地盤改良工事ではどのくらい費用がかかる?工法の種類と注意点を徹底解説!
- 地盤改良工事の費用相場はどのくらい?
- 地盤改良工事にはどのような工法があるの?
- 地盤改良工事をする際の注意点は何?
「いったい地盤改良工事にはどのくらいの費用がかかるの?」「何とか費用を抑えられないか?」という方必見!家を建てる際、地盤調査を行った結果次第では地盤改良工事が必要になります。地盤改良工事にかかる費用は1坪あたり1万円から7万円と幅広く、あらかじめ予算に組み込んでおくことが大切です。
本記事では、地盤改良工事の種類別の費用相場を解説します。地盤改良工事に関する注意点も紹介しました。記事を読み終わる頃には、地盤改良工事の費用相場を把握し、必要なケースで工事を施工会社に依頼できるでしょう。
これから工事を依頼する方はぜひ参考にしてください。
もしも今現在、
- 自社の規模の場合での費用を知りたい
- とにかく安く依頼したい
- 追加工事の発生を避けたい
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地盤改良工事の費用相場【工法別】
地盤改良工事には、主に3つの工法があります。それぞれの名称と費用相場は以下のとおりです。一般住宅の基準となる延床面積30坪の費用相場もまとめました。
1坪あたりの費用相場 | 延床面積30坪の費用相場 | |
---|---|---|
表層改良工法 | 1万円〜3万円 | 30万円〜90万円 |
柱状改良工法 | 3万円〜5万円 | 100万円〜150万円 |
鋼管杭工法 | 5万円〜7万円 | 150万円〜200万円 |
1. 表層改良工法:1万円〜3万円/坪
表層改良工法とは、軟弱地盤の表面を2mほど掘削し、セメント系固化材を投入したあと土を戻す工法です。掘削した土とセメント系固化材を混ぜ合わせて強度を高めます。費用は1坪あたり1万円〜3万円と、3つの工法の中でもっともリーズナブルです。
表層改良工法は以下のメリットがあります。
- 工期が1日〜2日程度と短期間で済む
- 狭小地や変形地、埋設物がある土地でも施工ができる
- 小型重機を使って工事が行える
勾配の大きな土地や地下水位が高い土地では施工できないデメリットがあります。
2. 柱状改良工法:3万円〜5万円/坪
柱状改良工法とは、地面に柱上の穴をあけ、セメント系固化材を流し込むことで柱上の土台を作る工法です。規則正しく数十本から数百本のセメントの柱を作ることで地盤の支持力を高める特徴があります。費用は1坪あたり3万円〜5万円前後です。
柱状改良工法のメリットは下記のとおりです。
- 2日〜3日程度の工期で行える
- 軟弱地盤の下に強固な地盤がなくても施工が行える
- セメントの柱と地盤の摩擦力で住宅の荷重を支えられる
ただし狭小地では施工が難しく、地盤の原状復帰も困難となるため、将来的に土地を売却する際に障害となるかもしれません。
3. 鋼管杭工法:5万円〜7万円/坪
鋼管杭工法とは、鋼管でできた杭を支持層となる硬い地盤まで打ち込み、土台を作る工法です。3つの工法の中で、地盤強度をもっとも高めることができるのが大きな特徴。費用は1坪あたり5万円〜7万円前後です。
鋼管杭工法は、3つのメリットがあります。
- 狭小地でも施工できる
- 小型の重機で工事できる
- 軟弱地盤が10m程度あっても施工できる
軟弱地盤の下に強固な支持層がないと施工ができないこと、施工中に騒音や振動が発生することがデメリットとなります。
地盤改良工事とは軟弱地盤を改良する工事
地盤改良工事とは、地盤調査の結果軟弱地盤と判断された土地を強化する工事のことです。地盤が軟弱になっていると、その上に住宅を建設することができません。
地盤改良しないまま住宅を建設すると、以下の恐れがあります。
- 不同沈下を起こす恐れ
- 家が傾いてしまう恐れ
軟弱地盤である場合、比較的自重が軽い戸建住宅を建設する前に地盤改良工事を行い、十分な支持力を得られるようにしなければなりません。
軟弱地盤に自重が重いオフィスビルを建設するケースでは、杭を支持層まで打ち込む杭基礎で対応するため、地盤改良工事が行われないこともあります。
地盤改良工事が必要なケース4つ
地盤改良工事は、どの土地でも必要になるわけではありません。地盤改良工事が必要なケースは以下の4つです。
- 地盤調査で軟弱地盤と判明したケース
- 盛土されているケース
- 埋立地であるケース
- 地盤沈下や液状化のリスクがあるケース
1. 地盤調査で軟弱地盤と判明したケース
地盤調査を行った結果、軟弱地盤であると判明したのであれば地盤改良工事が必要です。地盤調査は、スウェーデン式サウンディング試験やボーリング調査などにより、地盤にどの程度の支持力があるかを調べる調査です。地盤調査を行えば、どの程度の荷重を支えられるか、住宅を建設しても問題ないか分かります。
地盤調査で軟弱地盤であるという結果が出たなら、住宅建設前に必ず地盤改良工事を行わなければなりません。地盤改良工事をせずに住宅を建てると、以下の恐れがあります。
