会社設立の流れ5ステップ!設立後に必要なことも解説

かめやま行政書士・社会福祉士事務所
監修者
最終更新日:2023年03月24日
会社設立の流れ5ステップ!設立後に必要なことも解説
この記事で解決できるお悩み
  • 会社設立の流れや必要な書類は何がある?
  • 会社設立の注意ポイントは何?
  • 会社設立後にやるべきことは何?

会社を設立したいけれど、やらないといけない手続きが多そうで何からやったらいいのかわからない方必見!

この記事では、会社設立に必要な手続きや書類について解説します。 会社設立後に必要な手続きも合わせて紹介しますのでぜひ記事をご覧ください。

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会社設立の流れ5つのステップ

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会社設立に必要な5つのステップは以下のとおり。

  1. 社名や資本金などの準備
  2. 定款作成
  3. 資本金の払込
  4. 登記申請の書類準備
  5. 登記申請

やることや用意しなければならない書類はたくさんありますが、ステップに分けて1つずつ完了していきましょう。

1. 社名や資本金などの準備

会社設立の手続きをする前に以下の7つのことを決めておかなければなりません。

  • 発起人
  • 会社名
  • 事業目的
  • 本社所在地
  • 事業年度
  • 資本金
  • 会社の機関と役員構成

発起人とは会社の設立メンバーのことで、出資者として最低1株以上を引き受けることになります。1人でも複数でも可能ですが、人数が多いと手間がかかるかもしれません。複数の場合は発起人会を開いて、事業目的などの会社概要を決めていきます。

会社の機関構成として最もシンプルなのが「取締役」と「株主総会」のみで、社長1人だけの会社はこのケースにあたります。会社の状況に合わせて「監査役」「取締役会」「会計参与」を設置できます。

登記申請時に印鑑が必要になる

ステップ5の登記申請時に印鑑が必要になるのでそれまでに用意しましょう。代表者印、銀行印、角印、ゴム印を用意しておくと便利です。

2. 定款作成

定款とは会社の決まりごとを書いたルールブックのようなものです。何かトラブルがあった際にも解決ができるように公証役場で認証してもらいます。定款に記載するべき事項は以下の3種類。

  • 絶対的記載事項
  • 相対的記載事項
  • 任意的記載事項

絶対的記載事項

絶対的記載事項は、定款に記載が必須の事項のこと。「事業目的」「商号」「設立に関して出資される財産の価値たはその最低額」「発起人の名前と住所」のことを指します。

相対的記載事項

相対的記載事項は、記載が必須ではないものの、定款に記載しないと法的に効力を持たない事項のことです。例えば、「株式の譲渡」「財産引受」などです。

任意的記載事項

任意的記載事項は、記載も決定も特に必要でない事項で会社法や公序良俗に違反しなければ自由に記載できる事項のこと。例えば、「事業年度」や「役員の数」などです。

3. 資本金の払込

最初に決めた発起人の個人口座に資本金を払込ます。発起人が複数いる場合は代表者の口座に払い込みましょう。会社はまだ設立されていないため、会社用の口座は存在しません。口座開設後に資本金を移すのを忘れないようにしましょう。

資本金の払込が完了したら、「払込証明書」を作成して通帳のコピーを一緒にとじ、1つの文書にします。これは登記申請時に使用することになります。

4. 登記申請の書類準備

法務局に登記申請する書類を準備します。登記に必要な書類は以下の11種類。

  1. 登記申請書
  2. 定款(公証人による認証済のもの)
  3. 発起人の同意書
  4. 代表取締役、取締役、監査役の就任承諾書
  5. 金銭の払込みがあったことを証する書面
  6. 取締役全員の印鑑証明書
  7. 取締役の本人確認証明書
  8. 調査報告書
  9. 財産引継書
  10. 資本金の額の形状に関する証明書
  11. 印鑑届出書

4は取締役が2名以上の場合は代表取締役の就任承諾書を、監査役を設置する場合は監査役の就任承諾書が必要になります。また、8〜10について出資する財産が金銭のみの場合は不要です。

