不動産登記とは?申請に必要な書類や流れを徹底解説

ささのは司法書士事務所
監修者
最終更新日:2023年08月01日
不動産登記とは?申請に必要な書類や流れを徹底解説
この記事で解決できるお悩み
  • 不動産登記とは?
  • 不動産登記が必要な場合は?
  • 不動産登記に必要な書類は?

「不動産登記をしたいが、必要な書類や手続きの流れがわからない…」という方必見!

この記事では不動産の購入や売却をした方に向けて、 不動産登記が必要な場合や必要な書類について解説します。最後まで読めば、不動産登記を自身でする際の流れもわかります。

不動産登記が行われた不動産は取引の安定性が高まり、売買や貸借における信頼性が向上します。不動産登記を外注する際の費用相場も紹介しているため、今後不動産登記が必要になる可能性がある方もぜひ参考にしてください。

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不動産登記とは?

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不動産登記とは、土地や建物などの不動産に関する権利や所有者の変更を公的に登録する手続きのことです。所有権の確定や担保権の設定、買い手や売り手の保護などの目的があり、不動産取引における法的な安定性を確保するために行われます。

不動産登記の手続き後に不動産簿謄本が発行され、不動産の所有者や関係者が必要な情報を確認できます。

登記簿謄本に記載されている内容

不動産の登記簿謄本には、土地や建物の所在地、面積、所有者情報、権利関係などの詳細な情報が含まれています。不動産の登記情報は、不動産登記法により公示される義務があり、誰でも登記簿謄本を交付や閲覧できます。

不動産登記が必要な場合4つ

ここからは、不動産登記が必要な場合を4つ紹介します。

  1. 売買で不動産を取得した場合
  2. 住所変更や結婚して姓が変わった場合
  3. 所有者が亡くなり不動産を相続した場合
  4. 住宅ローンを完済した場合

1. 売買で不動産を取得した場合

不動産を売買で取得する場合、不動産登記が必要です。売買契約の成立後、新しい所有者として登記されることで、不動産の所有権が法的に確定します。不動産登記により、購入者は所有権を実効的に行使できます。

不動産登記は、売買契約の透明性と法的な保護を確保する重要な手続きです。取得した不動産の登記を適切に行い、所有権の移転を公的に確認することは、不動産取引における安定性と信頼性を高めるために欠かせません。

2. 住所変更や結婚して姓が変わった場合

住所変更や結婚による姓の変更など、個人の状況が変わった場合は不動産登記の更新が必要です。住所変更があった場合、所有者情報の登記を変更し正確な情報を反映させます。

結婚による姓の変更があった場合、所有者名義の変更登記を行い、新しい姓で不動産の所有権を確定させます。不動産登記の更新は、個人の状況変化に応じて適切な権利関係を維持するために重要です。

3. 所有者が亡くなり不動産を相続した場合

所有者が亡くなり、不動産を相続した場合、不動産登記の手続きが必要です。相続人は、遺産分割や相続手続きの結果に基づき、不動産の新たな所有権を確定するために登記を行います。

相続人は、遺産分割協議や裁判所の判決を元に登記申請をし、所有者情報を相続人に更新します。不動産登記の手続きは、相続における所有権の移転を公的に確認し、相続人の権利を保護する重要な手段です。

4. 住宅ローンを完済した場合

住宅ローンを完済した場合は、不動産登記の手続きが必要です。ローン完済後、金融機関が抵当権を抹消するために登記を行いましょう。登記を通じて、不動産の抵当権が正式に抹消され、所有者による所有権の完全な確定が行われます。

不動産の担保権が消滅し、所有者は不動産に対して完全な所有権を有することになります。登記手続きを適切に行うことで、不動産の所有者はローン完済を正式に証明し、法的な権利保護を確保できるでしょう。

不動産登記に必要な書類一覧

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不動産登記においては、正確な情報の提供と必要書類の適切な準備が重要です。登記所により要件や手続きが異なる場合があるため、登記所に相談し、正確な情報を入手しましょう。登記の内容にかかわらず必要な書類は、以下のとおりです。

