年末調整代行の費用はいくらぐらい?費用相場や3つのメリット・注意点を解説
- 年末調整代行の料金相場はいくら?
- 年末調整代行を依頼できる会社とは?
- 年末調整代行を依頼するメリット・注意点は?
「年末になると年末調整業務で作業が大変…」とお悩みの事業主・経理担当者、必見です。
年末調整は社員1人ひとりの給与や控除額など1円のミスも起きないように正確な計算が必要なため、負担が大きい作業です。年末調整代行サービスを利用することによって、社員の業務負担や計算ミスを防ぐことが可能です。
この記事では事業主や経理担当者の方に向けて、年末調整代行のサービス内容や料金相場、メリット・注意点を解説します。 記事を読み終わった頃には、年末調整代行サービスの費用相場を把握し、適正な価格で依頼できるでしょう。
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年末調整とは|所得税の総額を計算し過不足分の金額を調整する作業
年末調整とは、所得税の総額を計算し、過不足分の金額を調整する作業です。給与額の変動があったり、結婚や出産で扶養親族が変わり控除額が変動したりなどで、改めて計算し直した場合に納税額が変わるでしょう。
納税額の決まり方は、前年の1月1日〜12月31日までの1年間の給与収入から基本控除や扶養控除などの控除額を引き、課税所得を出します。課税所得が課税対象となり、税率をかけて納税額を算出します。
税率は以下のとおりです。
課税所得 | 税率 |
---|---|
〜195万円 | 5% |
195万円〜330万円 | 10% |
330万円〜695万円 | 20% |
695万円〜900万円 | 23% |
900万円〜1,800万円 | 33% |
1,800万円〜4,000万円 | 40% |
4,000万円〜 | 45% |
納めた納税額が多すぎていた場合は還元され、反対に不足している場合は徴税されるのがルールです。
年末調整代行とは|年末調整作業を外部に委託できるサービス
年末調整代行とは、社内でおこなう年末調整作業を外部に委託できるサービスのことです。
自社で年末調整をする会社もありますが、時間がかかるデメリットや法改正に適応するため常に最新の情報を集める必要があります。社内の負担を軽減するために、年末調整を代行業者へ依頼する会社も多いです。
年末調整代行では、年末調整業務や納税額の算出が主なサービス内容となります。
年末調整代行を依頼する場合の費用相場
年末調整代行を依頼する際の料金形態は「基本料金+従業員1人あたりの手数料+オプション費用」が一般的です。
従業員の数が多くなるほど費用が上がるため、基本料金だけではなく、従業員数をふまえた総額で各社の料金を比較しましょう。年末調整の代行費用は、以下の3つの要因で決まります。
- 基本料金:約1万円〜2万5千円
- 従業員1人あたりの手数料:1,500円〜3,000円
- 追加のオプション費用
実際の料金は会社や業務内容・従業員数・追加サービスなどの条件により変動する可能性があります。地域や会社によっても価格が異なるため、詳細な料金は事前に各会社に問い合わせましょう。
基本料金:1万円〜2万5千円
基本料金の相場は、1万円〜2万5千円が一般的です。年末調整作業や申告書の作成などの基本的な業務を含んだ料金です。年を越してからの依頼の場合、追加料金として2万円〜3万円が加算されるため注意が必要です。
従業員1人あたりの手数料:1,500円〜3,000円
従業員1人あたりに加算される手数料は1,500円〜3,000円が相場です。従業員ごとに家族構成や控除額が異なるため、まとまった従業員数であっても単価が下がることは基本的にありません。
代行業者によっては、依頼会社側があらかじめ会計ソフトに給与のデータ入力を済ませておくことで割引されるケースもあります。
追加のオプション費用
代行業者のなかには、源泉徴収票や支払調書などの作成をオプションとして扱っているところもあります。主なオプションサービスに、法定調書合計表作成が1件5,500円程度、支払調書作成が1件1,650円程度で用意されています。
相場より低い基本料金は、求めていたサービスがオプション扱いの場合があるため、基本料金の内容を確認してから依頼しましょう。
年末調整代行が依頼できる3つの会社の特徴
年末調整代行が依頼できる会社は1つではありません。年末調整の業務を依頼できる主な代行業者を3つ紹介します。
- 税理士事務所
- 社労士事務所
- 経理代行サービス会社
依頼する前に自身のニーズや要件をよく理解し、適切な専門家やサービス提供会社を選ぶことが重要です。
税理士事務所
