地盤調査の流れは、下記のとおりです。
- 間取りの決定
- 地盤調査の実施
- 地盤改良工事費用の決定
- 地盤改良工事の実施
地盤調査を行ったうえで、地盤改良工事が必要がない場合は地場調査の実施までで済みます。
地盤調査の期間の目安は、以下を参考にしてください。
実施期間 | |
---|---|
スウェーデン式サウンディング試験 | 半日〜1日程度 |
スクリュードライバーサウンディング試験 | 半日〜1日程度 |
ボーリング調査 | 1日〜数日程度 |
表面波探査法 | 半日程度 |
地盤調査を依頼しようと思っている方であれば「地盤調査にはどのくらいの費用がかかるのか」「そもそも地盤調査は必要なのか」と疑問を持つことでしょう。地盤調査には5万円〜30万円の費用がかかることがあるため、事前に費用相場を知っておく必要があります。
本記事では、地盤調査の種類ごとの費用相場について解説します。最後まで読むと、地盤調査の相場を把握し、適切な業者に依頼できるでしょう。
地盤調査後の地盤改良に必要な費用や、調査の費用を抑えるポイントも紹介するため、これから土地を購入したり家を建てたりする方はぜひ参考にしてください。
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地盤調査には主に4つの方法があります。
費用相場 | |
---|---|
スウェーデン式サウンディング試験 | 5万円〜10万円 |
スクリュードライバーサウンディング試験 | 8万円〜15万円 |
ボーリング調査 | 15万円〜30万円 |
表面波探査法 | 8万円〜12万円 |
それぞれの調査方法と費用相場を詳しくご紹介します。
費用相場 | 実施期間 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|---|
スウェーデン式サウンディング試験 | 5万円〜10万円 | 半日〜1日程度 | ・小さな面積で調査が行える ・価格がリーズナブル |
・沈下特性を細かく計算できない |
スウェーデン式サウンディング試験とは、一般的な住宅でもっともよく用いられる地盤調査の方法です。費用相場は、1回につき5万円〜10万円前後。非常に小さな面積で調査が行えること、他の方法と比較してリーズナブルに行えることが特徴です。
先端にスクリューを取り付けた鉄の棒(ロッド)を地盤に貫入させ、重りをつけたロッドの回転数や、25cmごとの地盤の硬軟や地盤の支持力を調べます。地盤の支持力は調べられるものの、沈下特性を細かく計算できないのがデメリットです。
費用相場 | 実施期間 | メリット | デメリット | |
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スクリュードライバーサウンディング試験 | 8万円〜15万円 | 半日〜1日程度 | ・土質の推定精度が高い | ・調査員の技量に左右される |
スクリュードライバーサウンディング試験は、スウェーデン式サウンディング試験と似た調査方法ですが、土質の推定精度がさらに高い手法です。費用相場は1回につき8万円〜15万円前後です。
地盤の土質は砂質土、粘性土、腐植土などによって支持力が変化します。スウェーデン式サウンディング試験では、スクリューが回転する際の音を目安に土質を推定していました。
スクリュードライバーサウンディング試験では、回転時にかかるトルク、近隣の地盤データなどを含めて検討することで土質の推定精度を高めています。
費用相場 | 実施期間 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|---|
ボーリング調査 | 15万円〜30万円 | 1日〜数日程度 | ・作業に慣れている業者が多い ・データの信頼性が高い |
・価格が高額 |
ボーリング調査は別名「標準貫入試験」と呼ばれる地盤調査の手法です。費用相場は他の調査方法よりも高く、15万円〜30万円前後が一般的です。地面に直径8cmほどの穴をあけ、鉄の筒状部品を挿入、一定の高さからハンマーを落下させ何度打撃を加えたかを計測します。
コストが高いものの、非常に多くの工事現場で用いられてきた実績があるのがボーリング調査です。作業になれている業者が多いこと、データの信頼性が高いことがメリットです。
費用相場 | 実施期間 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|---|
表面波探査法 | 8万円〜12万円 | 半日程度 | ・短い時間で調査が可能 ・地下10mまでの支持力・沈下量の調査が可能 |
・調査員の技量に左右される ・埋設物の影響を強く受ける |
