相続登記にかかる費用っていくら?自分でもできるの?
亡くなった方がマンションや土地などの不動産を所有していた場合、それらを相続人の名義に変更することを相続登記といいます。遺産相続のトラブルを事前に回避するために欠かせない手続きです。これらの手続きに関して「どんな書類が必要なのか」「どのくらいの費用がかかるのか」といった点を分かりやすく解説しましょう。
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相続登記とは
「相続登記」とは、マンションや土地などの不動産を所有している人が亡くなった場合に、その不動産を相続する人へ名義を変更する手続きのことです。
この手続きが完了することで、相続者は不動産の新しいオーナーとして正式に登録されることになります。
相続登記を行わないことに対する法的罰則は規定されていません。とはいえ、所有者不明のまま資産価値の大きな不動産が放置されていると、以下の不都合が生じてきます。
- 不動産の売却手続きが不可能となる
- 相続にめぐる法的に複雑なトラブルが発生しやすくなる
そのため、早い段階で手続きを完了することが望ましいでしょう。
特に、名義人が亡くなった後、さらに法定相続人が亡くなってしまうという事態が発生すると、誰の名義へ変更するのが適切であるかが不明瞭になりがちです。
ですから、相続人の間で遺産相続に関する話し合いを行う際には、被相続人名義となっていたすべての不動産に関して「誰が」「いつ」相続登記をするのか詳細に話し合い、合意事項として文面に残しておくのが賢明でしょう。
今後は相続登記の義務化が行われ、「相続により所有権を取得した者は、相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内」に登記申請をしなかった場合は、10万以下の過料に処される」こととなります。(改正不動産登記法第164条第1項) 現行法では法的罰則は規定されていませんが、今後は相続登記の義務化がなされるため注意が必要でしょう。
相続登記にかかる費用
相続に伴う出費と聞くと、多くの人は「相続税」を思い浮かべるでしょう。とはいえ、登記手続きそのものに関しても「調査費用」、「各種証明書発行」および「司法書士報酬」など、多様なコストが発生します。
相続した不動産の調査
相続登記に先立ち、相続人は不動産の調査を行い、以下の3つの書類を準備する必要があります。発行費用のトータル金額は1,500円前後です。
- 名寄帳
- 固定資産評価証明書
- 登記事項証明書
名寄帳は、被相続人が保有していた不動産を一覧にした書類です。相続人が認識している被相続人の不動産に不足がないかを確認するために取得します。
被相続人が保有していた不動産の中には、土地や建物のほか、「私道」や「山林」など、納税通知書には記載されないものが存在する可能性があります。名寄帳は、このような不動産を見落とさず、相続登記に漏れがないようにするために必要な書類です。
手数料は、1通につき200円から300円です。自治体によっては無料で発行してくれるケースもあります。
固定資産税評価証明書は相続登記を行う際の納税額を決定するための書類で、手数料は、1通につき300円から500円程度。相続する予定の不動産がある地方自治体の役所で発行を依頼します。
登記事項証明書は、登記予定の不動産が金融機関等で担保として設定されていないかを確認するもので、手数料は、1通につき600円です。被相続人がその不動産を第3者と共有していなかったかどうかもこの書類を通して確認できます。
相続登記の申請に必要な書類収集
相続登記を行うためには、被相続人と相続者双方に関連した5つの書類を準備することが必要です。
いずれの書類も発行費用は500円から700円前後となっているものの、相続人が多い、あるいは発行を依頼する役所が遠いといった場合には、書類を申請するごとに郵送費用がかかるため、トータルでは2、3万円程度のコストとなるケースも珍しくありません。
- 被相続人の戸籍謄本
- 被相続人の住民票除票証明
- 相続人すべての戸籍謄本
- 相続人すべての印鑑証明書
- 不動産の相続登記を行う人の住民票
被相続人の戸籍謄本では、出生から死亡までの記録がすべて記載されていることを確認する必要があります。この記載内容に不備があると、登記申請を始めることができません。
司法書士に手続きを依頼すると、書類の準備はほぼすべて代行してくれます。ただし、印鑑証明書に関しては、基本的に相続人本人が申請を行って発行してもらう必要があるということを覚えておきましょう。
