システムリプレースとは?4つの方式やメリット・デメリットを解説

株式会社モンスターラボ
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最終更新日:2024年02月21日
システムリプレースとは?4つの方式やメリット・デメリットを解説
この記事で解決できるお悩み
  • システムリプレースとは?
  • システムリプレースのメリット・デメリットとは?
  • システムリプレースの方式とは?

「社内のシステムを一新したいが、どのような方法があるのだろう」とお悩みの経営者、必見です。

システムリプレースは既存のITシステムを別のものに置き換えることを意味します。リプレースを行うことで、安定したシステムの動作やセキュリティの維持が期待できるでしょう。

この記事では、システムリプレースの概要やメリット・デメリットを解説します。記事を読み終わった頃には、自社に適したシステムリプレースの進め方がわかり、移行に向けて動き出せるでしょう。

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システムリプレースとは?|社内のシステムを新しくすること

ビジネス 歯車

システムリプレースとは、既存のシステムを新しいシステムに置き換えるプロセスを指します。古いシステムが現代の要件や技術と合わず、業務の変化に対応できない場合に行われることが一般的です。

目的は、効率の向上・新しい機能の追加・セキュリティの向上などを達成し、組織の業務プロセスを改善することです。

業界の規制や法令の変更によって、システムが要求される機能やセキュリティレベルが変化する場合もあります。システムリプレースは、規制や法令への適合を確保するために行われます。

システムリプレースとマイグレーションの違い

システムリプレースは古いシステム全体を新しいものに取り替える一般的な概念です。一方で、マイグレーションはデータやアプリケーションを新しい環境に移すプロセスを指す具体的な行動です。

たとえば、データのエクスポート・インポートやアプリケーションの移行が主な作業として挙げられます。

システムリプレースを行う3つのメリット

システムリプレースを行う3つのメリットは以下のとおりです。

  1. システム動作を安定に保てる
  2. セキュリティの維持に効果的である
  3. 業務をデジタル化できる

システムリプレースのメリットは、セキュリティ対策が強化されることで情報漏洩や不正アクセスのリスクが軽減することです。

新しいシステムは業務プロセスをデジタル化し、業務の効率性向上に寄与するでしょう。組織はより効果的かつ安全な運用が可能となります。

1. システム動作を安定に保てる

旧システムが古くなると、動作が不安定になり、障害やエラーが頻発する可能性があります。システムリプレースを行い、新しいシステムの導入による最新技術の利用や最適化をすることで、システムの安定性が向上します。

業務プロセスの中断や作業の停滞を最小限に抑えられるでしょう。

2. セキュリティの維持に効果的である

古いシステムは新たな脅威やセキュリティの課題に対応するための最新のセキュリティ機能が欠けていることがあります。システムリプレースにより、新しいシステムは最新のセキュリティ対策が組み込まれているため、機密情報やデータの保護が向上します。

セキュリティリスクを最小化し、機密性を確保できるでしょう。

3. 業務をデジタル化できる

新しいシステムの導入により、業務プロセスを効率的かつ効果的にデジタル化できます。作業の自動化や情報のリアルタイムな可視性が向上し、業務の迅速な処理が可能となるでしょう。

デジタル化は生産性向上や意思決定の迅速化に貢献し、組織の競争力を高める要因となります。

システムリプレースを行う2つのデメリット

システムリプレース(既存のシステムを新しいシステムに置き換えること)には、いくつかのデメリットが存在します。以下は、主な2つのデメリットです。

  1. コストと時間がかかる
  2. 運用中断が必要となる

デメリットを最小限に抑えるためには、慎重かつ計画的な移行戦略を策定し、関係者へのコミュニケーションを重視しましょう。

1. コストと時間がかかる

システムリプレースは通常、新しいシステムの開発や導入に関連するコストと時間がかかります。新しいハードウェアやソフトウェアの購入・開発作業・トレーニング・データの移行などが含まれます。