表面波探査法とは、地面に振動を加え、振動の伝わる速さを計測することで地盤の強度を測定する方法です。費用は8万円〜12万円前後。振動を発生させる起震器と振動を捉える検出器を地面に置き、どの程度の速度で振動が起震器から検出器に到達するか測定します。
短い時間で地盤調査が行え、地下10mまでの支持力・沈下量の調査が可能。担当者の技量や地中の埋設物の影響を強く受けるデメリットがあります。
地盤調査の結果、地盤が軟弱であることがわかった場合、地盤改良が必要となります。地盤改良の主な工法は以下の3つです。
1坪あたりの費用相場 | |
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表層改良工法 | 1万円〜3万円 |
柱状改良工法 | 3万円〜5万円 |
鋼管杭工法 | 5万円〜7万円 |
それぞれの工法の概要と費用相場をご紹介します。地盤改良に関して、より詳しい情報を知りたい方は下記の記事もご覧ください。
費用相場 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
表層改良工法 | 1万円〜3万円 | ・小型の重機でも施工が可能 ・コンクリートや石が混入していても施工可能 |
・施工者のスキルが低いとできない |
表層改良工法とは、深さ2mほどの土を掘り、掘った穴にセメント系固化材を入れて土を戻す工法です。土と固化材を混ぜ合わせて地盤を強化。費用は3つの工法の中でもっとも安く、1坪あたり1万円〜2万円前後になります。
小型の重機でも施工ができ、地盤内にコンクリートや石が混入していても施工できるのが大きなメリットです。勾配のきつい土地では施工できない場合があり、施工者のスキルが低いと地盤改良がうまくいかない点に注意しなければなりません。
費用相場 | メリット | デメリット | |
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柱状改良工法 | 3万円〜5万円 | ・軟弱地盤で施工できる | ・柱を打ち込んでしまうと撤去が非常に困難 |
柱状改良工法とは、コンクリートで作った柱を地面に打ち込み、建物を支える手法です。費用は表層改良工法よりも高く、1坪あたり3万円〜5万円前後です。
強度の高い地盤に届くまで柱を打ち込むケースもありますが、一般的には4m〜6m前後の長さの柱を打ち込むことで地盤との摩擦力により、建物を支えます。
軟弱地盤で、下に強固な支持層がなくても施工できる点がメリットです。柱を打ち込んでしまうと撤去が非常に困難で土地の利用方法が限られるため、将来的に土地を売却したい方にとってはデメリットとなります。
費用相場 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
鋼管杭工法 | 5万円〜7万円 | ・軟弱地盤で施工できる | ・柱を打ち込んでしまうと撤去が非常に困難 |
鋼管杭工法は、柱状改良工法と同様に地盤内に鋼管でできた杭を打ち込み、地盤を強化する方法です。地中30m程度まで杭を打ち込めるので、支持層がかなり深いところにある場合でも施工可能です。費用は3つの工法の中でもっとも高く、1坪あたり5万円〜7万円前後になります。
鋼管杭工法は、地盤改良工事後の強度が他の方法と比べて高くなり、多くの荷重を支えられるようになるのが大きなメリット。軟弱地盤の下に支持層がないケースでは施工できません。施工中の振動・騒音が大きくなるため近隣住民への配慮も欠かさないようにしましょう。
地盤調査の費用を抑えるための3つのポイントは以下のとおりです。
地盤調査の費用を抑えるためのポイントは、最初から軟弱地盤の土地を避けることです。最初から地盤が強固であることがわかっていれば、低コストの調査で十分かもしれません。
軟弱地盤を避ける方法の一つが、土地の地名を参考にすることです。「川」「水」「田」といった漢字が含まれている土地は、川や海、他の水源が近く地盤が弱い恐れがあります。加えて、一般的に標高が高い土地は地盤が強固である傾向があるため、土地選びの参考にしましょう。
地盤調査の費用を抑えるための別のポイントは、既存の地盤データを確認することです。公的機関が公表している地盤情報があるので、その情報を参照しながら該当する土地の地盤の強度をある程度予測できるでしょう。
たとえば、国土交通省、国立研究開発法人土木研究所および国立研究開発法人港湾空港技術研究所が共同で運営し、土木研究所が管理している、国土地盤情報検索サイト「KuniJiban」では、全国20万カ所以上のボーリング柱状図が公開されています。
地盤調査や地盤改良のコストを下げるために、セカンドオピニオンを利用する方法もあります。地盤の強固な土地を見つけたと思っても、地盤調査の結果が当初の想定と異なってしまうこともあるでしょう。
