地質・深さ・大きさなど、井戸掘りの対象となる土地の条件に応じて工事期間は変動しますが、一般家庭の掘削工事であれば2日〜3日程度で完了する場合が多いようです。
その後のケーシング設置・洗浄・ポンプ設置などを含めても、井戸水が使えるまでに7日〜10日程度を見ておけば問題ありません。
「井戸を100m掘る場合の費用が知りたい」「できるだけ格安で井戸掘りの費用をおさえたい」と悩んでいる個人事業主や中小企業の方、必見です。
井戸掘りにかかる費用は深さによって変わります。またポンプ設置や水質改善、メンテナンスなどにも費用はかかります。
この記事では、井戸掘りの費用相場について解説します。この記事を読み終わった頃には、自社のケースでどれくらいの費用がかかるのかをイメージできるようになるでしょう。
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井戸掘り(さく井工事)というと、ボーリング工事を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実際にどのような手順で井戸は作られるのでしょうか?井戸掘りの対象となる土地の条件によって工法は異なりますが、まずは、代表的ともいえる井戸掘り工事の手順を簡単に紹介しておきましょう。
井戸掘り工事の手順 | 概要 |
---|---|
資料調査・現地調査 | 井戸掘り工事が可能か?井戸水が出そうか?調査を実施 |
井戸掘り工事の準備 | 掘削機搬入、井戸設置場所の整備・がれき撤去作業(ハツリ作業・ガラ撤去) |
井戸掘り掘削作業 | 地下水が出る深さまで掘削作業を進める |
ケーシング設置 | 井戸水を給水するためのパイプを設置 |
仕上げ・洗浄 | ケーシング先端のストレーナー(吸水口)保護のために川砂利を挿入し、井戸内を洗浄 |
ポンプ設置 | 井戸水を汲み上げるためのポンプを設置。手動式・電動式がある |
井戸掘り工事完成 | 井戸水の濁りがなくなるまでポンプで汲み上げる |
工事のおおまかな手順が把握できたところで、井戸掘り費用にどのくらいを見ておけばいいのか?相場観を解説していきます。
もろもろの要因で井戸掘りの工事費用は変動しますが、一般家庭の生活用水に使う井戸掘り工事の費用の相場としては下記の金額が相場です。
井戸の深さ | 工事費用 |
---|---|
20〜40m | 約20〜50万円程度 |
50m以上 | 約60〜100万円程度 |
井戸掘りは対象となる土地の条件によって工法が異なるうえ、どのくらいの取水量が必要かでケーシングの径(太さ)も変えなければなりません。
井戸掘りは地下水のある場所まで掘削していく工事であるため、井戸の深さに応じて工事費用が変動します。一般的な井戸掘り工事事業者であれば、20万円〜50万円程度の基本料金にプラスして、掘削する深さに応じた追加料金が請求されるケースが多いです。
その場合の掘削単価相場は以下のとおりです。
井戸掘りの掘削単価(1mあたり) | |
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井戸掘りが50m未満の場合 | 5,000〜10,000円程度 |
井戸掘りが50m以上の場合 | 15,000円〜 |
ただし、地中深くまで井戸掘りが必要な場合でも、基本料金のみで対応してくれる事業者も存在します。井戸掘りする場所の条件にもよりますが、工事費用を抑えるには事業者選定が非常に重要なポイントとなるでしょう。
井戸掘り工事の費用は、掘削からケーシング設置、仕上げ・洗浄、ポンプ設置までが含まれている場合がほとんどです。しかし、地下水を汲み上げるための「ポンプ」の費用は、追加でかかります。
ニーズにあわせて手動、もしくは電動ポンプを選択できますが、おおよそ6万円から15万円程度の予算を考えておけば間違いありません。
ポンプの種類 | 費用相場 |
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手動ポンプ | 60,000円程度〜 |
電動ポンプ | 100,000円程度〜(消費電力による) |
電動ポンプは井戸水を自動で汲み上げてくれるため手がかかりませんが、電力がなければ動かないため防災用としては充分とはいえません。電動ポンプを設置する場合は、万一に備えて発電機も用意しておくことがおすすめです。2万円程度から良質な発言機を入手できます。
井戸掘り工事によってキレイな井戸水が汲み上げられるようになっても、そのままでは飲料水として利用できません。キレイに見えてもあらかじめ消毒されているわけではない地下水は、水質検査によって飲料水として利用できるかどうかを確認する必要があるためです。