税理士事務所は、税務に関する専門知識を持ち、年末調整に関連する所得税の確定申告や給与明細の整理などを担当します。
他の代行業者と比べて料金が高いことがデメリットですが、年末調整作業以外に、節税対策や最新の法改正などアドバイスを貰える場合があります。
社労士事務所
社労士事務所は、労働法や社会保険などの労務関連の専門知識を有しており、年末調整には社会保険料や労働関連の法的規定なども含まれます。労働関連の問題や雇用契約のアドバイスも提供します。
年末調整代行は税理士のみがおこなえる業務であるため、依頼を検討する前に税理士事務所と協力して業務をおこなっているか確認しましょう。
経理代行サービス会社
経理代行サービス会社は、経理および会計業務全般を行います。年末調整においては、給与関連の処理や所得税の計算などを担当し、財務報告書の作成や経営に対するアドバイスも提供するでしょう。
料金が低く設定されている点もメリットです。ただし、税務や法的な専門性は他の専門家ほどではないケースがあります。
年末調整代行を利用する3つのメリット
年末調整は経理部や事業主にとって非常に時間と手間がかかる業務です。12月の繁忙期に年末調整作業だけでも外部に依頼することで、社内の負担を軽減させることができるため人気のサービスです。
年末調整代行を利用する主なメリットは以下の3つです。
- 人員コストの削減ができる
- 業務負担を減らし本業へ専念できる
- 最新の法改正に対応でき正確な作業が見込める
専門家に年末調整業務を委託することで企業が得られる利点が多々あります。
1. 人員コストの削減ができる
年末の忙しい時期に従業員全員の年末調整をすると、非常に多くの手間がかかります。年末調整の担当者の残業や業務を行う人員の追加など、人件費の増加につながります。
代行を依頼することで外注費用は発生するものの、総合的にみて安くコストを抑えられます。
2. 業務負担を減らし本業へ専念できる
年末調整代行を利用することで、普段の業務に専念できます。年末調整を自社でおこなう場合、本来の業務と並行することになるため、経理担当者や事業主に作業が集中し負担が大きくなります。
専門家に代行してもらうことで、業務効率が向上し生産性が向上する可能性があります。
3. 最新の法改正に対応でき正確な作業が見込める
税務関係のプロに業務委託を外注することにより、法改正や最新情報を徹底して正確な計算をおこなってくれます。自社で年末調整をおこなう場合は、他の業務とも並行して作業をするためミスが増える原因となります。
万が一、税理士事務所や社労士事務所に年末調整代行を依頼し、税務調査でミスが指摘された場合は対応をしてくれるため安心です。
年末調整代行を利用する際の3つの注意点
年末調整代行を利用する際の注意点は以下のとおりです。
- 年末調整のノウハウが社内に身に付かない
- 代行業者と信頼関係を築く必要がある
- 取引量に応じて割高になる可能性がある
年末調整代行業者を利用する際は、依頼する前に企業のニーズや予算・将来の展望にあわせて検討しましょう。
1. 年末調整のノウハウが社内に身に付かない
外部の代行業者に年末調整業務を委託することで、社内での年末調整のノウハウや知識が不足する可能性があります。従業員が年末調整業務を外部に委託することで、実務経験や知識の獲得ができないため、将来的な運用や状況変化に対応できる能力が制限されるでしょう。
2. 代行業者と信頼関係を築く必要がある
信頼できない代行業者を選ぶと、業務の品質低下や遅延・機密性の侵害などのリスクが生じます。信頼関係を築くことは業務の安定性とセキュリティ確保につながるでしょう。
信頼できる業者とのパートナーシップは円滑なコミュニケーションと協力関係を構築し、企業の成長と効率化に寄与します。信頼性や実績を考慮し、長期的な信頼関係を築くことが重要です。
3. 取引量に応じて割高になる可能性がある
一部の年末調整代行業者は、取引量に応じて価格を設定している場合があります。取引量が多いほど、代行業者の料金が割高になる可能性があります。価格設定や契約条件を事前によく理解し、適切な代行業者を選ぶことが重要です。
年末調整代行を利用する流れ3ステップ
年末調整代行を利用する場合の流れは、通常以下の3つのステップにわかれます。
- 必要な資料を確認する
- 控除額と源泉徴収所得の計算をする
- 書類を送付する
年末調整代行の流れを把握しておくことで、円滑に代行を依頼できます。ただし、具体的な手続きや書類の内容は地域や法律によって異なる場合があるため、代行業者や税務署の指示に従うことが重要です。
1. 必要な資料を確認する
年末調整代行を依頼する前に、必要な資料を整理して準備しましょう。必要な書類は以下のとおりです。