- 不同沈下を起こす恐れ
- 住宅が倒壊する恐れ
地盤調査に関して詳しくはこちらの記事も参照してください。
2. 盛土されているケース
盛土されている土地の場合、地盤改良工事が必要になるケースがあります。一般的に盛土された土地は地盤が弱く、地盤沈下が起こりやすい状態です。とくに以下の盛土は要注意です。
- 石やコンクリートの破片などの異物が入っている盛土
- もともと池や水田だった場所に施工された盛土
適切な材料で盛土されているケースや盛土されてから数十年が経過しているケースでは、地盤が十分に締め固められ強固になっていることがあります。盛土の状態や経過した年数を調査して地盤改良工事の必要性を判断しましょう。
3. 埋立地であるケース
埋立地に住宅を建てる場合、ほとんどのケースで地盤改良工事が必要です。埋立地はもともと海だった場所に土を入れているため、水分量が多いのが特徴です。巨大地震が発生すると地盤が泥水のようにドロドロになる「液状化」が発生するリスクがあります。
埋立地に住宅を建てる際には、軟弱地盤の下にある支持層まで杭を打ち込む鋼管杭工法や、杭基礎によって土台を作るのが一般的です。埋立地だからといって住宅が建てられないことはありませんが、地盤改良工事にかなりの費用がかかることを覚えておきましょう。
4. 地盤沈下や液状化のリスクがあるケース
埋立地と同様に、地盤沈下や液状化のリスクがある場所では地盤改良工事が必要です。隣接地に地盤沈下が発生していなくても、狭い範囲で地盤沈下を起こす恐れがあるため注意しましょう。
地盤沈下や液状化の原因はさまざまで、突如として発生することも珍しくありません。地震だけでなく、下記の場合でも発生する可能性があります。
- 近隣の道路工事の振動
- 地下水の過剰な汲み上げ
- 住宅の自重
地盤沈下や液状化のリスクが少しでもある場合には、地盤改良工事の実施を検討しましょう。
地盤調査・地盤改良の流れ4つ
地盤調査や地盤改良には、それぞれ実施するタイミングがあります。たとえば地盤改良工事は、地盤調査の前には行えません。地盤調査や地盤改良の流れをご紹介します。
- 間取りの決定
- 地盤調査の実施
- 地盤改良工事費用の決定
- 地盤改良工事の実施
1. 間取りの決定
住宅を建設することが決まったなら、住宅の間取りを決めなければなりません。住宅の間取りが決まり次第、その範囲で地盤調査を行います。地盤調査や地盤改良工事は、所有している土地全体で行う必要はなく、住宅の基礎部分のみで十分です。
地盤調査の代表的な手法であるスウェーデン式サウンディング試験は、住宅の四隅と対角線が交わる交点の計5カ所で試験を行います。位置が1mでもずれてしまえば再度試験を行わなければならないため、住宅の間取りが確定した後に地盤調査を行いましょう。
2. 地盤調査の実施
住宅の間取りが決まったなら、地盤調査を行います。主な地盤調査の手法は、以下のとおりです。
スウェーデン式サウンディング試験 | 小さな面積で調査が可能。リーズナブルに行える調査 |
---|---|
ボーリング調査 | データの信頼性が高い調査。コストが高い |
地盤調査は、実施する会社によって手法や結果が変動することもあります。地盤調査報告書を見て疑問や不安を感じる場合には、セカンドオピニオンとして別の業者に再度地盤調査を依頼しましょう。
3. 地盤改良工事費用の決定
地盤調査が完了すると、地盤改良工事の必要性と最適な工法を判断できます。地盤改良工事の費用が分かるのは、地盤調査後です。
下記の要素によって最適な工法が変化します。
- 軟弱地盤がどのくらいの深さ続いているのか
- 軟弱地盤の下に支持層があるか
工法によって費用が数十万円〜数百万円程度変わることもあるため、なぜ特定の工法が選択されたのか業者に確認することが必要です。
4. 地盤改良工事の実施
地盤改良工事の工法と費用が決まり次第、工事が実施されます。たいていは2日〜3日程度で工事は完了しますが、支持層の深さや埋設物の有無によって若干工期が延びることもあるでしょう。
住宅を建てた後のトラブルを避けるために地盤改良工事は必須なため、多額の費用がかかったとしても実施することが重要です。
地盤改良工事で起こりえる2つのトラブル
地盤改良工事が始まると、工事以外にトラブルが発生することがあります。地盤改良工事で起こりえるトラブルは主に以下の2つです。
- 近隣トラブル
- 遺跡の出土や埋設物の発見
1. 近隣トラブル
地盤改良工事で頻繁に起こるのが近隣トラブルです。地盤改良工事に限らず、工事を始めると重機が入って作業するため騒音や粉塵への苦情が寄せられます。鋼管杭工法を採用すると、騒音と振動が大きいため近隣トラブルが発生しやすいでしょう。
近隣トラブルを避けるために以下を実施するのが非常に重要です。
- 事前の挨拶
- 工事に関する詳しい説明
地盤改良工事を実施する業者が行ってくれる場合もありますが、施主が業者に同行して直接近隣住民に挨拶と説明を行い、配慮を示すことがもっとも効果的です。
