システム開発の見積もりの特徴は?内訳項目やチェックすべき8つのポイントを解説
- システム開発の見積もりの特徴や根拠とは?
- システム開発の見積もりの内訳項目は?
- システム開発の見積もりをチェックする際のポイントは?
「システム開発の見積もりの特徴や内訳項目がわからない...」とお悩みの担当者、必見です。
システム開発の見積もりは、一般的な作業の見積もりよりも内訳項目が多く、算出方法が多いため非常に複雑です。自社の要望と見積もりの内容にズレがないか確認する必要があります。
本記事では、システム開発の見積もりの特徴や内訳項目・見積もりをチェックする際の8つのポイントを解説します。記事を読み終わった頃には、システム開発の見積もりの特徴や内訳項目を理解して見積もりをもとに最適な外注先を選択できるでしょう。
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- どの開発会社に依頼したらいいかわからない
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システム開発の見積もりの特徴
システム開発の見積もりは、煩雑になりがちです。システム開発にはさまざまな開発方法や作業工程があり、見積もりの項目や算出方法が数多く存在するためです。開発の方法や工程ごとに見積もりの内容が異なり、複雑化しやすくなります。
見積もりの項目や算出方法が多い
システム開発の見積もりは項目や算出方法が開発会社によって異なるため、非常に複雑化しやすいです。システム開発の外注先選びで成功するためには、見積もりをチェックする「基本的な知識」を持ちあわせておくことが大切になります。
外注先によって見積もり金額が異なる
同じ内容のシステム開発であっても、開発会社によって見積もり金額が異なるケースが多いです。システム開発にかかる「人件費単価」や「作業工程」が開発会社によって異なります。よい外注先を選ぶためには、複数の企業から見積もりを取り、比較検討しましょう。
システム開発の見積もりで使用する4つの計算方法
システム開発の見積もりで使用する計算方法は、以下の4つです。
- 類推見積(トップダウン)
- 係数モデル(パラメトリック見積)
- ボトムアップ(工数積上げ)
- プライスツーウィン法
各見積もり方法の特徴を理解することで、開発会社の見積書に対して適切な判断を下せるようになるでしょう。
類推見積(トップダウン)
類推見積とは、過去にあった類似プロジェクト事例を参考に、具体的な見積もりを算出する方法です。過去の事例を参考にするため、ほかの方法よりもスピーディーに見積もりを出せます。
予想工数や費用に大きなずれが生じにくく、正確性にも優れた見積もり方法ですが、過去に類似事例がない場合は見積もりを出せません。「類似事例があるからこそ成り立つ見積もり方法」と覚えておきましょう。
係数モデル(パラメトリック見積)
係数モデルとは、特定の数式モデルを使用して、各作業を数値化したうえで見積もりを算出する方法です。機械的・数学的な算出方法であるため、見積担当者の知識や経験に結果が左右されません。
デメリットは、係数モデルの正確性が蓄積されたデータやサンプル数への依存度が高いことです。サンプル数が不十分では、見積もりの精度が極端に下がってしまいます。点数だけで評価できない項目も、適正な見積もりが出せない点を把握しておきましょう。
ボトムアップ(工数積上げ)
ボトムアップとは、プロジェクトで完成するシステムと構成要素を想定し、見積もりを算出する方法です。作業1つひとつの工数をもとに見積もりを算出するため、抜け漏れが発生しにくい特徴があります。
工数が適切に細分化できるケースでは、もっとも信頼性の高い見積もり方法といえるでしょう。デメリットは、システム完成までの工数が読みづらい大規模なプロジェクトに不向きな点です。
プライスツーウィン法
プライスツーウィン法とは、クライアントの予算にあわせて見積もりを算出する方法です。予算をベースに見積もりを取るため、予算の過不足を防げるメリットがあります。予算を決めたうえで開発を依頼するケースでは、優れた方法といえるでしょう。
デメリットは、予算ありきの見積もりになるため、思わぬ機能不足が発生しやすいことです。機能不足を補うため、二次開発・三次開発と追加の開発が必要となれば、結果的にコストが増大してしまいます。
システム開発の見積もりの内訳11選
システム開発にはさまざまな項目があり、開発会社によっても内訳が異なるため、すべてを把握するのは難しいです。代表的な内訳は、以下の11種類となります。
- 要件定義費用
- 設計費用
- UIデザイン費用
- 進行管理費用
- 開発費用
- テスト費用
- 導入費用
- 導入支援費用
- 購入費用
- 交通費用