  • 登記申請書
  • 本人確認書類
  • 印鑑証明と実印
  • 住民票の写し

個人の状況により必要な書類が追加される場合がありますが、自身にとって適切な追加書類を用意しましょう。

所有権の移転登記をする際に必要な追加書類

所有権の移転登記をする際は、売主が用意する書類が追加されます。以下の必要な追加書類は、すべて売主側が用意する書類です。

  • 登記識別情報通知書と従来の登記済証(権利証)
  • 印鑑証明書と実印
  • 住民票
  • 抵当権抹消書類
  • 固定資産税の評価証明書

相続で所有権の移転登記をする際に必要な追加書類

相続で所有権の移転登記をする際に、必要な追加書類は以下のとおりです。

  • 被相続人の戸籍謄本
  • 登記識別情報通知書と従来の登記済証(権利証)
  • 相続人の戸籍謄本
  • 固定資産税の評価証明書
  • 遺言状や遺産分割協議書

抵当権の設定登記をする際に必要な追加書類

住宅ローンを利用して不動産を購入した場合は、抵当権の設定登記が必要です。抵当権の設定登記をする際に、必要な追加書類は以下のとおりです。

  • 登記識別情報通知
  • 抵当権設定契約書

抵当権の抹消登記をする際に必要な追加書類

住宅ローンの支払いが終わり抵当権を抹消する際は、抵当権の抹消登記が必要です。抵当権の抹消登記をする際に、必要な追加書類は以下のとおりです。

  • 登記識別情報通知
  • 登記原因証明情報
  • 登記事項証明書

不動産登記を自身でする際の流れ

自身で不動産登記を行う際は、正確な情報の収集と必要書類の準備が重要です。不動産登記を自身でする際の流れは、以下のとおりです。

1. 登記簿謄本の取得 所定の手数料を支払い、登記簿謄本の発行を依頼
所有権や権利関係の証明に必要
2. 必要書類の準備 所有権移転登記申請書や身分証明書、売買契約書、印鑑証明書などの書類を準備
登記所へ提出し、所有権の移転や変更に関する情報を提供
3. 手続きの申請 関係する登記所や土地登記所に必要書類を提出
書類に不備がある場合は、追加書類の提出や修正が求められることがある
4. 審査と登録 書類の正確性や適法性の確認で、一定の時間がかかる場合がある
提出された書類が適切であると確認されると、所有権の移転や変更が正式に登録される
5. 登記簿謄本の発行 登記簿に所有権や権利関係が正式に登録された後、登記所や土地登記所から登記簿謄本を申請
正確な情報の提供と手数料の支払いを行うことで、登記簿謄本を取得できる

不動産登記を外注する際の費用相場

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不動産登記を外注する際の費用相場は、さまざまな要素により異なります。一般的な不動産登記の費用相場は、以下のとおりです。

登録免許税 不動産の固定資産税評価額×登録免許税率
登記手数料 約5,000円
専門家への報酬 3万円〜10万円

不動産登記費用の相場に関しては、以下の記事で詳しく解説しているため参考にしてみてください。

不動産登記を自分でするメリット2つ

ここからは、不動産登記を自分でするメリットを2つ紹介します。

  1. 登記申請にかかる費用を抑えられる
  2. 不動産の状況や権利関係を自己管理できる

1. 登記申請にかかる費用を抑えられる

弁護士や不動産業者に依頼せずに自身で手続きを行うことで、外注費用を節約できます。自分で書類を作成し、登記所に提出することで、手続きに伴う費用を最小限に抑えられます。

正確な手続きや書類の作成が求められるため、事前に必要な知識や情報を入手し、慎重に取り組むことが重要です。

2. 不動産の状況や権利関係を自己管理できる

自分で登記手続きや書類作成に関与することで、不動産の所有権や担保権などの権利関係を正確に把握できます。登記簿謄本や登記情報を確認することで、不動産の所在地や面積などの詳細情報を自ら管理できます。

