労働審判にかかる費用は?種類・相場や対象となるトラブル例4つを解説
- 労働審判の費用相場はいくら?
- 労働審判にかかる費用の内訳は?
- 労務審判にかかる費用を安く抑えるには?
労働審判とは主に使用者と労働者間で起こるハラスメントや労災、残業代などに関するトラブルを解決するために行われます。
この記事では、労働審判でかかる費用を解説します。内訳や費用を抑える方法を紹介するため、どれくらいの費用を用意すればよいのかがわかるでしょう。
労働審判で扱われる問題例も紹介します。ぜひ参考にしてください。
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労働審判にかかる裁判所への費用
労働審判は、使用者と労働者の間のトラブルを解決するために設置された特別な裁判です。訴訟手続きとは異なり、非公開の手続きです。実情に基づき、適正で迅速な解決を図るための審判です。
労働審判とは事業主と労働者間で起きた問題を解決する手続き
迅速な解決を目指すため、原則として3回以内の期日で審理を終えます。労働審判は、雇用者と従業員との間の紛争を解決するために設置された特別な裁判所です。以下は労働審判の手続きごとの内容です。
手続き | 内容 |
---|---|
申立て | 地方裁判所へ申立書を提出する |
期日指定・呼出し | 申立てがされた日から40日以内の日に第1回の期日を指定し、当事者双方を呼び出す |
答弁書等の提出 | 労働審判官が定めた期限までに、答弁書等を提出する |
期日における審理 | 直接事情を聴取する |
調停成立 | 話し合いがまとまれば終了 |
労働審判 | 調停で話がまとまらなければ労働審判委員会が事案の実情に即した判断をする |
裁判所へ支払う費用は訴訟額に応じて異なる
裁判所への手数料は、直接裁判所に支払います。弁護士費用の基準は以下のとおりです。
費用の種類 | 内容 |
---|---|
着手金 | ・相手から獲得したり、減額した場合の依頼者の利益の額が基準 ・着手金の最低額は10万円 ・300万円以下の場合 8% ・300万円を超え3,000万円以下の場合 5% + 9万円 ・3,000万円を超え3億円以下の場合 3% + 69万円 ・3億円を超える場合 2% + 369万円 |
報酬額 | ・相手から獲得したり、減額した場合の依頼者の利益の額が基準 ・300万円以下の場合 16% ・300万円を超え3,000万円以下の場合 10% + 18万円 ・3,000万円を超え3億円以下の場合 6% + 138万円 ・3億円を超える場合 4% + 738万円 |
労働審判にかかる弁護士の依頼費用
次に労働審判にかかる弁護士の依頼費用を解説します。
労働審判を行う場合、裁判の代理人として資格のある弁護士に依頼することが推奨されています。法律の要件にのっとり、正しく主張・立証する必要があるためです。
労働審判を弁護士に依頼する場合、主に下記の4つの費用がかかります。
内容 | 金額 |
---|---|
相談料 | 5,000円〜5万円 |
手数料 | 2万円〜50万円 |
成功報酬 | 弁護士事務所の規定による |
実費・日当 | 実際にかかった交通費など |
それぞれの詳細を解説します。
1. 相談料
相談料とは、弁護士と依頼者の間で行われる相談にかかる料金のことです。この料金は、事件の複雑さや弁護士の経験によって、5,000円から50,000円まで幅があります。相談料は、通常、相談の前に支払われます。
2. 手数料
手数料は、弁護士によって請求される手数料です。事件の複雑さや弁護士の経験によって異なります。手数料は通常前払いであり、案件によって2万円から50万円の範囲となります。
3. 成功報酬
場合によっては、弁護士が成功報酬を提示することもあります。クライアントが労働審判で受領した補償の一部を弁護士が受け取ります。標準的な弁護士費用を支払う余裕がない人のためのオプションとして有効です。
4. 実費・日当
手数料のほかに、弁護士が依頼者の代理人として事件を処理するために請求できる費用があります。旅費や文書処理費などの実費、弁護士の日当です。
労働審判で発生する弁護士費用を抑える方法
労働審判に関する費用を安く抑えるには下記の2つの方法があります。
- 無料相談を利用する
- 自分でできる範囲は自分で行う
1. 無料相談を利用する