- 保守費用
各費用の特徴をつかんで、見積もりに必要な知識を身につけましょう。
1. 要件定義費用
要件定義費用は、システム開発の仕様や方針を定めるための費用です。「どういうシステムが必要なのか」「システムを導入することで何を解決したいのか」を明確にします。開発費用の10%前後を占める重要な費用です。
2. 設計費用
設計費用は、設計環境を整えるための費用です。ベースとなる基本設計から、サーバーをはじめとするインフラ整備・専門言語の検討が含まれます。発注側がシステム開発前に最後に関わる工程のため、要件定義とともに重要な部分です。
3. UIデザイン費用
UIデザイン費用は、利用者側から見えるシステム画面のデザインを検討する費用です。テンプレートではなく、カスタマイズしたものを選択する場合に必要になります。誰でも見やすく、使いやすいデザインにするためには、十分なUIデザイン費用が必要です。
4. 進行管理費用
進行管理費用は、作業スケジュールの管理や調整に必要な費用です。開発プロジェクトを統括するプロジェクト・マネージャーやディレクターにかかる費用で、プロジェクトに参加する人数が増えるほど費用が増加します。
5. 開発費用
開発費用は、システム構築に携わるプログラマーやシステムエンジニアの人件費です。システムの規模や難易度により、参加する人数や開発期間が異なるため、開発費用は大きく変動します。
6. テスト費用
テスト費用は「開発したシステムが正常に作動するか」のテストをするための費用になります。開発の途中でもテストが必要な場合が多く、テストの種類も多様です。テスト段階でバグが見つかった場合は、修正・再テストを行い、実装レベルまで到達しているかを確認します。
7. 導入費用
導入費用は、完成したシステムを導入する際の初期設定の作業費用です。旧システムを利用している場合は、システムの移行や連携を行います。移行を前提とする場合は、導入費用が高くなることを覚えておきましょう。
8. 導入支援費用
導入支援費用は、開発会社がシステムの操作マニュアルを作成するための費用や完成したシステムの操作説明会を行うための費用です。システムをスムーズに導入するためには必要不可欠となります。
9. 購入費用
購入費用は、ソフトウェアやサーバーの導入など、システムを運用するために必要な機材を購入するための費用です。
10. 交通費用
交通費用は、開発会社との打ち合わせにかかる旅費や交通費です。遠方の開発会社に依頼している場合は、宿泊費も計上されます。該当する経費が多く、複雑になりやすいため、整理しておきましょう。
11. 保守費用
保守費用は、完成したシステムのメンテナンスや不具合の修正などアフターケアに必要な費用です。直接的な修繕費だけではなく、操作方法がわからない場合の問い合わせ対応に関わる費用も含まれます。
システム開発の見積もりをチェックする際の8つのポイント
システム開発の見積もりをチェックする際のポイントは、以下の8つです。
- 作業範囲が明確になっている
- トラブル対応費が含まれている
- 事前調査・解析に必要な工数が含まれている
- 示された数字の根拠が明確である
- 前提条件が明確に示されている
- 必要なハードウェア・ソフトウェアの購入金額が含まれている
- わからない項目は必ず質問する
- 3〜4社の相見積もりを行い金額と内容のバランスを考えて選ぶ
システム開発の費用は複雑になりやすい点が特徴です。各ポイントを理解して、不要な追加費用が出ないように注意しましょう。
1. 作業範囲が明確になっている
見積もりを確認する際は、タスク1つひとつが明確に提示されているかを確認しましょう。システム開発には「基本設計から運用・リリースまで」「要件定義から総合テストまで」など、さまざまなパターンがあります。
作業範囲によって費用が異なるため、正確な見積もりを出すためには、依頼できる作業範囲の確認が必要不可欠です。見積もりを出してもらう際は、どこまで依頼できるかを確認しましょう。
2. トラブル対応費が含まれている
見積もりを確認する際は、ある程度の修正費やトラブル対応費が含まれているかの確認をしましょう。開発段階で「修正箇所」が出ることはよくあります。
リスクを想定し、万が一の事態に備えることが重要です。トラブルが重なると工数が増え、費用が増大します。見積もりのなかに、システム開発で起こり得るリスクに対する費用が含まれているかを確認しましょう。
3. 事前調査・解析に必要な工数が含まれている
見積もりを確認する場合は、事前調査や解析に必要な工数が含まれているかを確認しましょう。要件定義を作成するために必要な事前調査や分析にかかる費用は、おろそかになる傾向があります。調査・分析に必要な工数も考慮し、見積もりにしっかりと計上されているかを確認しましょう。