自己管理により、不動産の状況を正確に把握し、必要な手続きや更新を迅速に行えるでしょう。

不動産登記を司法書士へ外注するメリット2つ

ここからは、不動産登記を司法書士へ外注するメリットを2つ紹介します。

  1. 負担が軽減され時間節約になる
  2. 信頼性と正確性が保たれる

1. 負担が軽減され時間節約になる

不動産登記手続きは複雑で時間を要しますが、司法書士への外注で、手続きや書類作成に関する負担を軽減できます。専門家が手続きを代行し、書類を作成することで、自身の時間を節約できます。

司法書士は登記手続きに関する経験と知識を持っており、迅速かつ効率的な対応が可能です。自分で手続きする場合に比べて、よりスムーズに登記手続きを進められます。時間と労力を節約し、他の重要な業務やプロジェクトに集中できるでしょう。

2. 信頼性と正確性が保たれる

不動産登記を司法書士へ外注すると、信頼性と正確性が保たれます。司法書士は法律上の義務を果たし、情報の正確性と機密保持を守ることが求められます。

専門的な知識と倫理規範に基づいた業務遂行により、不動産登記手続きは適切に行われ、書類や情報の正確性が保たれるでしょう。不動産登記に関する法的な問題やトラブルを未然に防げます。

まとめ

不動産登記が行われた不動産は、取引の安定性が高まるでしょう。所有権の明確化や権利の公示により、売買や貸借における信頼性が向上し、取引のリスクを低減できます。

比較ビズには、不動産登記に詳しい司法書士が多数在籍しています。スムーズに登記手続きを進められるよう、ぜひ比較ビズを活用して自身にあう司法書士を見つけてみてください。

よくある質問とその回答

  • 登記申請書はどこでもらえる?

    登記事項証明書は、法務局HPから取得できます。他にも近くの登記所(法務局や支局、出張所)で入手できますが、窓口申請は手数料が高いため、オンライン申請がお得です。

      手数料 取扱時間
    窓口申請 600円 平日の午前8時30分〜午後5時15分
    オンライン申請 500円 平日の午前8時30分〜午後9時00分
  • 不動産登記に期限はある?

    不動産売買による登記には厳密な期限はなく、所有者は自由に登記が可能です。建物の新築や未登記の建物の購入時に行われる「建物の表題登記」は、取得後1カ月以内に行う必要があります。

    相続に関する登記は異なり、2024年4月1日からは相続登記が義務化されるため、注意しましょう。不動産の相続を受けた場合、相続者である子供は「相続の開始及び所有権を取得した日から3年以内」に不動産の名義変更登記を行う必要があります。

監修者のコメント
ささのは司法書士事務所
佐々野 将太

兵庫県出身。大阪大学法学部卒業後、社会人として勤務しながら司法書士試験に合格。司法書士登録後は埼玉県の司法書士事務所で幅広い業務経験を積む。なかでも相続・遺言については年間100件近くの案件に携わっており、司法書士としての強みとなっている。2022年に大阪府池田市にてささのは司法書士事務所を設立。「わかりやすく、親しみやすい」をモットーに、市民から一番近い司法書士事務所を目指している。

不動産を買った。不動産を相続した。不動産に担保を設定した。住宅ローンを完済した。不動産に関する出来事と登記手続きは切っても切り離せない関係です。本記事で述べている通り、登記手続きを怠ると無用なトラブルに巻き込まれかねません。なるべく早く、そして確実に登記手続きを行いましょう。

登記手続きを専門家に依頼すべきかどうかは、本記事で述べたメリット・デメリットに加え、登記の難易度や申請する法務局によって判断するとよいでしょう。例えば、何代にも渡って放置されていた相続登記を行う場合や、申請先が遠方の法務局の場合などは、自分で手続きを行うことは難しいと思います。

もし、判断できない場合は一度司法書士に相談してみましょう。司法書士会や市町村で無料登記相談会を行っていることがあります。「東京都 司法書士会」のように検索すると司法書士会のHPが見つかると思いますので、一度ご確認ください。

なお、銀行から融資を受けて不動産を購入するときには基本的に司法書士による登記手続きを求められます。銀行は不動産に担保をつけることを条件で貸し出しをするため、確実に登記手続きが履行されなければいけないからです。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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