書類の漏れがないように提出前に慎重に確認しましょう。印鑑は個人印なのか代表者印なのかよく間違えやすいので注意してください。書類を提出し不備があれば指示通りに対処し、不備がなければ5日〜9日ほどで完了します。

引用:法務省 株式会社の設立手続きについて

5. 登記申請

法人登記とは、会社に関する基本事項を公的機関に登録することです。登記後は誰でも会社の事業目的や資本金を確認できるようになります。登記申請は書面(管轄の法務局に持参か郵送)又はオンラインで申請することができます。

登記が完了しても連絡はありません。不備があれば連絡がありますが、申請時に示されている完了期日を何事もなく過ぎれば登記が完了したといってよいでしょう。進捗状況を確認したい方、登記できているか不安な方は直接電話で確認してみてください。

登記が完了した証明書(登記事項証明書)が取得できる

登記ができたら、登記事項証明書が取得できます。今後の手続きで必要になることがあるので取得しておきましょう。例えば、会社の銀行口座を開設する時に提出しなければなりません。1通あたり600円で取得できます。

会社設立後から事業開始までの流れ

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登記が完了したら各官庁に届出を行わなければいけません。 それぞれに届出の期限がありますので、期限に余裕を持って提出をしましょう。必要な届出は以下の4つです。

  • 都道府県・市区町村に届出
  • 税務署へ届出・申告
  • 年金事務所へ届出
  • 労働基準監督署へ届出

都道府県税事務所・市区町村役場に届出

会社を設立したら、15日から2ヶ月以内に都道府県税事務所と市町村役場に法人設立届を提出しなければなりません

届出と合わせて、「定款の写し」「登記事項証明書」「株主・社員名簿の写し」「設立趣意書」「設立時の貸借対照表」などを添付する必要があります。

東京23区内に本社所在地がある場合は、市町村への提出は不要です。様式や添付書類、提出期限が各自治体で異なりますので、それぞれのホームページで確認してください。

2. 税務署へ届出・申告

会社を設立したら以下の6つの書類を税務署へ提出します。

  • 法人設立届
  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
  • 青色申告の承認申請書
  • 消費税課税事業者選択届出書
  • 消費税簡易課税制度選択届出書

税金面で大きなメリットがありますが、期限を過ぎると受けられないのですみやかに提出しましょう。3〜6の書類は必須ではありませんが、節税になるので提出することがおすすめです。

3. 年金事務所へ届出

会社を設立したら年金事務所へ「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を提出しなければなりません。会社設立から5日以内に提出することを求められます。「登記事項証明書」や「従業員名簿」などの添付書類も必要なので、各年金事務所で調べておきましょう。

社員を雇用した場合は、雇ってから5日以内に「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」を提出します。保険に加入する各従業員の情報を年金事務所に伝える書類です。もし期限に間に合いそうにないなら年金事務所へ問い合わせてみましょう。

4. 労働基準監督署へ届出

従業員を雇う場合は、必ず労働保険に加入する必要があります。労働保険は労災保険と雇用保険の2種類。

  • 労災保険

    従業員が仕事中や通勤中に病気や怪我、死亡したりしたときに従業員やその遺族を保護するための保険のこと。労働基準監督署で加入します。

  • 雇用保険

    従業員が失業したときに、給付金が支払われ失業中の生活を安定させるための保険のこと。ハローワーク(職業安定所)で加入します。

よくある質問

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会社設立にあたってよくある質問を以下の3つからみていきましょう。

  • 株式会社と合同会社はどちらがいい?
  • 会社設立をするメリットは?
  • 会社手続きが不安な場合は誰に依頼する?

株式会社と合同会社はどちらがいい?