- 給与所得者の保険料控除の申告
- 生命保険料控除証明書などの詳細がわかる書類
- 扶養控除等(異動)申告書
- 給与所得者の基礎控除申告書・所得金額調整控除申告書(兼用様式)
- 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書・借入金の年末残高等証明書(残高証明書)
資料を用意しておくことで、スムーズに代行業者とのやり取りができます。
2. 控除額と源泉徴収所得の計算をする
代行業者は、提供された資料をもとに、控除額や源泉徴収所得などを計算します。適切な年末調整を行い、最終的な税金の計算を行うことができます。代行業者が正確な情報を収集し、計算を行うことが重要です。
3. 書類を送付する
計算された情報を基にして、年末調整の申告書類や必要な書類を作成し、年末調整を依頼している企業に送付します。必要な手続きや提出方法に応じて、郵送や電子送付などの方法が含まれます。依頼先の企業が書類を提出し、年末調整を完了させることができるでしょう。
年末調整代行の業者選びに失敗しないための3つの確認事項
年末調整代行サービスを依頼できる事務所は全国に存在します。それぞれのサービスの内容や品質を見極めながら選んでいくことが大切です。
年末調整代行を利用する際に、確認しておくべき事項を紹介します。
- サービス内容と価格に納得できるか
- コミュニケーション能力や人柄がよいか
- 年末調整関係が得意分野か
確認事項を踏まえておくことで、適切な年末調整代行業者を選び、年末調整関係の業務を信頼できるパートナーに任せることができます。
1. サービス内容と価格に納得できるか
代行業者の提供するサービス内容と価格に対して、十分な理解を得ることが重要です。提供されるサービスが自社のニーズや要件と合致しているかを確認し、料金体系や追加サービスに関する明確な説明を受けることが大切です。
オプション費用や不明確なサービス内容は事前に確認しましょう。
2. コミュニケーション能力や人柄がよいか
代行業者とのコミュニケーションは極めて重要です。相手とのコミュニケーションが円滑で、質問に対する回答が迅速でわかりやすいかを確認しましょう。
担当者の対応や人柄も重視し、信頼できるパートナーであるかを見極めることが大切です。
3. 年末調整関係が得意分野か
年末調整関連の業務が代行業者の得意分野であるか確認しましょう。税務や労務に精通していて、最新の法改正や規制に対応できることも重要です。
過去の実績や顧客のレビューや評価をチェックすることで、業者の専門性や信頼性を確認できます。
まとめ
企業にとって年末調整作業は時間も手間もかかり、負担が大きい業務です。年末調整代行サービスを利用することで一定の依頼費用は発生しますが、トータル的に見ればコストを低く抑えることが可能です。年末調整代行を利用することはコストダウンに有効な手段の1つでしょう。
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札幌市を中心に活動する税理士。アパレル業界から未経験で税理士業界に飛び込む。その後、個人事務所、資産税系コンサルティングファームで経験を積み独立。税理士の仕事で重要なことはお客様とのコミュニケーションであるという考えから対話を重視している。中小企業の経営支援、スタートアップ支援、相続業務を得意としている。
住宅ローン控除についても2年目以降は年末調整に反映させることができますが、毎月天引きされる源泉所得税には反映されていません。これらの控除を反映させ正確に計算した所得税と、概算金額により給与天引きされた源泉所得税との差額を調整するために年末調整を行います。
年末調整を自社で行う場合でもアウトソーシングする場合でも必要書類は変わりません。どんな資料が必要であるか確認するとともに、必要資料をいつまでにどうやって社員から収集するのかを決めておくことがスムーズに年末調整を行うポイントではないでしょうか。
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もしも今現在、
- 信頼できる税理士に依頼したい
- 自身の状況に合わせた税務アドバイスがほしい
- 税理士の費用相場がわからない
上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の税理士・公認会計士に一括で見積もりができ、相場感や各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。
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