. 旅行交通費・交際費
美容室経営で経費になる支出には、旅行交通費や交際費も含まれます。美容師のスキル向上を目的とした勉強会への参加費用、取引先や組合関係者との飲食費が経費として認められるでしょう。
セミナー会場への交通費、勉強会のための宿泊費、取引先と連絡を取るためのインターネット料金や電話料金も、確定申告の際に経費計上できます。セミナーや勉強会のための支出であると証明するため、領収書の保管や目的の明記を忘れないようにしましょう。
3. 保険料
美容室経営で支払うさまざまな保険料は経費に計上できます。従業員の社会保険料のほかに、美容室となるテナントにかける火災保険料・地震保険料などが該当するでしょう。
複数の美容室を運営していて、拠点間の移動に車が必要不可欠なケースでは、自動車保険料が経費と認められるケースもあります。美容室が支払う保険料の相場は、年間で数万円です。
4. 租税公課
美容師経営で支払う租税公課のなかには、経費に計上できるものがあります。すべての税金を経費にできるわけではありませんが、以下の租税公課は経費計上可能です。
- 事業税
- 事業所税
- 自動車税
- 固定資産税
- 不動産取得税
- 印紙税
- 登録免許税
- 都市計画税
- 各種証明書の発行費用
- 組合に支払う会費
テナントを借りるのではなく、土地や建物を取得して美容室を経営する場合は固定資産税や不動産取得税などを経費にできます。税金だけではなく、事業を行うのに不可欠な証明書の発行費用や組合費も経費になります。
5. 減価償却費
美容室経営で購入する10万円以上の備品に関しては、資産と見なされるため減価償却しなければなりません。減価償却の対象となる資産は一括で経費に計上できず、毎年同額を経費として計上します。
個人事業主では30万円未満の備品を経費計上できる特例を利用して、一括で経費にできる場合があります。取得した資産は原則として耐用年数に応じて徐々に経費化します。資産ごとの耐用年数は、確定申告書作成コーナーにある耐用年数表を参照してください。
美容室経営者が確定申告時に注意すべき点3つ
美容室経営者が確定申告をする際、以下の3点に注意しましょう。
- 美容室独自の勘定科目も設定可能
- 自宅店舗の場合は家事按分が必要
- 美容師の美容費は扱いに注意が必要
確定申告における経費の取り扱いは、税務署から厳しくチェックされるポイントの1つです。税務調査で指摘されることを防ぐため、確定申告の際に細心の注意を払いましょう。
1. 美容室独自の勘定科目も設定可能
美容室経営で発生する経費は、美容室独自の勘定科目で仕訳できます。確定申告の際に記入する収支内訳書・青色申告決算書に記載されている勘定科目に該当するものがなければ、勘定科目を自由に設定可能です。
独自の勘定科目が多くなると仕訳の手間が増えるため注意しましょう。経費の勘定科目を決めたあとは安易に変更せず、毎年の確定申告で同じ勘定科目を使うべきです。
2. 自宅店舗の場合は家事按分が必要
自宅の一部を使って美容室を運営する場合、プライベートと業務の使用割合を用いて経費を計上します。これを家事按分(かじあんぶん)といいます。
自宅の面積のうち40%を美容室として使用している場合、家賃の40%が経費計上可能です。水道光熱費はプライベートと事業を明確に分けることが困難であるため、一般的にコンセント数や蛇口数などを用いて家事按分します。
3. 美容師の美容費は扱いに注意が必要
美容師が他の美容室でカット・カラー・パーマをした際の美容費は、ケースによって経費と認められます。たとえば、競合美容室の調査が目的でカットに行き、支払った美容費は経費になる可能性が高いでしょう。
身だしなみを整えるための美容費や、仕事に使うために購入した衣服・アクセサリーは、業務とプライベートの割合を算出することが困難であるため、経費に計上できません。
まとめ
美容室経営で経費にできる費用のなかには家賃や水道光熱費などの固定費、各種保険料や交際費などの変動費が含まれます。確定申告の際は、すべての経費を漏れなく計上することに加え、経費の目的を明確に説明できることが必要です。適切な節税と正確な申告の両立を目指しましょう。
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岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。
特に新しい技術の習得や新しい手法の学習は、直接すぐに収益に結び付かないこともあり、費用化することに戸惑われているかもしれません。実際に、調査時に経費性が問題になることがあるかもしれません。
一番重要なことは、この技術や手法を導入することによって、このように売り上げが伸びるとか収益性が向上することを、自信をもって説明できることだと思います。その自信をもって経営を続けていただければ、間違いなく、実を結ぶと思いますので、自信をもって事に当たってください。
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