2. 遺跡の出土や埋設物の発見
地盤改良工事でそれほど頻繁に起こるわけではないものの、遺跡の出土や埋設物の発見により工事を中断せざるを得ないことがあります。
とくに遺跡が出土した場合、その土地の該当市区町村の担当部署に連絡しなければなりません。遺跡が重要なものであれば工事が中断する可能性があります。
遺跡ではなく、以前打設された基礎の残骸や大きな岩などの埋設物が見つかった場合、それを撤去する作業が必要です。基礎の残骸の撤去は大規模な追加費用がかかることもあるため、事前の地盤調査の段階で埋設物の有無も確認するといいでしょう。
地盤改良工事の注意点4つ
地盤改良工事は軟弱地盤の土地では必須ですが、いくつか注意すべき点があります。地盤改良工事の注意点は主に以下の4つです。
- 施工会社によって費用が大きく異なる
- 地盤資料を閲覧できる場合がある
- 軟弱地盤の多い場所を避ける
- 地盤改良工事の予算を取り分けておく
1. 施工会社によって費用が大きく異なる
地盤改良工事で注意すべきなのは、施工会社によって費用が大きく異なる点です。地盤調査・地盤改良は、同じ施工会社に依頼することがほとんどですが、会社によって調査の精度も調査後の対応も異なります。
たとえば、本来は表層改良工法で十分であるのに、調査結果の違いで柱状改良工法が必要だと判断されることもあるのです。
安全面を重視するあまり過剰な工法を選択したり、施工会社が得意とする工法を優先して採用したりするケースもあります。1社にすべて任せるのではなく、いくつかの業者に調査を依頼するのも賢い方法です。
2. 地盤資料を閲覧できる場合がある
地域によっては、自治体が過去に実施した地盤調査のデータをホームページで公開している場合があります。あらかじめ地盤資料を閲覧できれば、下記のメリットが得られるでしょう。
- どの程度の軟弱地盤なのか予測できる
- どのような工法が適切なのか予測できる
地盤資料を入手できれば、上記の情報を提供することで施工会社から概算の見積もり費用を教えてもらえる可能性があります。資料をもとに、業者から提示された見積もりの根拠を尋ね、費用を抑える提案ができるかもしれません。
3. 軟弱地盤の多い場所を避ける
土地を購入する際に、軟弱地盤の多い場所を避けることができれば、地盤改良工事の費用を抑えられる可能性があります。できる限り地盤が強固な土地を選ぶのがポイントです。
一般的に軟弱地盤の傾向がある土地の特徴は以下のとおりです。
河川・海が近くの土地 | 土中の含水率が高くなるため地盤が軟弱になりやすい |
---|---|
埋立地 | 土中の含水率が高く、締固めが十分ではないことが多いので地盤が軟弱になりやすい |
水害の多い地域 | 雨量の多い土地は土中の含水率が高い |
地名に「水」「川」が入っている | 古くから水害が多かった可能性がある |
自治体がハザードマップや地盤サポートマップを提供している地域では、その地図を参考に地盤の強固な場所を選べるかもしれません。
4. 地盤改良工事の予算を取り分けておく
軟弱地盤を避けて土地を購入した場合、地盤改良工事が必要となるリスクは軽減できますが、念のため地盤改良工事の費用を取り分けておきましょう。
どのような土地でも住宅建設前に地盤調査を実施しなければならず、結果的に地盤改良工事が必要になることも考えられます。
隣接地の地盤は強固なのに、該当地では地盤改良が必要になるというケースもあるでしょう。地盤改良工事にかかる費用をあらかじめ確保しつつ、できる限り地盤改良を必要としない土地を探すことがポイントです。
地盤改良工事の費用まとめ
地盤改良工事には表層改良工法、柱状改良工法、鋼管杭工法の3つの工法があり、それぞれ費用が異なります。
土地が軟弱地盤であったり、埋立地であったりする場合、住宅を建てる前に地盤改良工事が必要です。できるだけ地盤が強固な土地を探し、地盤資料を活用しながら、地盤改良工事の費用を抑えるようにしましょう。
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計画地の地盤の強度が事前にわかることが理想ですが、実際に調査するまでわからないので、建築費用の総額のなかに地盤改良工事の費用をみておきます(例えば30坪で150万円くらい)。
元々の予算が厳しい場合は、例えば地盤調査会社などが公開しているマップなどを確認して、あらかじめ計画地の地盤強度を予測をした上で、建物の計画をすることが大事です。
このようなマップには、周辺地域の過去の地盤改良工事の実績が掲載されていますので、計画地の地盤改良工事の必要性について想定できます。計画の初期段階で軟弱な土地が多い地域での新築工事を回避(中止)することも、経済合理性や耐震性を考慮した場合は一つの正しい判断になります。
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もしも今現在、
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