無料相談は、高額な弁護士費用を支払うことなく、経験豊富な弁護士から法的アドバイスを受けることができる方法です。状況を評価し、解決の最良の選択肢を決定できます。
民間の弁護士のなかには、無料の初期相談を実施しています。うまく活用することで、専門家の目線から有益な情報が得られます。
2. 自分でできる範囲は自分で行う
労働審判の手続き以外でも、可能な限り自分で問題解決に取り組むようにしましょう。時間や費用の節約になるだけではなく、弁護士に依頼して労働審判に持ち込むよりもストレスが少ない場合があります。
問題の種類によっては法的手段に訴えることなく、相手方と交渉したり、解決策を見出したりすることも可能な場合があります。
労働審判の対象となるトラブル例4つ
労働審判は、雇用や労働に関するさまざまな問題を扱います。職場で発生し、労働審判の対象となる一般的な問題の例を4つ紹介します。
- ハラスメントに関するトラブル
- 労災に関するトラブル
- 残業代に関するトラブル
- 長時間労働に関するトラブル
1. ハラスメントに関するトラブル
職場におけるハラスメントは、ときに労働審判で対応する重大な問題です。差別的な慣行、不当な扱い、敵対的な言語が含まれます。従業員が彼らの主張が有効であることを証明できれば、裁判所は従業員に有利な判決を下せます。
2. 労災に関するトラブル
労災の請求は、裁判所ではなく、労働審判所が行います。補償額をめぐる紛争や、労災給付の支払い拒否が含まれます。労働審判所は事件を審理し、従業員に有利な裁定を下したり、雇用者に支払いを命じることが可能です。
3. 残業代に関するトラブル
時間外手当も労働審判で扱う問題です。労働時間や残業代率に関する紛争を含みます。審判は、従業員に有利な判決を下すか、支払われるべき賃金を提供するために雇用者に判決を下せます。
4. 長時間労働に関するトラブル
長時間労働も労働審判の対象となる問題です。従業員は仕事量が不合理であるか、労働法に違反しているかを証明できれば、従業員に有利な判決を下すか、彼らの慣行に変更を加えられます。
まとめ
労働審判の費用は高額になりますが、費用を抑えるための対策はあります。無料の相談窓口を利用したり、可能な限り自分で作業したりすることで、手続きにかかる費用を抑えられます。ハラスメントや残業代、長時間労働など、さまざまな問題に対応できるように作られています。
労働審判を依頼する弁護士選びにお悩みの方は『比較ビズ』を利用してみてはいかがでしょうか。
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1984年京都市生まれ。不動産・相続・会社の「登記」に必要な手続きを代理する専門家であり、若手ならではのフットワークの軽さと様々な職業経験で培った対応力を持つ法務大臣認定司法書士。自身が法律知識ゼロで資格学習を開始した経験から法律の適用や用語の難しさを理解しており、平易でわかりやすい説明を心がけており評価を得ている。
一方司法書士とは原則的には不動産登記や商業登記といった手続きの代理人として動く法律専門家であり、認定司法書士として法務大臣に認定された一部司法書士のみが「簡易裁判所において行われる訴額140万以内の民事紛争」の代理行為を弁護士のように行うことが可能です。
この「簡易裁判所において行われる訴額140万円以内の民事紛争」という制限が司法書士に依頼する場合のネックになります。
?残業代等の請求を会社に行いたい場合に、その金額が140万円以上であれば司法書士は代理人として依頼を受けることができません。
?地方裁判所の手続きである「労働審判」についてはそもそも司法書士は代理人としての依頼を受けることはできません。
?残業代等の請求とあわせて、不当解雇についても争いたいといった場合は原則として訴額が140万円を超えるとみなされるため司法書士は代理人として依頼を受けることができません。
?争いの途中で「簡易裁判所において行われる訴額140万円以内の民事紛争」を超えたり外れたりした場合は司法書士は代理業務を継続することができません。
特に?の場合はあらためて弁護士に依頼しなおす必要が発生するため、余分な費用が発生する可能性があります。 ご自身の行いたい争いにおいてどちらに依頼するのが良いのかという事について判断することで、余計な費用や手間を省くことに繋がります。
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