おすすめの会社形態はケース・バイ・ケースで決まります。ケース別で解説しましょう。

株式会社:出資額以上の資金を得たい方におすすめ

株式会社は合同会社よりも知名度が高く、株式を発行して資金を集められます。出資額が少なくてもその金額以上に資金を得られるので、多くの資金を集めたい方におすすめです。

合同会社:コストを抑えたい方におすすめ

合同会社は株式会社に比べてコストを抑えることができます。設立時にかかる費用は合同会社の方が安く、株式会社では必要な決算の公告や株主総会の開催費などが不要です。

会社を立ち上げたいけどお金があまりない方は、合同会社から始めてみるのがおすすめです。後で株式会社へ移行できるので、必要な手続き等を踏まえた上で検討しましょう。

以下の記事でより詳しく説明していますので合わせてご覧ください。

会社設立をするメリットは?

会社設立のメリットは主に以下の3つがあります。

  • 節税対策がしやすい(利益が増えるほど法人が有利)
  • 社会的信用が高くなり融資を受けやすい
  • 社会的信用が高くなり取引先が広がる

会社設立するべきかは、事業内容や個人の状況にもよるので一概には言えません。最初は個人事業として始め、後に法人化することもできますので、自身の状況に合わせて考えてみてください。

会社手続きが不安な場合は誰に依頼する?

会社設立の手続きは、提出書類が多すぎて大変です。1人では難しいと考えたら、司法書士に依頼するのがおすすめ。理由は以下のとおりです。

  • 正確かつスピーディーに対応してくれる
  • 電子認証ができ印紙代4万円を節約できる

正確かつスピーディーに対応してくれる

もし自分で手続きを進めて、書類の不足や間違いがあると、手間がかかり時間を無駄にしてしまいます。本業を並行して進めることになるので、難しい手続きは専門家に任せて自分は本業に集中するのが効率がよいでしょう。

電子認証ができ印紙代4万円を節約できる

自分で会社設立の手続きを行うと収入印紙代に4万円の費用がかかります。司法書士に代行してもらうと電子認証ができ、印紙代を節約できるのでおすすめです。専門家の中でも登記申請の代行業務をできるのは司法書士だけなので依頼を検討してください。

まとめ

今回は会社設立の流れについて、5つのステップに分けて紹介しました。個人事業主の方で利益が上がり法人化しようか迷っている方も多いでしょう。それぞれにメリット、デメリットがあるので把握した上で検討してみてください。

また必要になる書類がとても多いですが、今回紹介したやり方を参考に1つ1つ進めていけば問題なく会社設立をおこなえるでしょう。

「比較ビズ」なら、必要事項を入力する2分程度の手間で、司法書士の専門家をスピーディーに探せます。どの専門家に相談すべきなのか迷うようなことがあれば、ぜひ利用してみてください。

監修者のコメント
かめやま行政書士・社会福祉士事務所
代表 亀山 健悦

市役所退職後、行政書士として個人開業。相続、遺言作成支援、成年後見制度利用支援、福祉サービス提供のための法人設立、障害福祉サービス事業所指定申請業務など、福祉・介護分野の業務を中心に受注。また、福祉の専門性を上げるため、社会福祉士の資格も取得する。これまでの行政経験や社会福祉士の資格を活かし、相談員として主に障害者支援(障害福祉サービス利用支援、相談業務など)や医療機関での医療福祉相談業務にも従事する。

法人(会社)は、個人事業主と比べ、税制上の優遇や社会的信用が高いなどのメリットがあります。最初から法人設立を検討される方もいれば、個人事業からの法人化を検討している方もいるでしょう。

ここで取り上げた法人のメリット・デメリットを参考にするだけでなく、法人化した後にかかる税金や経費などのランニングコストについても考慮に入れて検討することをお勧めします。

また、法人には株式会社だけでなく、公益法人などさまざまな種類があります。事業内容を踏まえ、どの種類の法人を設立したらよいのかも検討する必要があります。

このようなことからも、会社設立の際には、当初から司法書士や税理士、社会保険労務士、行政書士などの専門職と相談し、書類作成や適切なアドバイスをもらって進めていってはいかがでしょうか。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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