法務局への申請
不動産の相続に関する登記を行う際には、法務局へ行って「登録免許税」を支払う必要があります。自治体によっては登記所でも相続登記の手続きが可能です。
相続登記に必要な登録免許税は、原則として「不動産の評価額×0.4%」です。ただし、遺言書に「Aさん(法定相続人ではない人)へ遺贈する。」と記載があり、Aさんに遺贈の登記をする場合は「不動産の評価額×2.0%」というやや高い割合での納税が求められます。法定相続人ではない人へ登記をする場合は、相続ではなく、贈与の実質があるためです。
例えば、相続する不動産の評価額が2,000万円となっている場合、相続人に対する相続の登記であれば2,000万円×0.4%で8万円を納税します。 一方、相続人でない人への遺贈の登記を行うケースでは2,000万円×2%となるので、40万円の納付が必要となるわけです。
不動産の評価額は固定資産課税台帳に記載されている価格が自動的に参照されます。そのため、手続きを行う人が不動産鑑定士などへ依頼して評価・算定してもらう必要はありません。
司法書士への平均報酬
司法書士に相続登記の手続きのみを依頼する場合、報酬として支払う金額は5万円から8万円前後が相場となっています。
ただし、不動産の規模が非常に大きい、あるいは複数の不動産を依頼するというケースでは、費用が10万円から15万円程度となってしまうことも珍しくありません。
一方、相続登記の他に、遺産分割協議書の作成などもまとめて依頼する場合には、平均して10万円から13万円前後を支払う必要があります。
報酬額に関しては司法書士事務所ごとに料金表が準備されており、価格帯もさまざまです。ですから、時間的な余裕がある場合にはいくつかの事務所へ見積もりを依頼して比較してみるというのも良い方法でしょう。
専門家に相続登記を依頼するか否かの判断基準
相続登記を相続者自身で行うか、それとも司法書士などの専門家に依頼するかどうかを判断する基準としては、以下の4つが挙げられます。
- 相続の専門的知識を保有しているか
- 手続きの期間が長引いても差し支えないか
- 法務局や役所で何度も手続きをする時間が確保できるか
- 書類の確認、整理および管理が得意か
これらの質問に対する相続者の回答がネガティブなものであれば、専門家に相続の登記を依頼するのが無難でしょう。
まとめ
相続登記の手続きでは非常に多くの書類を用意する必要があります。大半は役所で申請ができ、手数料がいずれも数百円前後とそれほど高くないので、少しでもコストを抑えるために自分で手続きをしてみようという人は珍しくありません。
一方で、申請者が相続する不動産の近くに居住していない場合、申請書類を揃えるための移動や申請によって多大の時間をロスする可能性があります。
上手に時間を活用したいと考えているのであれば、不動産手続きの専門家である司法書士へサポートを依頼するのも実際的な方法です。
そうすることで、申請の間違いによる書類の不足や取り直しなどのリスクはほぼなくなり、円滑かつスピーディーに手続きを進めることができるでしょう。
埼玉県出身。早稲田大学法学部卒業後、都内の司法書士事務所、弁護士法人及び司法書士法人にて研鑽を積み、独立。その他保有資格は、宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士、測量士補 等。これまでに家族信託、事業承継、遺言、会社法、信託契約書作成等に関するセミナー登壇実績あり。主に相続手続きや家族信託を中心とする生前対策コンサルティングを得意とする。
例えば、不動産の調査が足りず、私道部分の登記を漏らしてしまうことがあります。この場合、後日相続した不動産の売却等をする際に、再度相続登記が必要になります。さらには、再度相続登記をする際には相続人が亡くなっている等して、相続関係が変わっている場合もあり、とても面倒なことになる恐れもあるのです。
司法書士に手続きを任せた場合、戸籍の収集や遺産分割の作成、不動産の調査等、相続登記申請に関連する一連の事務作業を全て代行してくれます。事務手続きの煩雑さや、後々面倒になる事態も防ぐことができますし、遺産分割の方法に関するアドバイスももらえるでしょう。
費用との相談にはなるかとは思いますが、専門家に任せることで結果的に安心を得ることができるのではないでしょうか。
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