既存のシステムが複雑である場合、作業には予期せぬ課題や問題が発生する可能性があり、追加のコストと時間の増加を引き起こす場合があるでしょう。

リプレース前に十分な調査と計画を行い、既存システムの詳細な理解や移行プロセスの設計を行うことが重要です。予期せぬ課題や問題・予算を事前に特定し、対処策を準備することができるでしょう。

2. 運用中断が必要となる

システムリプレースの過程で、既存のシステムから新しいシステムに移行するために一時的な運用中断が必要となります。ビジネスプロセスやサービスの中断が生じ、企業や組織の運営に影響を与える可能性があるでしょう。

ユーザーは新しいシステムへの適応に時間を要するケースがあり、業務の効率や生産性に一時的な悪影響を与える場合があります。特にトレーニングが不足している場合、ユーザーのフラストレーションやエラーの増加が起こる可能性があります。

ユーザーに対して十分な事前通知とトレーニングを行うことが重要です。新システムの導入計画や変更点を明確に伝え、ユーザーが適切に準備できるよう支援します。

システムリプレースにおける4つの方式

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システムリプレースにおける4つの方式は以下のとおりです。

  1. 段階移行方式
  2. パイロット移行方式
  3. 一括移行方式
  4. 順次移行方式

それぞれの方式を押さえておくことで、システムに合ったものを選択・適用できるでしょう。

1. 段階移行方式

段階移行方式は、システムリプレースを複数の段階に分けて進める手法です。各段階で一部の機能やモジュールを新システムに移行させることで、リスクを分散し、段階ごとにトラブルシューティングが可能となるでしょう。

ただし、一部の機能やモジュールが新旧システムで混在することにより、システムの運用が複雑化します。とくに、異なるバージョンのシステムが同時に稼働する場合、統合やバージョン管理が困難になります。

段階移行を行う際には、各段階のスケジュールやリソースを適切に管理し、進捗状況を定期的にモニタリングしましょう。統合やバージョン管理に注意が必要で、計画的かつ協調的な進行が不可欠です。

2. パイロット移行方式

パイロット移行方式は、新システムを限定的な範囲で試験的に導入する手法です。たとえば、特定のユーザーグループや業務プロセスに新システムを適用し、結果を元に全体への展開を検討します。

リアルタイムでユーザーの反応や問題点を把握できるため、適切な改善策を迅速に導入することが可能です。ただし、適切なパイロットグループの選定が重要です。

特定のユーザーグループや業務プロセスを代表する人々を選び、フィードバックを通じてシステムの機能や使い勝手を確認することが必要でしょう。

3. 一括移行方式

一括移行方式は、1度にすべての機能やモジュールを新システムに移行する手法です。旧システムが停止し、新システムが一斉に導入されるため、全体的な切り替えが効率的に行えます。ただし、運用停止期間が発生するため、慎重な計画とテストが不可欠です。

さらに、すべての機能やモジュールを1度に移行するため、リスクが集中して発生します。システムの動作不良やデータの損失などのトラブルが起こるリスクが高まるでしょう。

移行前に十分なバックアップを取得し、移行中に発生した問題に備えて復元策を準備しましょう。データの損失やシステムの障害が発生した場合でも、迅速に対応できる体制を整えます。

4. 順次移行方式

順次移行方式は、新旧システムを一定の期間並行して運用し、徐々に新システムに機能やユーザーを移行していく手法です。リスクを分散し、ユーザーが新システムへの適応を逐次行える利点がありますが、コストの増加がデメリットに挙げられます。

たとえば、新旧システムを一定の期間並行して運用するため、運用コストが増加する場合です。両方のシステムを維持するための人件費やシステム保守費用が重なることで、一時的に運用コストが増加する可能性があります。