水質検査の結果、飲料水として適切な井戸水ではなかった場合はどうすべきか?庭への散水や生活用水として利用する分にはそのままでも問題ありませんが、飲料水としても利用したいなら「水質改善」する必要があります。
水質を改善するためには、専用の装置を購入・設置する必要があり、約6万円〜10万円程度の追加費用がかかります。高性能な水質改善装置であれば20万円を超える場合もあります。
さく井工事が完了すれば、そのまま井戸をずっと使い続けられる、というわけではありません。定期的な洗浄をはじめとした井戸のメンテナンスが必要であり、これは井戸の所有者の責任でもあります。
ただし、所有者自身が洗浄・メンテナンスすることは現実的とはいえないため、井戸掘り工事事業者に依頼することになるでしょう。井戸の状態・形状などによって異なりますが、井戸掘り工事事業者にメンテナンスを依頼した場合の費用相場は、おおよそ6万円前後からとなります。
井戸掘りするための工事方法には、大きく3種類あります。
「どのような井戸を掘るのか?」「井戸掘りする場所の地質はどうか?」そして「まわりの環境はどうか?」 といった要素を鑑み、適切な手法、もしくは複数の手法の組み合わせが採用されます。
井戸掘り工事事業者が適切な工法を提案してくれるため、依頼者が詳しく知っておく必要はありませんが、それぞれの特徴を把握しておくことも肝心です。以下で簡単に解説していきましょう。
パーカッション工法とは、先端にビット(錘)のついたワイヤーロープを一定間隔で自由落下させ、その衝撃で地層を突き崩しながら掘削していく工法です。
パーカッション工法の長所 | パーカッション工法の短所 |
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敷地が狭くても工事が可能 | ほかの工法に比べて時間がかかる |
少人数でも工事を実施可能 | ロータリー工法よりも騒音・振動が大きい |
掘削後の仕上げが簡単 |
200mm〜1,000mm程度の大口径、かつ200m以内の浅めの井戸を掘削するのに適しています。ただし、溜まった掘りクズをすくいながら掘り進めていくため、掘削工事の時間がかかってしまう難点もあります。
比較的柔らかい地層に向いているため、工事費用を安価に抑えられやすいです。騒音・振動が大きめなため、工場・水道施設・ゴルフ場などの掘削でパーカッション工法が採用される場合が多いでしょう。
ロータリー工法とは、先端にドリル付きのビット(錘)を取り付けた管を回転させ、地層を破砕しながら掘削していく工法です。
ロータリー工法の長所 | ロータリー工法の短所 |
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どんな地層でも安定して掘削できる | 泥水・排水処理に経費がかかる |
騒音が少なく市街地でも工事しやすい | 泥水を使うため仕上げに時間がかかる |
300mm以下の小〜中口径、かつ1,500mまでの深い井戸を掘削するのに適した工法です。ポンプで送り込んだ泥水で、ビットを洗浄しながら掘りクズを地上へ搬出させるため、排水処理に経費がかかる、仕上げに時間がかかる難点もあります。
浅い井戸から深い井戸掘りまで対応でき、市街地でも工事できるロータリー工法は、一般家庭を中心としたさく井工事にもっとも活用される手法でしょう。
エアハンマー工法とは、エアハンマーと呼ばれるバーカッションドリル + ビット(錘)を管の先端に取り付け、コンプレッサー(空気圧)の力によって掘削・掘りクズ除去を同時に行う工法です。
エアハンマー工法の長所 | エアハンマー工法の短所 |
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固い地盤を素早く掘削できる | 柔らかい地盤には使えない |
掘削・掘りクズ所を同時に行うため仕上げが早い | 深い井戸掘りには使えない |
騒音が大きく市街地では使えない |
350mm以下の小〜中口径、かつ固い地盤の井戸掘りに適した工法です。あまり深く掘れない、騒音が大きく市街地では使いにくいなどの難点もあります。
井戸掘りをするメリットは下記の3つです。
上水道を使う必要がないため、上水道料金がかかりません。飲料水や生活用水として十分に貯水できる見込みがあれば、井戸を掘るといいでしょう。
ただしお風呂や洗濯やトイレなどに利用する場合は、下水道料金が発生するため注意しましょう。