地盤調査方法や調査会社によって、結果が異なることがあるためです。そんなときは、地盤調査のセカンドオピニオンを利用するといいでしょう。建設・建築会社の中には地盤調査のセカンドオピニオンサービスを提供している企業があります。
複数の調査を行うことで的確なアドバイスを得られ、地盤改良工事のコストを下げる方法について知ることもできるでしょう。
地盤調査とは、建物を建てる前に地盤が荷重を支えられるのか確認する調査です。地盤調査を行わず、軟弱地盤の上に住宅やビルを建ててしまうと、地盤沈下を起こしたり住宅が傾いてしまったりする恐れがあります。
住宅やビルを建てた後にトラブルが起こらないようにするため、地盤調査は非常に重要です。新築ではなく建て替えでも地盤調査は必要です。
もともと家が建っていたとしても、地盤が強固かどうかは分からず、建てる場所が変われば地盤の強度も変わってしまいます。必要に応じて地盤改良工事をしなければなりません。
地盤調査は、土地を購入したり家を建てたりする前に行います。土地を購入する前には、その土地を利用する方法について検討するため地盤調査が必要です。
すでに所有している土地や相続した土地の場合、家を建てる前に地盤調査を行うことになります。地盤調査をせずに家を建ててしまい、地盤沈下が発生すれば莫大な費用をかけて地盤改良工事や住宅の改修工事を行わなければなりません。
地盤調査は、必ず土地購入や住宅建設の前に行うべきです。
地盤調査を行うと、地盤の強度が分かります。地盤がどの程度の荷重を支えられるかを数値で知ることができるでしょう。よく用いられるのがN値と換算N値という値です。N値の値が大きければ大きいほど、地盤が硬く締まり具合のいい土地であるといえます。
N値と地盤の関係は次のとおりです。
N値0〜4 | 非常に柔らかく、住宅の建設は困難な地盤 |
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N値4〜10 | 平常時には安定しているものの、沈下のリスクは残る地盤 |
N値10〜30 | 小型建造物には耐えられるが、盤石とは言えない地盤 |
N値30〜50 | 中小構造物に耐えられる強固な地盤 |
N値50以上 | 大規模な構造物にも耐えられる非常に強固な地盤 |
N値は標準貫入試験(ボーリング調査)が基本となっています。他の地盤調査結果を換算式によって算出される、N値と同等に扱える数値を換算N値と呼びます。
地盤調査には技術者の経験や能力が大きな影響を与えるため、賢く業者を選ぶ必要があります。地盤調査を行う会社を選ぶポイントは以下の4つです。
地盤調査を行う会社を選ぶ際に重視すべきポイントの1つが、専任の技術者の存在です。専任の技術者が在籍しており、地盤調査を担当してくれる会社は信頼できます。
地盤調査を担当する際に役立つ資格として挙げられるのが「地盤品質判定士」や「住宅地盤主任技師」です。専任の技術者に加え、会社自体に多くの実績があればさらに安心です。
地盤調査後に地盤調査報告書を作成してくれるかどうかも、優秀な業者を見極める方法です。地盤調査報告書とは、下記の要項が記載されています。
住宅を建てる前に必ず取得しておきたい書類です。
業者によっては簡易的な調査結果だけを提示して終わりにしてしまうところもあります。将来的に土地を売却するときのことを考えると、地盤調査報告書を作成してくれる業者を選ぶのが賢い方法です。
地盤調査は失敗が許されない調査のため、補償体制が整っている会社を選ぶ必要があります。万が一、調査不備によって建築後の住宅に被害が発生した場合に、補償を求めることができるためです。
地盤調査を行う業者の中には、不同沈下に対して10年間もしくは20年間の地盤保証をするといったところもあります。安心して住宅を建築するために、補償体制が充実している業者を選びましょう。
地盤調査の費用相場はおおよそ決まっているため、見積額が適正な業者を選ぶことは重要です。以下の点に注意しましょう。
とくに見積額が安い業者は、正確な調査を行わない恐れがあるためです。
見積額が適正かどうかを判断するために役立つのが相見積もりです。3社〜4社の見積もりを比較することで地盤調査の費用相場を知ることが可能でしょう。適正な見積もりを出してきた業者の中から、もっとも信頼できそうな会社を選びましょう。
地盤調査の費用相場は、調査方法によって5万円〜30万円前後と幅があります。調査の手法や地盤改良の工法によって費用が大きく変動することを覚えておくべきです。地盤が強固な土地を購入したり、相見積もりを取ったりすることで、地盤調査の費用を抑えられるでしょう。
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もしも今現在、
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