並行運用期間中の運用コストを見積もり、予算とリソースを適切に配分しましょう。運用コストの増加に備えて、追加の予算を確保することが重要です。

システムリプレースを行う手順4ステップ

システムリプレースを行う際の手順は、慎重かつ計画的なアプローチが必要です。以下に、一般的なシステムリプレースの手順を4つのステップにまとめています。

  1. 既存のシステムを評価し移行計画を立てる
  2. 新システムの開発とテストを行う
  3. 運用へ移行する
  4. ユーザー受け入れテストを行う

正しい手順を把握しておくことで、既存システムの問題点を改善した新システムを導入できるでしょう。

1. 既存のシステムを評価し移行計画を立てる

システムリプレースの第一歩は、既存システムの評価と改善のための計画です。既存システムの問題点を洗い出し、新システムの目標を明確に定義します。

移行の計画を策定し、スケジュール・リソース・トレーニングプログラムなどを具体的に計画します。

2. 新システムの開発とテストを行う

新システムの開発では、要件に基づき新しいソフトウェアやハードウェアを導入し、プログラミングやデザイン作業を行いましょう。単体および統合テストを通じて新システムの機能や互換性を確認し、品質を保証します。

3. 運用へ移行する

既存データを新システムに移行し、データの整合性と品質を確保します。同時に、ユーザートレーニングや教育プログラムを実施し、新システムの効果的な利用を可能にします。

4. ユーザー受け入れテストを行う

ユーザー受け入れテストを通じて、ユーザーからのフィードバックを収集し、新システムが期待どおりに機能しているか確認します。新システムを本番環境で稼働させ、運用を開始しましょう。

定期的な監視を通じてシステムの動作や利用体験を確認し、必要に応じて調整や修正を行います。

システムリプレースを行う際の3つのポイント

ビジネスイメージ

システムリプレースを行う際に重要なポイントは以下の3つです。

  1. 徹底的な評価と分析を行う
  2. 段階的な導入を行う
  3. ユーザーとステークホルダーとのコミュニケーションを綿密に行う

システムリプレースにおいて成功するための鍵は、徹底的な評価と分析により課題を把握し、段階的な導入を通じてリスクを最小化することです。

ユーザーとステークホルダーとの密接なコミュニケーションを保ちながら、プロジェクトの進捗と成功に向けて効果的な調整を行いましょう。

1. 徹底的な評価と分析を行う

システムリプレースの最初のステップは、既存のシステムを徹底的に評価し、問題点や改善の余地を特定することです。要件の変更や技術の進化に対応できない可能性があるため、現行システムの強みと弱みを把握することが重要です。

2. 段階的な導入を行う

リプレースプロセスは計画的かつ段階的に進めるべきです。具体的な目標とスケジュールを立て、徐々に新しいシステムを導入しましょう。段階的な導入は、問題の早期発見やユーザーのトレーニングのしやすさを促進し、全体的なリスクを軽減します。

3. ユーザーとステークホルダーとのコミュニケーションを綿密に行う

ユーザーとステークホルダーとの密接なコミュニケーションが成功の鍵です。変更がおよぼす影響を理解し、期待値を明確化するために、関係者との定期的なミーティングやワークショップを通じて情報を共有し、フィードバックを受け入れます。

ユーザーの理解と協力はシステムリプレースの成功に不可欠です。

まとめ

リプレースには全面的に入れ替えるパターンもあれば一部分のみ置き換えるパターンもあります。自社ではどのパターンが相応しいのか、自社のシステムの現状・問題点を踏まえたうえで検討していくことが必要になるでしょう。

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監修者のコメント
株式会社モンスターラボ
CTO 平田 大祐

2004年IBMグループに入社し、IBM ITスペシャリストとしてシステム開発に従事。2009年からベンチャー企業にて受託開発、コンテナ型無人データセンターの管理システム、ドローン開発などソフトウェアからハードウェア開発まで幅広く関わる。チーフテクノロジストとして2015年にモンスターラボへ入社し、2018年4月より最高技術責任者であるCTOに就任。

DXレポートでも「2025年の崖」問題として言及されていたように、多くの企業においてレガシーシステムの存在がDX推進の大きな障害になっています。旧来の技術で構築されたレガシーシステムは、一部の技術者しか扱えないブラックボックスと化しており、最新システムへのリプレースは非常に困難な状況です。

レガシーシステムからのリプレースを推進するには、まず「どのようなやり方なら移行できるか」を自社の状況に合わせて検討し、適切なチーム体制を構築する必要があります。同時に技術調査を行う上で、実行計画に落とし込み、チーム一丸となって解決にあたることが肝心です。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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