災害が起きて水道が断水しても、井戸に貯水をしていれば、飲み水やトイレに利用できます。
災害時は水の確保が難しいため、水不足に陥る可能性が高いです。井戸があると3日〜7日ほど耐えしのげるため、水不足対策になるでしょう。
井戸の水は地下水であるため、年中水温が一定しています。水道だと夏場は水がぬるく感じたり、冬場は冷たく感じたりすることがあるでしょう。
地下水だと水温が安定しているため、ストレスなく生活用水として利用できます。
井戸掘りをした際、以下のデメリットが生じます。
必ずしも井戸水の水質がいいとは限りません。地質や地形によって水質が悪い場合があります。
水質がよくない場合は、浄水装置の設置が必要になるでしょう。飲み水として利用する場合は、水質調査を徹底的に行う必要があるため手間がかかります。
生活用水としてメインに利用している場合は、定期的な水質調査が必要になるため、コストがかかります。
水道局が水質管理をしている水道と違って、井戸水は自身で管理する必要があります。少なくとも年に1回は水質調査をするべきでしょう。
とくに飲用水として利用する場合は、水道法により水質調査が義務化されています。1回の調査で約5万円ほどかかるでしょう。
電動式ポンプで井戸水を汲んでいる場合、災害時に停電して利用できないリスクがあります。
災害を考慮して、手動のポンプでも水を汲めやすいような設計にしておくといいでしょう。
優良な井戸掘り工事事業者を選定しましょう。
地質・条件によって費用が変動する井戸掘り工事ではありますが、だれしもが条件に応じた適切な費用で確実に工事してもらいたいと思うでしょう。
優良な井戸掘り工事事業者を見極めるにはどうすべきか?ヒントとなるポイントを簡単に解説していきます。
まずは、井戸掘り工事事業者から受け取る見積書の内容をしっかり確認してください。
優良な事業者であれば「見積書が作業項目ごとに明確に分類されている」「それぞれの作業にかかる費用が明確に記載されている」はずです。
間違っても「工事費用一式」といった見積書を提出する事業者を選んではいけません。見積書を確認する際にもうひとつ気を付けておきたいのが「どんな場合に追加費用が発生するのか?」「その場合の追加費用はいくらなのか?」が明確にされているかです。
もし見積書に記載がないようなら、直接事業者に問い合わせてみましょう。具体的な回答が得られないようなら要注意です。
資料調査・現地調査をしっかり行っていても、井戸掘りさえすれば地下水を取水できるというわけではありません。ときには100m掘り進んでも地下水がでない場合もあります。
高額なさく井工事費用を支払っただけで井戸水が使えないといった事態にならないよう、万が一の保障がある井戸掘り工事事業者を選定すべきです。
たとえば、井戸水が出なかった場合、最低限の実費のみで工事費用を返金してくれる事業者も存在します。見積書の値段ばかりを気にするのではなく、保障があるかどうかを確認しておくことが重要です。
井戸掘り工事以降も洗浄を含めた井戸のメンテナンスは必要です。定期的に必要になるメンテナンスにも対応できるのか?アフターサポートの体制が整っているのか?なども井戸掘り工事事業者に確認しましょう。
工事後の不具合に対応してくれるのか?保障期間が設定されているのか?なども同時に確認しておきたい要素です。
井戸掘り工事は騒音や通路の通行制限など、近隣の方に迷惑をかけるため、定期的に配慮してくれる業者を選びましょう。
工事前のお知らせや挨拶回りなどが、徹底している業者は信頼できる可能性が高いです。
井戸掘りは外構工事に含まれる場合が多いため、リフォーム会社やハウスメーカーなどに依頼する方も少なくありません。しかし、井戸掘り工事は専門事業者に直接依頼することがおすすめです。
リフォーム会社やハウスメーカーに依頼することで、中間マージンがかかってしまう可能性が高くなるためです。場合によっては、中間マージンだけで10万円以上が加算されてしまうこともあります。
適切な費用で確実に井戸掘り工事してもらうためにも、専門事業者を選定することが重要です。
本記事では井戸掘りにかかる工事費用の相場や工事方法など、さく井工事・井戸工事の基礎知識を解説してきました。
一般的な井戸掘りの工事費用は、20万円〜40万円といったところですが、深さに応じて費用相場は変動するうえ、絶対に地下水が出るという保障もありません。適正な費用で確実に井戸掘りするためには、井戸掘り経験・実績の豊富な優良工事事業者を探しましょう。
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