4. 示された数字の根拠が明確である
見積書の各項目に金額の根拠が明確に記載されているかを確認してください。見積もりで算出されたコストや工数に「不自然な点はないか」「適切な数値であるか」をしっかりと確認しましょう。
注意点は「〇〇一式」の表現です。詳細がわからない表現は、金額の妥当性を検証するためにも開発会社に確認する必要があります。不必要なコストや工数が含まれていないか注意しましょう。
5. 前提条件が明確に示されている
「システム開発の見積もりに必要な前提条件」の項目がしっかりと満たされているかを確認しましょう。前提条件とは、システムの対象範囲や言語開発などの使用技術のことです。
前提条件のすり合わせが不十分では、開発が進むにつれて互いの認識のずれが発生するリスクが高まります。契約後にトラブルが起きないように、前提条件をしっかりと可視化してもらいましょう。
6. 必要なハードウェア・ソフトウェアの購入金額が含まれている
6つ目は、見積書に必要なハードウェア・ソフトウェアの購入金額が含まれているかを確認することです。システムを導入するときに、必要な機材の金額を追加で請求されることがないようにしましょう。
必要な機材が明確に示されていれば、不必要な機材を購入せずにコストを下げられます。無駄な出費を減らすためにも、ハードウェア・ソフトウェアの購入金額の確認は必須です。
7. わからない項目は必ず質問する
7つ目は、わからない項目は必ず質問することです。不明な個所が少しでもあれば質問するようにしましょう。詳細を確かめずに依頼すると「実は必要ない」「余計な出費がある」「ほかの部分に予算をかけられた」と悔やむケースがあります。
システム開発やWeb制作などの専門分野に関わる業務依頼の場合は、依頼先に知識面で優位があるため正確な見積もりを見極めにくいです。「相手はプロだから」と安心せず、見積書の詳細を必ず確認しましょう。
8. 3〜4社の相見積もりを行い金額と内容のバランスを考えて選ぶ
システム開発の見積もりを行う際は、3〜4社の相見積もりを取り、金額と内容のバランスを考えて検討しましょう。システム開発を依頼する開発会社を選ぶときは、3〜4社に絞ってから選択することがおすすめです。一括見積もりを依頼すると会社が多すぎるため、比較が大変になります。
金額だけに惑わされないように注意してください。予算が決まっている場合、ついつい安さを重視してしまいますが、重要な点は必要な機能が備わっていることです。費用が高くても、自社の仕様にあったものを選択しましょう。
まとめ
システム開発の見積もりは、項目が多いため煩雑になりがちです。要件定義費用・開発費用・保守費用などの基本的な項目を理解して、見積書を正確に判断しましょう。見積書の計算方法は、類推見積・係数モデル・ボトムアップ・プライスツーウィン法の4つです。
各計算方法のメリット・デメリットを理解することで、自社にあった計算方法を選択できます。作業範囲が明確・3〜4社の相見積もりを取るなどのポイントをおさえて、最適な外注先を選択しましょう。
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システム開発の立ち上げ時はプロジェクトの成否のほぼ全てがかかっていると言っても過言ではありません。
そのため、見積もりを通しての開発会社の選定は非常に重要です。コラムでも触れている通り、適切な見積もりを出してもらうためには「何を作ってもらいたいか」をきちんと 整理・伝えることが重要です。
そうはいっても、開発に入る前に全ての情報や状況を網羅しきることは中々現実的ではありません。要件定義自体をサポートしてもらう事も視野にいれた方が全体的なコストは下がる事が多いです。開発会社が要件定義に加わることで開発の見積もりの精度や見通しも改善されます。
また、開発中にどういった事を期待するかによっても選定基準は変わります。類似実績が豊富な開発会社であればノウハウも豊富なため開発中も柔軟な対応が期待できますし、 新規性が高かったり期間が短いプロジェクトであれば技術力が高い会社が良いでしょう。
「何を作るか」と「開発会社に何を求めるか」の整理をした上で、見積書や提案についてきちんと説明をしてくれる開発会社を選ぶことがシステム開発の成功の第一歩といえます。
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また、開発中にどういった事を期待するかによっても選定基準は変わります。類似実績が豊富な開発会社であればノウハウも豊富なため開発中も柔軟な対応が期待できますし、 新規性が高かったり期間が短いプロジェクトであれば技術力が高い会社が良いでしょう。
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